売り上げはいまいちだけど、質は高いんだ質は…! 「質」
「質」(しつ) あるいは 「質アニメ」 とは、アニメ などの コンテンツ に関する話題の中で、DVD・BDといった 円盤 の売り上げ枚数が少なく、視聴率・人気・話題性にも乏しい 地味 な 作品 の ファン による 「でもクオリティは高いんだ」「派手さはないが面白い作品なんだ」 というある種の負け惜しみ、勝利宣言 のような意見を揶揄する ネットスラング です。
元々はこうした意見を冷ややかにみる言い回しでしたが、言葉が広がる中で、文字通りの 「クオリティの高いアニメ」「質が高い良作」 といった肯定的な意味で使われることもあります。 また言葉の広がりとともにアニメ以外の ジャンル にも当てはめられ、例えば ゲーム なら 「質ゲーム」、マンガ なら 「質マンガ」 などと呼ぶこともあります。 このあたりの使い方や ニュアンス は、それ以前から使われていた 神 を使った 「神アニメ」 などと同様です。
2ちゃんねる 「売りスレ」 のアニメ談義の中で
「質」「質アニメ」 の 元ネタ ですが、掲示板 2ちゃんねる の 「売りスレ」(アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ) において、売り上げが低迷しランキングも下位・圏外のアニメに対する厳しい意見に、その作品のファンや支持者からしばしばつけられる 「このアニメは売り上げこそ少ないけど質が高いから」 との擁護や強がった レス をあげつらう中で 認知 されたものです。
アニメやその他コンテンツの評価に質的な部分は重要ですし、売れていてもダメな作品もあれば、売れてないけれど素晴らしい作品もあります。 とはいえ 「面白いかどうか」「素晴らしい作品かどうか」 はほとんど個人の好みの問題でもあり、人によって感じ方が違う場合が多いでしょう。 もちろん 作画 といった、ある程度客観的に内容に対する品質を評価できる基準もありますが、逆の立場の人から見たら、「はぁ?何云ってんの?」 みたいな意見も多いものです。
そのような状況で、アニメの 感想 を述べる スレッド への 書き込み ならともかく、客観的な円盤の売り上げ枚数や売り上げランキングの推移を見守るスレで、主観的・個人の思い込み レベル の 「質」 を持ち出されても 「それってあなたの感想ですよね」「別のスレでやれ」 との反論が出ても仕方ないでしょう。 またそうまでして自分の 推し のアニメをプッシュする 信者 が時に 痛々しかったり して、すっかり揶揄や 煽り のようなニュアンスで使われるようになってしまいました。
なお同じような使い方をする言葉に 「爆死」(売り上げが上がらずコケた作品)、「オワコン」(終わったコンテンツ)、「下り最速」(前評判は良かったがすぐに評価や売り上げが急落)、「底辺」 があり、対義語は一般に 「覇権」 や 「ベスト」「天下」 となります。 いずれも 「放送期間 (放送クールの放映時期) ごとに質と覇権、それぞれのファンや アンチ が入り乱れ、レッテルを貼り合うようなことにもなります。