迎え撃って敵の意図を挫く 「迎撃」
「迎撃」(げいげき) とは、こちらに 攻撃 を加えようと 攻め 寄せてくる敵や飛来物に対して、こちらから向かって攻撃し撃退または撃破することです。 「邀撃」 と呼ぶこともあります。
軍事・ミリタリー において良く用いられ、自国の領土・領海・領空に向けて進撃してくる敵兵力やミサイルなどの兵器をこちらに到達する前に撃破したり、敵の進路を予想し、その進路上で待ち受けて迎え撃つといった際に使われます。 同様に攻守のあるスポーツや ゲーム でも、敵の攻撃に対する防御や 反撃・カウンター のための攻撃をこう呼びます。
「反撃」 と 「要撃」
迎撃と似た言葉に前述した反撃や要撃があります。 反撃は迎撃に加えて敵の攻撃主体そのもの以外をも目標とした、より幅広い攻撃も含まれることが多いでしょう。 例えば敵の爆撃機やミサイルを撃ち落とすだけでなく、それらがやって来る敵の航空基地やミサイルの発射基地に対しても攻撃を加えるなどです。 全面的な戦争の場合は、全く別方面の敵の重要拠点をターゲットにすることもあります。 また要撃の場合は迎撃よりも、より一層待ち伏せの ニュアンス が強いケースで使われることが多いかもしれません。
迎撃にせよ反撃や要撃にせよ、こちらから先制攻撃を加えるのではなく、相手の攻撃 (あるいは明白な攻撃の徴候) を受けて行われるという点では同じです。 その意味では防衛・防御の意味が大きく、また兵器や武器もそれに沿った能力や機能を持ったものが必要で、それに特化したものがしばしば 開発 されます。 例えば敵の爆撃機を撃ち落とすために戦闘機を用意するとして、敵機が飛行する高度まで速やかに上昇できる能力と、敵爆撃機を護衛しているであろう敵戦闘機に対処する能力、そして目標を撃破するに十分な武装が必要です。 こうした武器はとくに迎撃機とか要撃機と呼ぶこともあります。
一方、平時の偶発的な領空侵犯やそれに対するスクランブル (緊急発進) ならともかく、戦時に敵機がこちらの領空にやすやすと入って来るような状況は、制空権 (航空優勢) を失い戦況自体があまり芳しくない段階にあると云えるでしょう。 そのため、軍部による危機感の 共有 や国民・搭乗員らの士気高揚のために 「決戦機」 みたいな勇ましい、とはいえある意味で切羽詰まった名称が与えられることもあります。
旧日本軍の場合、太平洋戦争末期の1944年に本土決戦のために用いられた局地戦闘機 「雷電」 や 「紫電改」(旧海軍)、四式戦闘機 「疾風」(旧陸軍) などが良く知られています。 戦局の悪化が誰の目にも明らかとなったこともあり、国民の寄付金で調達された軍用機 (献納機) には大東亜決戦機や国民決戦機、愛国号・報国号といった言葉が使われ、そのままプロパガンダにも用いられています。 ドイツでは、第二次世界大戦末期に開発・投入された世界初の実戦配備ジェット戦闘機 「メッサーシュミット Me262」 が有名でしょう。
いずれも目的に対する性能面では申し分なく兵器のみならず航空機史上でも特筆すべき存在となっていますが、とはいえ本土防衛用にこのような兵器と 精神論 的な勇ましい呼称を必要とした時点で、もはや敗戦は不可避の状況だったと云えるのでしょう。





