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三段論法

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前提や順番がおかしいと結論もおかしくなる 「三段論法」

 「三段論法」 とは、前提二つ (大前提・小前提) と結論一つという三つの命題からなる推論様式のことです。 前提と結論とで構成される演繹法のひとつで、それぞれの命題は全部、あるいは一部の肯定や否定を含み、段階を追って推理を論理的に進めたり、他者に分かりやすく説明するために用いられます。 もっとも簡単な例は、「AはBである」「BはCである」「よってAはCである」 でしょう。 初歩的な論理的思考であり、また子供向けの推理小説などでも謎解きにしばしば用いられ、誰でもなじみのある思考法でもあります。

 古代ギリシャの哲学者アリストテレスが体系化した論理学の基本形式で、大前提は一般的な規則や全体 (全称) に関する命題、小前提は一部や個別 (特称) の事例に関する命題、結論は小前提を大前提に当てはめた結果 導かれる命題です。 三段論法の妥当性は、前提が真であれば結論も必ず真になるという形式的な妥当性に依拠します。 ただし前提自体の真偽を保証するものではないので、前提が誤っていれば当然結論も誤ったものになってしまいます。 前提には論の中で明示された前提と明示はされていない暗黙の前提もあり、共通の認識を持たない人とでは論の進め方や 解釈 に曖昧さや矛盾が生じることもあります。 テーマ によっては単なる主観が前提に入り込むことも多いでしょう。

 また前提が真だとして、それが全体に対する肯定や否定なら問題が生じなくとも、一部・個別の肯定や否定の場合は、内容によっては命題や結論の順番を入れ替えただけで誤った推論や正反対の結果が導かれることもあります。 一部・個別の話を全体に勝手に広げたらおかしなことになるというわけですね。 これは全体と一部とを錯誤したり適切な切り分けができずに無意識にやってしまうこともあれば、論争の中で一方が悪意を持って意図的に行うこともあります (拡大解釈)。

 世の中には自分がそうであって欲しいと思う結論が先にあって、それに妥当性や正当性を与えるために後付けで前提を付け加えたり結果と原因を入れ替えるような論を張る人が結構います。 自分自身がそれで納得したいとか、他人を説得して自分に都合の良い決定に導きたいなど同機は様々でしょうが、三段論法はその構造の単純明快さ、子供でも使える便利さから、しばしば誤った使い方をして 認知を歪ませる ことがあります。 

初歩的だけれど倫理的に見えるので多用される 「三段論法」

 政治や思想に関する問題、陰謀論 とか歴史修正の類では、そもそもの前提や暗黙の前提が異なっているのに、それを確認せずにそれぞれが自分に都合よく前提を積み重ね、得たい結論を得るような誤りや 詭弁 が数多くあります。 前提も結論も同じでぐるぐると周っているだけの 循環論法 になったり、それどころか前提に誤りがあるのを隠すために勝手に設定した選択肢を提示して 「イエスかノーかで答えてください」 などと 誤った二分法 によって相手を不誠実な人間かのように見せかけることすらあります。

 何を考えどう発言しようとそれは個人の自由ですが、偏った極論ばかり述べる人の論を素直に受け取りすぎたり、ましてそれを詳しく見ることもなく右から左へと ネット拡散 するのも、あまり褒められた態度ではないでしょう。 著名人や政治家でなければ SNS でいくら拡散したところで悪影響などないのでしょうが、数が多くなればトレンドとしていくばくかの影響を与えますし、何よりネットでつながる友人知人に 「こんな だらけの三段論法を信じるような人なんだ」 と思われるのも避けたいものです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年10月6日)
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