同人用語の基礎知識

共同購入/ 同人誌共同購入

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共同購入での仲間割れだけはよしましょう… (^-^;)

 「共同購入」 とは、複数人で同じ商品をまとめて一緒に購入することです。

 同人 の世界では、同人イベント、とくに コミケ/ コミックマーケット などの大規模な イベント で、仲間内や ネット掲示板 などで集った人たちなど複数人で手分けして 同人サークル を回り、共同で 同人誌 を購入することを指します。 あくまで 「手分けして購入する」 であって、同じものを大人数でまとめて購入する訳ではありません。

 こうした集まりは、参加者がある程度平等な立場で集う場合は 「買い物サークル」 とか 「買い専サークル」「パーティー」 と呼ばれる事もありますが、誰かひとりか少数が中心となって、その他のメンバーは指示を受けてそのお手伝いをするだけの場合は、その他のメンバーを 買い子 とか ファンネル と呼ぶことあります。 対義語は 「ソロ」 や 「単独」「単独購入」 などです。

 大手サークル などでは、サークルスペース の前に 新刊 の購入希望者 (一般入場者) の長い 待機列 ができ、購入までに1時間以上待ちなどはザラにあります。 また ジャンルコード が大きく異なるサークルの本が欲しい場合は、混雑した大きな イベント会場 をずっと歩いて横断しなくてはなりません。 事前に担当するサークルや回る順番など計画を良く練っての共同購入は、お目当ての同人誌をある程度確実に手に入れる非常に有効な方法のひとつでしょう。

 ただし同一の同人誌を複数人が希望している場合などでは、一限 などの販売制限で購入できた冊数が少ないと分配でもめることが良くあるようですし、仲間うちの金銭 トラブル ほど、お互いに哀しく寂しい事はありません。 実際、コミケの通路などでは、「だったら初めからちゃんとそう言っとけよ!」「それは話が違うんじゃね〜の?」 ってな声を荒げた会話があったりもしますが…お友達をなくさない為にも、やはり事前の打ち合わせは念入りに行いたいものです。

共同購入した同人誌の分配は…

 それと、なるべくならGETした同人誌の分配は、どこか別の場所に移ってから行うようにしたいものです (会場で座り込んでこれをやられると、ただでさえ狭い会場がどうしようもなくなるんですよね… (^-^;)。 もっとも会場のすぐそばの外 (路上や駐車場、駅など) でやられるのも、一般の方の目があって辛いですが…。

 なお当たり前の話ですが、オークションなどで 転売 するのを目的に、人気サークルの同人誌を買い漁るのは止めましょう。 真面目に本を欲しがっている 読者 にも、サークルさんにも迷惑です。 もっとも建前上は、「共同購入した後の配分で余ったから、欲しい人に分けているだけだ」 なんでしょうけどね…。

事前に周到に計画を練って買い捲る…仲間との連携プレー

 一方で、信頼できる仲間との共同購入くらい、頼もしく、また 「楽しい」 ものはないかも知れません。

 経済力のある人が立て替え金を活用するために短時間で同人誌を購入できるサークルをハシゴする一方、お金をあまり持ってない人は長時間並ぶサークルを担当するなど、仲間の肉体的体力、経済的体力、それぞれが欲しい本の数や入手難易度を加味して最短ルートと効率的な巡回コースを事前に打ち合わせて組み立てるのは、実は結構楽しいものです。

 また一刻も早く同人誌の 頒布 作業を終えるという目的が一致していますから、同じグループ、仲間同士で連携が取れているのは当然として、まったくの赤の他人、たまたま同じサークルの購入列に並んだだけの通りすがりの人たち同士、そしてサークルの 売り子 とも、妙な連帯感、一体感が生まれる場合もあります。 余計な会話などせず、手際よく 「黙々と作業をこなす」 という行為に、むしろある種のクールさ、清々しい爽快感を覚える参加者もいます。

