私とゴキブリ (The Last Enemy G) との40年戦争

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 ■ 人生をかけたゴキブリ (The Last Enemy G) 退治の日々
 4月となってサクラの花も満開、今年は暖冬だそうですが、ますます暖かい、というより、日によっては初夏のような暑い日もやってくる季節になりました。 夏と云えば、そう…黒光りして台所をウロチョロする、ちょっと小粋で憎いヤツ、ゴキブリくん (以下、名前もおぞましいので 「G」 と呼称) の活躍する季節です。

 あたしは10年ほど前から、春先から初夏に掛けて、誘引式の毒餌駆除剤を大量散布してやつらを根絶やしにする作戦をとり続けているんですが、それでも成虫が1匹だけ、ご近所からひょっこりやってくることもあるので、100%ゼロとはなかなかいかない感じです。 元々貧乏人のせがれで、築50年くらいの柱が腐ってるようなボロ家に子供の頃は住んでいて、Gはお手玉状態で慣れ親しみ、共に生活するほどの間柄ですが、やはりキモイものはキモイので、何とか絶滅させたいと日夜努力してます。

 Gのいない素晴らしい文明生活をお望みのあなた、ぜひご一読して参考になさってみてください。
 ■ うっ!家のG捕獲方法の基本はビニール袋ごしに 手づかみ
   ワイルドキャッチ/ Wild Obtaining
 手づかみと云っても、そのまま直に触るのはさすがにキモイので、たいていはコンビニの白いビニール袋を手にかぶせ、その上からGを掴んで捕獲することになります。 捕まえたら、そのままビニール袋を裏返して袋のクチを結んで閉じ、Gを閉じ込めてゴミ箱にポイっというスタイルです。 この捕獲方法の良いところは、打撃系武器のように 「つぶしてしまって後始末が大変」 という心配がないのと、噴射式殺虫剤が生理的にイヤだ (気化したのを自分で吸い込むのがいやだ、噴射した先に殺虫剤がつくのがイヤだ、などなど) を完全に回避できること、さらに 「確実にオブジェクトGを捕獲した実感」 が残るので、その後安心して 「Gのいない生活」 が送れるなどの利点があります。

 やり方としては、「いきなり捕まえよう」 とせず、最初は部屋の中央にGを引きずり出すことだけに専念することです。 Gは家具の隙間、裏側などに素早く逃げ込もうとしますので、行く手を塞ぎ、ビニール袋をかぶせた手で叩き出して部屋のど真ん中に引きずりだします。 何度かこれを繰り返すとGも体力消耗し、動きが極端に鈍くなりますので、その後に捕まえる訳ですね。 また何度か叩きだしていると、あわてたGが仰向けに裏返しになって手足をバタバタするだけ状態になる場合もあります。 その場合も捕獲するのは極めて容易になります (まれにこの状態で羽を広げ飛翔を試みる場合もあり)。

 一方、Gが家具の裏などに逃げ込んでしまったら…とりあえずは家具の裏に丸めた新聞紙などを突っ込んで大きな音を立てたりして追い出すようにします。 しばらくやって出てこない場合は…しばし諦めてそのまま放置、静観します。 ここからがミソですが、いったん逃げ込んだ家具の裏から、Gは必ず数分から数十分後に、あたりを伺いながらまた出てきます。 彼らには決まった通り道があるようで、普段通ってる道と違う場所に必死で逃げ込んだ場合、とりあえず危険が去った後は、また外に出ていつもの道に戻ろうとする習性があるようです。 したがってGを部屋の中央に叩きだす際にも、仮に失敗しても 「第一発見地」(しばしば彼らのホームポジション) の逆方向へのみ逃げられるような感じで追い立てると効果的です。 1度取り逃がしても、2度目にはGの体力は消耗してるようで、捕獲が極めて容易になってる場合が多いです。
 ■ ビニール袋がない場合の職人芸的 手づかみ
   スマートキャッチ/ Smart Obtaining
 あたしが小学校から中学にかけて住んでいたのは、築 50年くらいの、柱が腐って床もブカブカしてるような、小さい戸建の木造住宅でした。 トイレは汲み取り式で、とにかく古く汚い家だったのですが、ここはもう、驚くほどGが大量に発生してました。 当時はまだごきぶりホイホイもなく、コンバットのような効果的な誘引式殺虫剤も存在せず、夜な夜な現れる大きく数も多いGに家族はいつも恐怖のどん底に突き落とされていました。 食事時に出現するGはとりわけ凶暴で、黒光りするGに怯える2つ下の妹が不憫で、あたしゃ必死で駆除しまくっていましたが、当時はコンビニのビニール袋がなく (って云うか、コンビニもなかった時代の話w)、前出した手づかみはできませんでした。

 で、やっていたのが、紙袋によるすくい取り。 Gは壁や天井などによくいますが、息を殺してクチを大きく開けた紙袋を持ってこっそり近づき、十分近づいたと思った瞬間に電光石火、Gの下からすくい上げるように紙袋で壁をこすってGをその中に落とし入れます。 入ると 「ガサゴソ」 というGの音が紙袋からしますから、すぐさま紙袋の口を閉じ、そのままゴミとして捨てるって感じです。

