同人用語の基礎知識

ルート長方形

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無駄がなく、全てのサイズを一つのサイズから作れる 「ルート長方形」

 「ルート長方形」とは、縦横の比率が 「縦:横 = 1:√2」(白銀比/ 第2貴金属比/ 1.41421356…) となる長方形のことです。 もっぱら紙のサイズとして使われるもので、紙サイズの国際規格である 「A版」、日本国内の規格である 「B版」 などが、このルート長方形のルールでサイズを決めています。

 ルート (平方根) といえば、子供の頃に学校で 永遠 に続く無理数の一部を、例えば √2 なら 「ひとよひとよにひとみごろ」 などと語呂合わせで覚えたものですが、規格上の比では 1.414 と定められています。 正方形の対角線の長さですね。 同じく白銀比と呼ばれる 「1+√2」 と共に白銀比長方形とも呼ばれますが、紙のサイズとして扱われるのは 「1:√2」 で、ルート長方形と呼ばれるのはこちらになります。

相似形が美しい… 「ルート長方形」

 ルート長方形の特徴は、半分に断裁しても元のサイズと形が同じ 「相似形」 になる点です。 例えば B版の最大サイズである 「B0」(1030x1,456mm) を半分に切ると 「B1」(728x1,030mm) になりますし、それを半分にしても 「B2」(515x728mm) となり、一般に最小とされる 「B10」(32x45mm) まで、それは続きます。 これはドイツで生まれたA版も同じで、紙を切り分けて使用する際に無駄が出ず、また全てのサイズが基準となる最大サイズの切り出しで作れるように考えられています。

 また「A版」「B版」 のもっとも大きいサイズ、基準となるサイズ (A0/ B0) は、白銀比を持つサイズでそれぞれ面積が1平方メートル (A版) と 1.5平方メートル(B版) になるよう定められています。

「黄金比」「貴金属比」 って何?

 なお白銀比と並んでよく耳にするものに黄金比 (1:1.618/ 第1貴金属比)があります (他にも青銅比や白金比などいくつか種類があります)。 これらは原型が古代ギリシャで見いだされて以来、人が見た時に安定感や美しさが感じられる比率だとしばしば説明されます。 実際に名高い建築物や美術品などにこの比率が見られるとの話もあり、また自然界にも相似形が多数見つかっていますが、単なる偶然と思われるものや、まるで貴金属比と無関係なケースも当然ながら多く、真偽については諸説あります。

 ただし建築や美術、デザインの世界では信奉者も多く、そうした人たち (古今東西、名だたる 天才・巨匠揃いです) が才能のありったけを注ぎ込んで作った貴金属比作品を見続けたから、結果として貴金属比に安定や美を見出す感覚が人類に宿ったという面はありそうです。 こんにちにおいても様々なデザインやアートの世界で貴金属比を意識した作品は見られますし、実際に安定感を覚えたり比率の美しさを感じたりもしますので、利用するのも手かも知れません。

 こうした 「何回切り取っても相似形」 というのは、前述した紙のサイズ規格の説明内容と同様に、建物を作るための木材や石材など建築資材の加工で、できるだけ無駄を生じさせず、またサイズを規格化させ作業効率を高めるための工夫がベースにあると思うのですが、そもそもその 「無駄が生じない」「ずっと相似形」 という比率の裏に神様が作った何らかの法則があるのかも知れず、このあたりはあれこれ考えたり 妄想 したりすると興味が尽きないものがありますね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2012年3月12日)
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