ぼいんっ きゅっ ばーん… 「グラマー」
「グラマー」 とは、出るところが出て、くびれるところがくびれたメリハリのある豊満な体つきをした女性、魅力的な若い女性の体型のことです。 すなわちバストは大きく、ウェストは細く、ヒップは大きく、これらが均整の取れた形 (逆三角形) で保たれているボディということになります。 「グラマラス」 とも云います (正確にはグラマーとグラマラスは意味がちょっと違いますが)。 その形状を擬音とした「 ボンッキュッボンッ」(バストとヒップがボンッと大きくウェストがキュッと締まった意味) と呼ぶこともあります。
本来は女性の体つきに対する、やや性的ニュアンスを持つ最大の賞賛表現、ほめ言葉です。 その後転じて、例えば魅力的なデザインの工業製品 (楽器や自動車やバイク、カメラ他) の形容詞になったり、本来の 「豊かだ」「魅力的だ」 との意から、音楽の音色、アルコール飲料の味わいなどの形容詞としても使われるようになっています。
ただし胸やお尻の大きい女性、とりわけ 巨乳 な女性がしばしば太り気味なこともあり、肥満女性やぽっちゃり目の女性を揶揄、嘲笑する意味で、ことさらに 「グラマー」(もしくは 「グラマーすぎるだろ」 など) と表現する場合もあります。 現在の日本においては、対象に男女を問わない単なる 「デブ」 の意味で使うケースも大変多い、独特の言葉となっていますね。
やっぱり白人女性はグラマーでええのぉ…的な昭和チックな言葉
用語自体は英語の 「Glamour」(Glamour Girl、もしくは Glamor/ 魅力的、魅惑的) がそのままカタカナ化したもので、前述した 「グラマラス」 のほか、「ナイスバディ」 などと呼ぶ場合もあります。 対義語は一般に 「スレンダー」(Slender/ 細っそりとして、スラリとした少年のような体つき)、あるいはメリハリのない体ということで 「寸胴」(ずんどう)、もしくは豊満の逆で未熟だ、ロリ な体型だとの意味で つるぺた などがあります。 また女性のグラマーに対して男性の場合は逞しい、「マッチョ」 なんて感じになります。
言葉自体は古いものの、日本で盛んに使われるようになったのは戦後になってからで、雑誌プレイボーイのヌードピンナップ、いわゆるプレイメイトのダイナミックな裸体を賞賛するような言葉でした。 ハリウッド女優のマリリン・モンロー (Marilyn Monroe/ 1926年6月1日〜1962年8月5日) などが代表的ですが、当時は日本の男性も女性も民族的な体格の違いによる理由、栄養状態の悪さなどもあり体つきが貧弱で、欧米女性の豊かな体つきはたいそう魅力的に見えたのでしょう。
なお ネットスラング の ふとましい なども、似た賞賛表現の一種となります。
トランジスタグラマーって何ですか?
ちなみに似た言葉に 「トランジスタグラマー」 ってのがありますが、これは電子部品のトランジスタのように、小さいけれど均整が取れ、足が細く魅力的な体つきを指す言葉となります。
東京通信工業 (現 SONY) が日本製のトランジスタラジオの第1号 「TR-55」(1955年) を完成し、販売を開始した頃に生まれた言葉のようで、この日本製トランジスタラジオは海外で大ヒット、電子立国日本の礎を築く出発点となりました。 「トランジスタグラマー」 も1950年代末に新しい女性の賞賛表現として使われるようになり、主におっさんが購読するような駅売りの雑誌メディアなどで盛んに使われるようになりました。
グラマーにせよトランジスタグラマーにせよ、男性から女性を評価する言葉として現在ではルッキズム批判やセクハラ批判の文脈で語られるような言葉となり、ほとんど死語のような扱いです。 いずれも盛んに使われていたのは高度経済成長真っ盛り、1964年の東京オリンピックのちょっと前のお話です。
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