どこからか聞こえるありがたい声… 「天の声」
「天の声」 とは、本来は天声などと同じく、天 (神様) によるお告げや教え、言葉、転じて議論に決着をつける権力者や名声がある実力者の声や意見といった意味の言葉です。 鶴の一声と呼ぶこともあります。 メディアなどで使われる一般の用語としては、官製談合において首長といった幹部職員による特定の受注業者の支持をそう呼ぶことがあります。
一方で おたく や 腐女子 の世界では、アニメ のナレーションや同様の役割を担う マンガ の語り部 (説明セリフ の担い手) を指したり、会議などの 司会者 や議事進行役、雑誌の投稿欄における担当編集者らを指して使うこともあります。 また ゲーム、とくに TRPG における GM といった、裁定者らを指すこともあります。
天の声というからには、その発言内容は絶対で、その場のそれ以外の人間 (あるいは キャラクター) は、その指示に従い、抗うことはありません。 一方で天の声が 物語 の方向性に直接的にタッチすることはなく、あくまで状況をわかりやすく 読者 や 視聴者 らに説明したり、情報を補足するのが主な役割となります。 いずれにせよ作品やゲームの 「外」 にいる存在、超然した存在であり、創作の世界では メタな存在 となります。
ただし例外もあり、例えば作中の 脇役 であるキャラがナレーションを兼ねた存在だったり、スポーツや バトル 系の作品の場合、アナウンサーとして画面上に登場することもあります。 こうしたケースでは、作品の内容や方向性に何らかの干渉をすることもあります。
天の声が尖ったギャグとして扱われることも
一方、純然たるナレーターでありながら、作中キャラのような扱いを受けることもあります。 おたくの世界でしばしば ネタ になるものに、「キャッ党忍伝てやんでえ」(1990年) の第47話 「出た! にせニャンキー」 の例があります。
このエピソードでは、幕府転覆を企む老中コーン守の陰謀によって秘密忍者隊のニャンキーに怒り爆発した徳川ウサコがニャンキーを捕らえて島流しせいと家臣らに命令、その際に 「ウサ姫様は、最近出番が少なかったので、気が立っていた」 というナレーションにも激怒し、「うるさーい! ナレーターの堀内、お前はさらし首じゃ〜!」 と叫ぶや花火が打ちあがり、堀内さんの実写顔写真つきキャラは哀れ 「ナレーター様御一名 祝 島流し!!」 とのド派手な電光看板つきの小舟に乗せられ、「ウサ姫様お許しを!やめて島流しは!」 と懇願しながら海に流されていったのでした。
このケースでは、ナレーターどころか声を当てている声優である堀内賢雄さんの顔写真が 晒される など、かなり尖った演出がされており、ファン の間では 「ほとんど放送事故」 といったネタの扱いとなっています。
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