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自爆

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自業自得か、捨て身の戦法か 「自爆」

 「自爆」 とは、自分が爆発することです。 意図的に爆発する場合もあれば、何らかのミスや手違いで結果的に自爆に至ることもあります。 また自爆する理由には、純粋に自らの存在を消すためのものもあれば、周囲を巻き込み自爆の道連れにする捨て身の戦法を指すこともあります。 後者はとくに自爆攻撃と呼びますが、日本の場合、先の大戦における自爆突撃攻撃の神風特別攻撃 (特攻) があるため、特攻と呼ぶこともあります。 肉弾も同じような意味になります。

 軍事 の世界でも前述したような意味で使われますが、状況が分かりやすい 概念 でもあるため、日常 の会話においても使われることが多いでしょう。 前者の場合は自業自得や因果応報、身から出た錆といった、自らの言動や判断によって身を損なう、つけが回ってくるといった意味で使うことが多いでしょう。 これは ネット などでも ブーメランセルフ論破 といった言葉とともに、ほぼ同じ意味で使われます。

 後者の場合は、例えば誰かの不正を告発する際に自分自身にも批判が向けられるのを承知の上で、死なばもろともで洗いざらいぶちまけるといった行為を指すことがあります。 不正の責任を押し付けられ切り捨てられそうになった恨みを晴らすためとか、あるいは良心の呵責に耐えかねて正義の実現のため、刺し違えてでも相手を逃がさないという決意のようなものです。 捨て身の相手は損得勘定や脅しでどうこうできる段階を超えているため止める手段は少なく、結果的に自爆的な内部告発によってのみ正される不正や犯罪もあります。 その評価は時として自爆した相手に同情的にもなるでしょう。 そこまで追い詰めた相手が悪いという訳です。

自爆・自沈・自損…様々な世界で行われる類似行為

 自爆して死ぬと 爆死 となります。 これは単に自爆によって生命を失うというそのまんまの意味で使うこともあれば、俗語表現として悪事を働いた本人の身にそのつけが跳ね返って来て大損害を被るとか、安易な皮算用が外れて大損害を被った、赤っ恥をかいたといった状況を指すこともあります。

 なお必ずしも爆発を伴わないけれど、同じ意図の元で行う近い行為もあります。 例えば船舶なら自沈、車両なら自損といった呼び方です。 いずれも軍事の世界では敵による 鹵獲 を免れる最期の手段として用いられます。 あるいは平時であれば、船舶や車両が事故にあって中途半端な形で残った際に、保険が全損扱いですっきり支払われるようあえて自沈や自損にするような行為もあります。 とくに家などの建物は、浸水や火災で中途半端に残ると保険金がその分しか支払われない上に結局は建て直しせざるを得ないため、ある程度浸水したり燃えたりしたら、全損するまで放置みたいな話は真偽はともかくよく聞く話ではあります。

 さすがにいずれのケースにおいても悪の組織の基地にあるような自爆スイッチは存在しませんが、犯罪組織のアジトなどで証拠として残すと後々まずい書類などを迅速かつ確実に破棄するために、夏場でも着火用の火鉢を備えているなんてケースは創作物などでもよく見かけます。 ありがちなのはノミ行為やら売春の斡旋やらを行う暴力団の拠点などで、警察のがさ入れの際に顧客名簿を焼却するためのものでしょうか。 事ここに至っては逮捕されるのは仕方がないが、顧客の名前まで警察に知られては、その後商売ができなくなってしまいます。 それだけは死守するわけですね。

 自爆らしい自爆と云えば、ロケットのそれがあります。 打ち上げ失敗となれば墜落や不慮の事故によって大きな災害を招きかねませんから、不都合が確認されたら直ちに指令所から自爆を指示することもあります。 これは飛行中断措置や指令破壊と呼びます。

 なお 「爆発しろ!」 の場合、気に食わないものが滅びてしまえ、木っ端微塵に消し飛んでしまえ! なんてのをやや 露悪的 に表現する ネットスラング のひとつとなり、自爆とか爆死とは何の関係もありません。 さらにひねって 「末永く爆発しろ!」 みたいな、言外に幸せを祈ってるみたいなフレーズになることもあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年10月8日)
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