愛するもののためなら、自分の全てを投げうっても悔いなし 「純愛」
「純愛」 とは、純粋で一途な 愛、邪心や打算のない真っすぐな愛、見返りを求めないひたむきな愛のことです。 もっぱら恋愛感情で用いられる言葉で、相思相愛の恋人同士はもちろん、恋人未満の片思いや 両片思い でも用いられ、おおむね一対一の関係性を指すものとなります。 同じ意味でピュアラブ、近い言葉にイチャラブもあります。 単に 「純」 や 「ピュア」 と呼ぶこともありますが、この場合は純愛の他、純情という意味になることもあります。
肉体関係のあるなしを 概念 に含める場合もありますが （純潔愛）、心が繋がっていたり片思い・両片思いでも一途な思いであれば、肉体のあれこれがその思いを妨げるものではないとの考え方がしっくりくるかもしれません。 性行為を性欲の発散と考えるか、それとも愛情表現と考えるかの違いです。
純愛とイチャラブ
作品としての純愛とイチャラブの違いは色々ありますが、単に作品内で両者がイチャイチャ・ベタベタとしているかどうかの他、端的に云えば 「純愛の証」 を作中で明確に提示するかどうかが大きい違いと云えるかもしれません。 愛するもののためなら自分の全て、命すら投げうっても構わない、悔いがないという誠の愛を示すためには、それにふさわしい厳しい試練が必要でしょう。
試練を乗り越える一途な愛は大きな感動を覚えるものではありますが、一方で試練描写が見ていて辛い、本当に命を投げうってしまったら残された方は独りきりになってしまうという辛さがあります。 そうした 「辛さ」 を漂白・脱臭して楽しい部分だけを延々と楽しみたいというのがイチャラブの役割のひとつでもあります。
また 二次創作 の場合は、純愛にせよイチャラブにせよその試練部分を 元ネタ となる マンガ や アニメ がすでに担ってくれているという部分もあります。 その場合のイチャラブは、いわゆるバカップルに近い能天気さや なかよし 部分のみの 切り抜き となり、あるいはそれが強調されるでしょう。 ニュアンス はかなり異なりますが、キャッキャウフフ みたいな云い方もあります。
偽愛や打算愛、浮気や不倫、そして寝取られ
対義語は一般に偽愛や打算愛 （何らかの損得勘定や下心のある愛）、あるいは浮気・不倫なのでしょうが、同人 の世界では 寝取られ （NTR） がそれに相当するケースが多いでしょう。 偽りの愛や打算的な愛といった概念や感情を、第三者に心や身を許す感情的・肉体的な裏切りで視覚化するものでもあり、いずれも根本は同じものです。
ただし純愛があるからこそ相手の幸せを願って自らは身を引き、相手が自分以外の誰かと結ばれるのを祝うみたいなケースもありますし、一途な愛が強すぎて片思いの相手に無理やり性行為を強いてしまう （凌辱）、あるいは性的にふしだらな相手に純愛を覚えて 乱交や 輪姦 やそれに近い集団性行為を受け入れるみたいなケースもありますし、それぞれは異形な愛なのだとしても、愛の形など人それぞれなので、一般的な 解釈 が異なる場合もあります。
肉体関係のあれこれもそうですが、純愛が好きな傾向を持つ人にとって浮気や不倫、寝取られはかなり強い嫌悪や忌避感を喚起するもの、あるいは憎むべき 地雷 だとされがちであり、同人の世界では 「住み分け」 が求められるものだと云えるかも知れません。
とくに二次創作・ファンアート で多くの ファン から支持され、強固な関係性を持つ カップリング におけるそれは、異なる立場の人からは 胸糞の悪い ものだとされ、ある意味で 「開戦理由」 になりかねないものだとも云えます。 ネット で不特定多数に公開する場合は、適切なタグ付けや 閲覧注意 を徹底するなど、住み分けるための工夫が必要かもしれません。
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