 当時暇だったあたしは、Gを1匹捕獲するごとに、チラシの裏に 「正の字」 で捕獲数を記録していたんですが (母親が、1匹捕まえるごとに小遣いをくれていたのかも知れない…)、確かもっとも多い時で、ひと夏に 80匹以上は捕獲したと思います (つーか、どんだけGが一杯いるんだよ…)。 いつだったか、使い捨てライターくらいの巨大なクロゴキブリが現れ (大きいくせに俊敏で、体の一部が傷ついていたりして、歴戦の猛者を思わせる大物、数日来 格闘しては取り逃がしていた)、それの捕獲が成功した時には、「敵ながら天晴れ」 みたいな変な友情すら感じたものでした (Gの種類にもよるけど、大型種の場合彼らは寿命が1年以上あり (3〜4年生きる種類もいる)、時として現れる中ボス、ラスボスのような大型Gには、戦闘意欲を大いに掻き立てられたものです。

 ちなみに当時はこの他、クチを大きく切った缶詰の中にタマネギやリンゴの芯の切れっぱなしを入れた自作捕獲機なんかも仕掛けていたような気がしますが (缶の内側に油を塗ると一度落ちたGが這い上がれなくなるんですが、餌のタマネギやリンゴの芯には毒性はないので、殺すのが大変でしたね…一度熱湯を缶に注いだら、それはものすごい悪臭がして、以来熱湯は二度と使わなくなりました)、この手の罠は、効果があるのは最初のうちだけなので、最終的には1対1のガチンコ勝負、生きるか死ぬかの手づかみ捕獲にはかないませんでしたね。 そういやモデルガン (当時はエアガンなどなく、バネを強化した銀玉鉄砲) で撃って殺したこともありますが、これは死体が飛び散って、泣きたくなるほど後始末が大変でした。
 ■ 台所では、お約束の 「洗剤」 攻撃
   ケミカルアタック/ Chemical Attack
 台所に現れたGは、格好の駆除対象です。 流しのコーナー部分に三角形の生ゴミ入れがあった一般的な我が家では、多くの場合Gはステンレスの流しの上に現れました。 水でそのまま流すこともありましたが、多くの場合は 「ママレモン」 みたいな洗剤をかけて殺すことになります。 表面活性剤の威力か、ごくわずかでもかければ動きは極端に鈍くなり、そのままたいていは死に至ります。 死ぬと死後硬直で固くなるのか、延ばした手足が引っかかって水で流れなくなるので、その場合は破いたチラシなどですくって捨てます。 死骸だろうがなんだろうが、Gそのものがイヤ、怖い、キモイ、って人には向きませんが、殺虫剤のように毒がそこらに付着する心配もなく、つぶれた気持ち悪い姿を見ることもないので、洗剤殺虫法は非常に好んでやってました。
 ■ 平和ボケの日々…高校生の頃、新築の戸建に引越し、Gのいない生活を満喫してると…
 その後我が家は戸建を新築、移り住み、しばらくGのいない生活が続くことになりました。 ひと夏にG撃墜マークが30だの60だのついていたボロ家から、ピカピカの新築ですから、気分もウキウキ、Gも全く出現せず、「平和ボケした生活」 を10年ほど過ごすことになります (一時、都内で一人住まいもしてましたが、そこでもGは出なかった)。

 「再会」 は、思わぬ瞬間に訪れました。 自室でくつろいでいると、壁伝いに近づいていたGがいきなり あたしの体、目掛けて飛んできました( ̄□ ̄;)。 もう10年くらいはGを身近にみることがなくなっていましたし、突然のことで、ほとんどあたしはパニック状態になりました。 歴戦のGハンターを自認していたあたしですが、腰を抜かさんばかりに驚き、そのまま手で払いのけると、Gがゆうゆうとテレビの裏に逃げ込むのを見守ることしかできませんでした。 ここから、あたしのG撲滅作戦の第二章が始まりました。

 とりあえずは部屋にあったコンビニ袋を手にかぶせ (たぶん、この時はじめて、この方法を執った)、1時間くらい悪戦苦闘してやっと捕獲しましたが、気がつけば新築だった我が家も築 10年の普通の家、近所にマンションのゴミ集積場もできたので、油断してはいけない状態でした。 以降毎年初夏になると、徹底した防衛作戦を取るようになりました。 幸い効果があるのか、数年に1度、成虫のGがどこからかやってきたのを見かけるだけになりました。
 ■ 我が家のG絶滅頂上作戦
   最終決戦、これは絶滅戦争である/ The Final Decisive Battle
 うちの場合、「コンバット」(KINCHO) とか 「ワイパア」(大正製薬)、「ゴキブリホウ酸ダンゴ ゴキンジャム」(アース製薬)、「ブラックキャップ」(アース製薬) みたいなベイト剤 (誘引式のG殺虫剤) を3、4箱 (1箱に4つくらい入ってる、ゴキンジャムは 16ヶ入り) くらい複数種類まとめ買いして、毎年4月、5月に集中併設して家の中のそこら中に仕掛けるようにしてます。 安売りの店なら1箱 300円〜500円程度で買えますし、夜中にばったり会うのを考えたら安い安い。