 さらにイベントが終了した後には場所を変えて、お座敷のある居酒屋などで打ち上げをかねたような分配会を行い、予定数が揃わなかった同人誌をジャンケン大会で分配するようなグループもあったりして、ある種のオリエンテーリングのような達成感とゲーム性に楽しみを感じている人もいるようです。

情報を制する者がサークル巡りを制す、アマ無線機・携帯電話…

あると便利なトランシーバー
あると便利なトランシーバー

 1990年代中頃から携帯電話が本格的に普及しますが、それ以前は移動中の友人らと リアルタイム で連絡を取る方法は非常に限られていました。 ショルダーホンや車載電話をはじめとするアナログの携帯電話などはありましたが、高額の加入料と補償金まで必要で、通話料も個人で利用できるような金額ではなく、サークル巡りの人間が趣味で使っているのはほとんど見たことがないです。

 もっとも広く使われていたのは無線機 (トランシーバー) で、それなりの出力があって実用レベルの連絡が可能なアマチュア無線 (アマ無線/ ハム) のトランシーバーが用いられることが多かったですね。 アマ無線の利用は免許が必要でしたが、電話級あたりならそれほど試験も難しくなく、そもそもおたくにアマ無線ファンが少なくないこともあり、比較的見かけるものでした (その後免許制度とか無線の区分なども時代とともに変わっています)。

 また比較的簡単に利用できるポケットベルサービスや始まったばかりの パソコン通信 などもありましたが、会場周辺の公衆電話などは大混雑しており、まともに使うのは無理でした。 うちのサークルの仲間もグレー色の ISDN 回線を利用したディジタル公衆電話を使って実験的な モバイル 運用を連絡用に行っていましたが、あくまで趣味や実験の範囲であり、実用性はほとんどなかったですね… (それ以前にはアナログ公衆電話と音響カプラを使ったネット利用もありましたが、重たいノートパソコンを持ち歩く必要があり、こちらも実験的な運用がせいぜいでしょう)。

 1993年あたりからデジタル方式の携帯電話が登場、補償金の廃止や料金の段階的な引き下げもあって、少しずつ携帯の利用が始まります。 当初は利用者も少なくそれなりに使えましたが、1995年あたりになると急激に普及し、コミケ開催中は混雑による通信障害などでまともに利用することができなくなりました。 筆者 は第一世代のアナログ携帯をそれ以前から使っていましたので障害とは無縁でしたが、通話相手がデジタルなので結局つながりませんでしたねw そもそも メール もメッセンジャーもなく、通話しかできませんでしたし。 その後携帯電話各社は会場に移動基地局を設置して通信の確保・通信品質の向上に努めましたが、当時はどんな大規模イベントでも 「緊急の連絡以外は携帯電話の利用はお控えください」 みたいな案内がされたりもしました。

 その他、PHS やノートパソコンのモバイル用ダイヤルアップモデムなどもあり、筆者は仕事の関係もあり一通り使っていますが (PHS/ ピッチは便利でした…)、コミケ会場で友人や仲間と自由に連絡が取り合える状態になったのは、2010年前後までかかったような感じがします。

リーダーの資質が命運を分ける? シャレで軍隊組織をまねることも

 仲のよい友人2〜3人で組むものはともかく、10人単位の大グループとなると、仕切るリーダー格の能力や人望、人脈も重要ですし、メンバーのうち明らかにやる気のない人間が何人かいると、全体の士気も下がります。 会場内で手分けして効率的に同人誌を手に入れることから、単独で買っている人たちから 「ズルイ」 なんて見られがちな共同購入ですが、円滑できちんとした結果を出すためには、単独購入している人たちと違い、事前に手間のかかる入念な準備をかなりやっていたりもするんですよね。

 イベントとの関わり方、同人誌の購入方法も人それぞれです。 明白なマナー違反は困りものですが、そうでないのなら、いろんなやり方を考えて見るのも良いかも知れません。 たかが同人誌、されど同人誌。 自分にあったスタイルを見つけられたら良いですね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年4月20日)
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