同人用語の基礎知識

棒歌/ 棒歌ロイド

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同人音楽や歌い上げソフトの高レベル化で、逆に素朴さが受ける棒歌

 「棒歌」(ぼうか)、もしくは 「棒歌ロイド」(ぼうかろいど) とは、テキストの音声読み上げソフト (合成音声ソフト) に無理やり歌を歌わせた楽曲データや動画の カテゴリ、あるいはそうした様式の作品全般を指す言葉です。 意味としては、感情表現や抑揚などのない、「棒読み状態の歌声」 となります。

 こうした音楽データや作品は、音声読み上げソフトが パソコン通信 などで世の中に出回るとほぼ同時に 「同人」 や おたく の世界で登場しましたが、「棒歌」(棒読みの歌声) という名称が作られ定着したのは、2007年に一世を風靡した 初音ミク をはじめとする音声歌い上げソフト、「ボーカロイド」 シリーズの発売を経てからです。 ボーカロイドをもじって棒歌ロイドとなった訳です。

2008年8月、ニコニコ動画で、「手書き」 ゆっくりでいいさ」 がブレイク

 こうした言葉が作られ広まったのは 動画共有サイト の 「ニコニコ動画」 でした (動画につけるキーワード、「タグ」 の名称より)。 「初音ミク」 旋風の後、非常に出来の良い音声読み上げソフトによる 「手書き」 の棒歌ソングPV、「手書き」 ゆっくりでいいさ」 が2008年8月5日に登場。 前後して 「棒歌」 が使われるようになりました。

「手書き」 ゆっくりでいいさ
「手書き」 ゆっくりでいいさ

 ニート のゆっくりな生活を、手書きの イラスト と、「まんが日本昔ばなし」 のエンディング曲として知られる 「にんげんっていいな」(作詞/ 山口あかり/ 作曲/ 小林亜星) の替え歌で歌ったこの作品は、「初音ミク」 のような専門ソフトの、それも神がかった 調教 による作品群とは対極をなす作品となっています。

 独特の棒読み感、微妙でたまに調子を外すアクセント、イントネーション、ささやくような特徴的な声質と、ゆるゆるな曲、歌詞。 ヘタウマな味のある背景のイメージ的な 画像 もあり (実はかなり凝って作っている)、「クセになる」「癒される」 と話題に。

 おりしも 「ニコニコ動画」 や 2ちゃんねる 界隈で ゆっくりしていってね!!! が流行っていたことや、お笑い芸人、ガリガリガリクソンの 「にんげんっていいな」 の替え歌、「ニートっていいな」 もあり (ちなみにこの歌を替え歌とした 「ニートっていいな」 という ネタ は、ニート という言葉が流行し始めた頃 (2004年) には、すでに ネット にでています)、影響を受けたこの作品は大人気となりました。

 その後、逆に 「初音ミク」 でこの 「棒歌」 ぶりを正確に再現した 「歌ってみた」 系の動画、「【手書き】初音ミクが本気で歌う「ゆっくりでいいさ」に絵をつけた」 も現れ、さらに 「笑っていいとも」 のパロディ、【ゆっくり】しこっていいのよ【手書き】 も登場。 関連動画含め、ニコ動界隈で静かなブームとなっています。

独特の癖になる声…SofTalk の登場

 なお 「音声読み上げソフト」 には高額の市販品のほか、様々なフリーのものがありますが、もっぱらよく使われる 「棒歌」 の代名詞的なソフトとしては、「SofTalk」(cncc氏/ のちに 「SofTalkWEB」 として、掲示板 などの読み上げソフトとしても人気に) が真っ先に挙げられます (というか、事実上の標準ソフト)。

使いやすいシンプルな SofTalk
使いやすいシンプルな SofTalk 音声サンプル [音が出ます]

 無料で公開されているアクエスト社の音声合成ライブラリ、AquesTalk を利用したこのソフトは、2006年10月に公開。

 インストールせずに誰でも簡単に使えること、妙に面白い国籍不明なイントネーションが受け、「2ちゃんねる」 などにアニメ楽曲 (アニソン) などを歌わせる人が続出。 このソフトを使ったフラッシュが作られ配布されたり、YouTube へのアップロードなどが相次ぎ話題になっていました。

 とりわけ早口な歌である人気の 電波ソング、「巫女みこナース・愛のテーマ」 を歌わせた 「音声読み上げ ver」 や、ニコニコ動画でブレイクした 「テニスの王子様」 ミュージカルの楽曲などは、結構話題になってましたね。

 その翌年、「初音ミク」 の登場となり、こうした 「パチもんっぽいネタ歌声」 は一時衰退しますが、「初音ミク」 楽曲がどんどんレベルアップする中、あまりのブームの過熱に距離を持つ人たちの間で、「手書き」 患部で止まってすぐゆっくり」(ゆっくりでいいさの前の作品) と 「手書き」 ゆっくりでいいさ」 がブレイク。 元々 「ゆっくり」 系の MAD のセリフには 「SofTalk」 の声が使われるのがお約束のような感じになってましたので、ネタ作品のカテゴリとして、今後もしぶとく生き残っていくのかなという感じがします。

 実際聴くと、クセになるんですよね、この声…w

なお喋らせると、こんな感じになります。 音声サンプル [音が出ます]

「エラステ」 の登場で、ありえないクオリティ…

 その後、お手軽ながら高性能な音楽作成ソフトウェア (DAWソフト)、「Music Maker 2」 の音程補正機能 「エラスティック・ピッチ」 を使い、ズレた音程を補正してありえないくらいのスムーズな歌唱レベルに引き上げる制作パターン (SofTalk + エラスティックオーディオ) が登場。 ぱっと聴いた感じでは SofTalk とは思えないクオリティの音楽データなども現れています。

 また以前から発売されていながら独特な流通で普及していなかった NECソリューションズの合成音声ソフトウェア、スマートボイス (SmartVoice) を使い、さらにありえないクオリティの高みに達しているものも、前後して登場しています。

関連外部リンク

■ SofTalk

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年8月23日)
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