 この手の誘引式殺虫剤は、集合住宅なんかだと「まわりのGが集まってきちゃう ><」 と設置を心配、敬遠するする人も多いようですが、実際の誘引効果は半径1メートルくらいしかないから、マンションやアパート中のゴキが自分の家に集まってくることはないんですよね。 どうしても不安な場合は隣近所を巻き込んで一斉に殺虫剤を設置するのがいいのですが、隣近所が言うことを聞かない、日頃交流がないから頼めない…なんて場合には、非常手段として自分でその手の殺虫剤をたくさん買って、「無料お試し品」 とか適当なシールを貼ってポストに入れるなんて手もありますw

 うちのような戸建ならとくに問題はないので、これを4月5月にやって、念のためさらに7月にも追加で2箱くらいまけば、よほどすごいG発生源の家でもない限り、ほぼひと夏、Gを見なくて済むと思います。 駄目押しとして 10月にも同じ規模でやっとけば、1年間はGはでないんじゃないでしょうか (ちなみに効果はそれぞれの薬剤によって異なりますが、だいたい3ヶ月から半年で目に見えて効果がなくなり、以降はむしろGの巣になったりするので、定期的に取り替えるのが良いです。 なおGの産卵は一年中ありますが、産卵期とも云えるほど多いのは、4月前後と10月前後です)。

 仕掛ける場所は台所や押入れ、鉢植えのそば、水周り (トイレ、風呂近辺) などの隅ですが、出し惜しみせず一気に大量に仕掛けるのがポイントかな。 恐竜時代から3億年もしぶとく生き残る超生物、Gもバカじゃないですから、ちょびちょび小出しでやってると、生き残りが学習して、次の年から警戒され目に見えて効果がなくなってしまいます (ホイホイ系なんか、その傾向が顕著ですね)。 戦力の逐次投入は愚作ってのは、何も戦争だけの話ではありません。 G駆除にも有効です。 というか、これはGと人間との、生存権を賭けた文字通りの戦争、ラストウォーですから、人間様の英知と物量で目にものを見せてやるべきでしょう。 ついでに餌になるような生ゴミを一掃できたら、効果は絶大です。 さらに、より積極的に攻めるなら、ほぼ業務用でちょっとお値段は高めですが、アース製薬の 「バポナ」 あたりもよく効きます。 バポナは吊るすだけお手軽ですし、Gだけでなくハエや蚊にも効果があります (ただし強すぎるので、ペットなんかがいるご家庭は注意)。

 日本では伝染病の類はほぼ絶滅状態ですし、都市部などでは清潔な環境が保たれているので、Gも実害を及ぼす害虫というよりは、不快虫という扱いになりつつありますが、多くのGのように森林にひっそりと暮らすのならともかく (日本にいるGの種類は 50を超えているそうですが、純日本在来種のヤマトゴキブリなんかは動きもノロく、慎ましく基本的に森の中にいます (クワガタ採りの時によく見かけました)。 人家に住み着くのは外来種のクロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリなどがメイン)、家に現れる招かざる客、Gは、手を携えて攻め滅ぼしましょう。
 ■ 実は虫は大好きなんですが…
 という訳で、あたしが物心ついた頃から実践してきたG撃滅法の数々をご紹介しましたが、それにしても数ある昆虫の中でも、Gの嫌われっぷりは気の毒な感じですね。 似たような嫌われ者にカマドウマとかハエ、カ、ゲジゲジ、ムカデ、ハチなんかもいますが (毛虫やウジなんかの幼虫系もそうですが)、触ったら噛まれて、あるいは刺されて腫れる…なんて直接的な被害がゴキの場合ある訳でもないんですが、やっぱりあのすばしっこさが、人を恐怖に落としこむ原動力なんでしょうか。 地域によっては、卵がたくさん入った卵鞘がお財布みたいだ、お金を呼び込むコガネムシだと見る向きもあるようですが。

 虫っていうのは男の子だと、子供の頃は平気で触れるものの、年齢とともに無理になってく人が多いようですが、あたしの場合、東京とは云え多摩の田舎住まいのせいもあって身近に昆虫がたくさんいて、今現在でもほとんど違和感なく触ることができますね。 まぁ蝶々とか芋虫なんかは、下手に触ると人間の指の脂がついて昆虫が弱ったりするようなんで、かわいそうなので触らないようにしてますけど、車が通る道路の真ん中でヘロヘロ歩いていると、かわいそうになって手ですくって草むらに放したりはいまだにやってます。 その愛情が、なぜGには向かわないのだろうか… (^-^;)。  ともあれ、虫たちのお陰であたしの人生はとても幸せに彩られた人生でしたし、今後も小さい命から癒しを受ける人生を歩みそうな気がします。 Gちゃんは、見たら問答無用で捕獲することになってしまっているので、できれば あたしの家には出ないで欲しいです…w
 
(うっ!)
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