新ゲーム機 Microsoft X-Box (仮称) 斜め見 超弩級度チェック 2000年3月12日付け

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■ 要するにこんな感じのゲーム機になるのか

 この3月10日、Microsoft が家庭用ゲーム機の発売を正式に発表しましたね。 出荷は2001年秋の予定で、名称は仮のものながら 「X-Box」とアナウンス、予定性能も詳しく紹介されました (ホームページは こちら です)。 TVや新聞では一般ニュース扱いでデカデカと報道され、ビデオボードの供給を予定している nVIDIA (ホームページは こちら ) の株価が直後に高騰したりして、結構話題になっているようです。 暫く前から Microsoft製ゲーム機の噂はチョロチョロとリークされていましたが、これでようやく、多少は現実的な話題になって来ました。

 それにしても一週間足らず前の3月4日に 「PlayStation 2」の発売がありましたから、もうあからさまな挑戦状ですよね(笑)。 報道によると、「PlayStation 2」発表時にデモとして使われたものと同じ 「花火」映像をわざわざデモに選び、「この程度の映像なら、数時間で作成出来る」と胸を張っていたんだそうですし。

 「PlayStation 2」と 「X-Box」…と云うか、「Microsoft陣営」との争いと云えば、Intel が次世代超高性能CPUと鳴り物入りで送り出した 「Pentium III」の発表直後、SECが 「PlayStation 2」の仕様発表を行い、廉価な家庭用ゲーム機専用CPUでありながら 「Pentium III」の3〜4倍の高性能で圧倒し、Intel にとんだ赤っ恥をかかせてしまった…ってのがありますが、やっぱり相当恨んでいるようですね、「Microsoft陣営」は… (^-^;)。

 今回 Microsoft は PlayStation 2 を念頭に、「現行のあらゆるゲーム機の2〜3倍の性能がある」と豪語し仇を取ったカタチですが (スペック比較の基準自体は、かなり怪しいんですけど(笑)、う〜ん、でもごく一部の好事家を除いてそれほど話題にならなかったと云うか、むしろ 「Windows 2000」ベースのOSを Microsoftが、 「Pentium III」600MHz クラスのCPUを Intelが、3Dグラフィックアクセラレータを nVIDIA が供給…って聞いた時点で、仲間内でもかすかな笑いが漏れたのはアレでしたね。

■ 正式発表時の X-Box ハードウェア仕様 (予定)
CPU Intel 600MHz x86互換CPU
グラフィックチップ nVIDIA 3Dグラフィックス プロセッサ (専用設計)
サウンド 3Dオーディオ プロセッサ (専用設計)
メモリ 64MB RAM 帯域 6.4GB/秒(基板上に搭載)
ハードディスク 8GB
ディスクドライブ 4倍速DVDドライブ方式 DVDビデオ再生機能
ポート ゲームコントローラー用ポート ×4
 USB拡張ポート/  カスタム A/Vコネクター
インターフェイス幅 128bit
ネットワーク 100Mbps イーサーネット
 確かに、何か起動に2〜3分掛かりそうだし、やたらスワップしそうだし (そんなことはないだろけど(笑)、ソリティアとマリンスイーパと Internet Explorer 7 あたりがプリインストールされてそうだし (これはあるかも…(笑)、ゲームをやり直そうとリセット掛けたらブルースクリーンが現れ ScanDisk されて 「この画面見たくなかったら、次からはスタートメニューから正常に終了して下さい!」と叱られたり、さらにはゲームを解いたら 「おめでとうございます! この文章が見られるということは、あなたがこのゲームを正常に終了したことを意味します」 とか直訳メッセージが流れてプレイヤーを歓喜の るつぼ に誘ってくれたり…とかしそうですもん(笑)。

 いや、それより何より、ゲーム途中で突然フリーズしたり、ワトソン君がメッセージくれるなど(笑)、それまでのプレイ時間を叩きつぶす不安定動作に対する恐怖感の方が強いですけれどね (^-^;)。 こりゃあたしの勝手な予想ですが、この 「X-Box」の仕様と開発供給布陣を見たSECや、「Dolphin」を準備中の任天堂 (SEGAは半分向こう陣営に与しているからアレですけど (^-^;) は、「やった、これでコンピュータゲームの世界は、向こう10年は日本陣営のものだ。 中国市場はもらった!」って、叫んだような気がしますね。 そも そも Microsoft 云々以前に、「Atari」の自滅から始まって 「Lynx」、「3DO」、「Jaguar」、「NUON」と、アメリカ発のゲーム機で当たったものは皆無ですからね。

