“替え歌はやめて!”と、
アニメキャラが総決起集会!
しかし歴史的大失敗!!
折からのアニメ・ブームにより、アニメ主題歌のCDの売り上げやカラオケ・ボックスでのリクエスト等が増え、空前の活況を呈している 「アニメ音楽産業」。
しかし一部のマニアが “珍妙” な自作歌詞を有名アニメ楽曲に勝手流につけ、「替え歌」などにして歌ったり、その自作歌詞を印刷物にして持ち歩くなどのゆゆしき事態も、ブームの影で無視できない程の広がりを見せている。
25日日曜、そうした状況を改善し、アニメファンの意識向上にも積極的に取り組もうと 「アニメ楽曲は私たち “アニメ登場キャラ” のイメージをUPし、ファンとの架け橋になるためにある。 勝手に作り変えないで!」 と訴えるイベント 「オリジナル楽曲を守ろう! アニメ・キャラ総決起集会'97」 が、東京の池袋サンシャイン・シティ公園で開催された。
公園中央に設けられた大型ステージには、内外の人気アニメ・キャラがズラリと勢揃いし、最初に大ヒットアニメ 「美少女戦士セーラームーン」 で主役を演じ、自身も多くのアニメソングを持つ月野うさぎさんが舞台挨拶、その後それぞれに 「オリジナル歌詞を守ることの大切さ」 と、「自分たちアニメ・キャラのイメージと生活を守ること」 へのお願いと協力を、持ち歌を披露しながら呼びかけた。
人気アニメキャラを間近で見れるとあって、当日は3万人を越す (主催者側発表)人出となり、屋台やマニアショップの臨時出店もあって、お祭り的要素の多いこのイベントは大成功すると思われた。 しかし状況が一変したのは、「セーラースターズ」において、劇中でも “歌手”として登場していたスリーライツの3人が舞台に上がった時だった。
「僕たちはストーリーの中でも実生活でも歌手ですが…」 と、グループのリーダーである星野光さんが喋り始めたところ、元々美少女キャラ目当てで集まった男性中心の観客席から 「カラオケにライツの曲は、たった1曲しかね〜だろ」、「誰も替え歌どころか普通にだって歌わないんだよ!」、「それに、男か女かハッキリせい!」 との激しいヤジが。 観客席の別の場所からも 「そもそもライツの歌なんか知らねえよ」 と大声で叫ばれ、そのうち 「宇宙人は引っ込め!」 との怒号が飛び交う、騒然とした雰囲気になってしまった。
とんだ赤っ恥をかかされた格好のスリーライツだが、更にこの事態に追い打ちを掛けたのが、止せばいいのに窮地のスリーライツを救おうと間に入った、タキシード仮面こと、地場衛さん。
観客席からは 「おまえの歌はカラオケにないぞ!」、「ついにライツにも操られたか!」 と一蹴され、結果的に火に油を注ぐだけ注ぐ形になってしまった。
イベントはこの後、それまで静観していたお姉さま方を中心とするライツ・タキシード仮面ファンが、手に手に棍棒・金属バットを握りしめギャルキャラファン中心の観客席に殴り掛かり、大乱闘のなかで終了した。 負傷者は、病院に運ばれた人たちだけでも108名にのぼった。
(替え歌問題に詳しい、麻布音楽大学動画歌曲学部、替手歌王助教授のコメント)
多くのアニメファンにとって、カラオケ・ボックスという密室で歌われる替え歌は、格好の自己表現・ストレス発散の場となっている。 それで商売を行うならともかく、あまり目くじらを立てなくても良いのではないだろうか?
イベントの失敗は、最初から予想されていた。しかし、せめて舞台に上がるのがミュージカル版のライツだったら、好みのハッキリした男性ファンも爆笑のうちに傾聴し、このような大惨事は避けられたのではと残念に思う。
次号へ続く 長いので、前後2記事の原典のうち前半部分のみ、こちらに掲載しました。 ライツファン・地場ファンの皆さん、ごめんなさい... (^-^;)
ちなみに《ぱら☆あみ》では、カラオケOFF(会)の際に、アニソンをシャレの利いた替え歌にして歌う…と云うのが流行っていた時期があって (どこのOFFでも似たようなもんだと思いますが(笑)、それがこの記事の元になっています。「《ぱら☆あみ》スポーツ第5号(前編)」
初出日:97年10月30日(《ぱら☆あみ》第三期PATIO /発言番号:3304)
(うっ!:99年2月22日付)