 一部で 「黒船来襲」なんて論調もあるようですが、日本の家庭用ゲーム機メーカーが危機感を持っているような気はしませんし、それ程のものとも思いません。 まぁ相手は巨大な資本力を持っていますので、それに対する強烈なライバル意識は持っているんでしょうけど、前述の僕の勝手な予想はともかく、危機感はあまり感じられませんね (Microsoft による SONY の買収もなさそうですし)。 まぁ出来れば 「黒船来襲」って感じで危機感を持ってくれれば、現在の停滞気味の日本ゲーム界活性化の材料になるので嬉しいんですけどね。

■ ゲーム機のPC化か PCのゲーム機化か、
   その順序が重要なのです。


 加えてあの 「カタチ」、「X-Box」の筐体って、もうそのまんまのカタチしてるじゃないですか (^-^;)(笑)。 もちろんこれはデモ機ですし、例えばモーターショーのコンセプトカーがそのままのカタチで発売される事がないように、インパクト優先の仮のデザインだって事は重々承知ですが、それにしてもあのカタチ (ついでにばかでかいサイズも)はないですよね。 足蹴りでリセットしたらアキレス腱切れそうですし、中心部の怪しい光は、へんな電波でプレイヤーに妙な術をかけそうですし(笑)。

 まぁカタチはともかく、スペックを聞く限りでは、家庭用ゲーム機といいながら、内容はモニタにTVを使うPCなんですよね。 何だか幻のゲーム機と呼ばれる 「PC-FX」を思い出したのは、僕だけでしょうか…?(笑)。
PC-FX NEC (NECホームエレクトロニクス) が初代プレステやサターンと同時期に市場投入したコンシューマゲーム機。 専用のボードにより、圧倒的シェアを持っていた同社の98 (PC-98)パソコンと接続出来る 「PCゲーム機」であるのが特徴でした。

 当時 「新時代のメディア」と呼ばれていた CD-ROM (当時の CD-ROM は、今日の DVD が与えるような新しい印象がありました)ドライブをもち 、当時 「新時代のメディア」と目されていたマルチメディア機能 (今日の素人が考えるインタネットみたいな夢の世界(笑)を満載、加えて当時 「新時代のメディア」 (しつこい(笑) と呼ばれていた 「フルアニメ・フルボイス」 をCD-ROMの大容量で実現 (今日の3Dグラフィックの与えるインパクトみたいなもの) した夢のゲーム機でした。

 が、プレステやサターンはおろか、最後発のニンテンドー64はもちろん、マニアックなネオジオにすら完敗を喫し (プレイディアやピピンとは良い勝負だったらしいですけど… (^-^;)、今日知る人は少ない、フビンなゲーム機になってしまいました…。

 ちなみに現在でも熱心なファンは少なくなく、筆者も個人的にはわりと好きなハードでした… (^-^;)。
 いっそ家庭用ゲーム機とPCとの境界線をなくすのであれば、過去にPC用として販売された作品を、インストールして遊べるようにはなって欲しいですね。 「PC-FX」の失敗は、家庭用ゲーム機として元々中途半端であった事もさることながら、他機種にはない特徴であるPC接続を可能としながら、それが単なる一方通行の外付け CD-ROM でしかなかった事なんですから。 もし、例えばいわゆる 「美少女ゲーム」などのプレイが可能であれば、それこそ膨大なPCゲーム群を援軍につける事が出来ますし (家庭用ゲーム機で18禁ゲームがプレイ出来ちゃうのは、それはそれでダーティーイメージ持たれて逆効果かも知れませんが… (^-^;)、ひょっとしたらいくらか化けるかも知れません。

 業界筋に詳しい人によると X-Box は、PlayStation 2がゲーム開発に Windows ではなく Linux を使う為、売り上げ云々よりソフトメーカーへのプレッシャーとして面当てに出したんではないか…らしいので (なんか、すっごくありそうなので、アレですが… (^-^;)、そもそも Microsoft 側がどれほど真剣にシェア獲得に臨んでいるのかも疑わしいですが、ともあれ選択肢が増えるのは、ゲームファンにとっては朗報のひとつになる可能性がありますね。

 さて、再来年の今ごろ、ゲーム業界はどうなっているんでしょうね… (えらい気が早い話ですが… (^-^;)

■ 関連リンク

  ■ 家庭用ゲーム機の変遷 (姉妹ページデータ集)
 
( うっ!/ 2000年3月12日)
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