同人用語の基礎知識

電波/ デムパ

トップ 同人用語 項目一覧 電波/ デムパ

電波とは、要するに頭がおかしい人です…

 「電波」 とは、頭がおかしい人、行動が意味不明で不気味な人、キチ○イじみた人、ほとんど犯罪者な人に対する罵倒語です。 「電波系の人」、あるいは隠語として 「デムパ」「基地外」「キ印」「大司令症候群」 などとも表記されます。

 支離滅裂な事やつじつまの合わない事、妄想や訳の分からない事を云う人を 「電波」 と表現するのは、「通り魔」 のような意味不明で衝撃的な犯罪を起こした精神に病を持っている人などが、しばしば 「電波が頭に入ってくる」「電波に命令されてやった」 などと犯行の動機などを証言することから、ネット などで広がる前から隠語として広く一般でも使われる言葉でした (マスコミや精神医療、警察関係などで容疑者などを指す隠語でもありました)。

 こうした使われ方がとくに頻繁にされるようになった 1980年代から現在にかけての直接的なルーツは、1981年6月17日に東京江東区で発生し、4人死亡2人が重軽傷を負った 「深川通り魔殺人事件」 の犯人の供述内容からだと思いますが、この犯人が薬物 (覚せい剤) の常習犯だったこともあり、薬物中毒者の心神耗弱に伴う妄想などを指す使い方もあります。

 ただしそれより遥か以前から頭のおかしい人と電波の関係は広く知られており、例えば国民的マンガ 「ドラえもん」 でも浴びると頭も体も弱くなり鼻たれのバカになってしまうような電波を発する 「クルパーでんぱ」 なる道具が出てきますし (その後 「おかしなでんぱ」 にタイトルに変更され全集に収録)、表立ってするような話ではないけれど、当時の子供や口の悪い大人にとってこうした認識は、程度おなじみの関係ではあったのでしょう。 さらにその根本の原因は、「電波」 なる 概念 が科学的に発見され、それを利用した無線通信などが広がる中で、「カメラに写ると魂を抜かれる式」 のオカルト的な迷信・流言飛語として広がったような経緯があるのでしょう。

 なお 「頭に入ってくる」「○○しろと命令する」 という電波を、「毒電波」 などと表現している場合もありました。

ネットの普及により、全国の電波情報が…

電波がビビビ
電波がビビビ
 とはいえ通常は、こういう危ない人とは日常生活で出会うことは稀ですし、学校でクラスメイトに変な人がいた、近所に変な人がいる…なんて実体験があっても、自分が直接被害にでも遭わなければ、マスコミ報道でたまに耳にする程度の話で済みました。

 たまに身の回りの一風変わった人をシャレで 「電波」 扱いすることはあるにせよ、肌に感じるほどの電波を体験することなど、身内や知人にそうした人がいなければ、普通の生活では出会う機会もほとんどありません。 人権意識の高まりの中、こうした人たちを表立って揶揄するような話もあまり聞かれなくなりましたし。

 ところが パソコン通信インターネット が普及し、全ての参加者がほぼ平等な立場で 掲示板 などに意見を書くようになると、そうした 「電波」 を持つ人の、新聞沙汰にまで発展する犯罪までには至らない迷惑行為の報告や、あるいは 「電波」 を持つご本人のものすごい書き込み、電撃反応会話までを、直に眼にすることになります。 目の前に 「電波」 な人が突然現れたら怖いかも知れませんが、掲示板の書き込みや、ネットをはさんでの見物や 「観察(ウォッチ)」 ならば、怖いもの見たさも手伝って参加しやすくもなります。

 結果、おかしな発言や行動、反応を繰り返す人を専門に見守るようなコミュニティや掲示板が登場し、情報や意見交換などもされるようになりました。 と同時に、ネットの世界などでも、「電波」 は特定の種類の人に使われる言葉として慣用句化がさらに進むことになりました。 「訳の分からない人」 に対する罵倒語には、このほか 厨房DQN、あるいは ゆとり なんてのもありますが、罵倒の度合いで云えば 「電波」 が最強で、またこれらと組み合わされて使われることもあるような感じでしょうか。

 なお 「電波」 な人が妄想を書きなぐっているような様子は、電波ゆんゆん、「電波がビビビ」、あるいは マジキチ、「病院が逃げ出した」「病院が入院した」 などと呼びます。

電波有名人、電波コテハンなども

 パソコン通信や初期のインターネットでは、いわゆる おたく系 の住人が多数参加して、その濃度は現在よりずっと高いものでしたが、そうした場で頻繁に名前や目撃例のあがる有名な 「電波」 さんが見つかるようになりました。

 あるいはその本人が、コテハン (固定ハンドル/ 匿名掲示板などでも、自分だけの ハンドル を常に名乗る) で様々な電波発言をして、有名になることもあります。 1999年5月に 2ちゃんねる が生まれ利用者が激増する中、「有名電波」 などと呼ばれるような人もでてきました。

 ここで有名電波さんの名前や固定ハンドルを書くことはさすがに差し控えますが、例えば女性 コスプレイヤー に何年も付きまとうストーカーのような電波さん、ファン が昂じてタレントや声優、漫画家などに付きまとったり、犯罪行為にまで及ぶ電波さん、現れる場所全てで トラブル を起こし、あらゆるイベントで 出入り禁止 となっている電波さん、逆恨みや私怨から執拗な嫌がらせや 粘着 的な誹謗中傷、怪文書の配布などを繰り返す電波さんなど、「おたく」 や 「同人」 関係に限っても、ものすごい数の電波さんが現れたり消えたり、また復活したり増えたりを繰り返しています。

 はたで見ているだけならともかく、実際に被害あう人にとっては、たまったものじゃありませんね。 何か事件を起こして新聞沙汰などになると、伝説化し、「レジェンドコテ」 などと呼ばれる場合もあります。

 ただし、被害に遭った人のエピソードの内容によっては、「電波」 さんがある意味で再度 擬人化 され、時には 「美少女化」「萌えキャラ変換」 される場合もあります。 有名なのは、2002年8月にオンラインゲーム 「ラグナロクオンライン」 のβ版のテスト運用中に参加していた伝説的な プレイヤーモチーフ とした 「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」 でしょうか。 ある種、2005年頃から話題となった ヤンデレ の元祖のような事件でした。

関わりあうのはやめましょう…

 ネット上で観察している分には、ちょっとした肝試し、気軽な火遊びなんて 雰囲気 もあるんでしょうが、もし万が一絡まれたり、リアル社会で迷惑行為を受けたら、なるべく迅速に回りの信頼できる友人や親、あるいは警察などに、相談するのが良いと思います。

「電波浴」 とは…?

 「電波浴」 とは、そのまんまですが、「電波を浴びる」 ことです。 太陽を浴びる日光浴みたいな感じですね。 電波な人の運営するサイトや掲示板の書き込みを見たり読むことを指しますが、「頭の中がお花畑」 として類似点があると思われる一部のマスコミ (捏造や歪曲、ミスリード満載の マスゴミ) の報道番組などを見る場合にも、「電波浴」 なんて感じで使う場合があります。 まぁテレビなら電波は電波なのでそのまんまではありますが…。

 ちなみに代表的な 「電波浴」 の楽しめる番組としては、筑紫哲也さんが活躍していた頃の TBS 系列 「ニュース23」 やテレビ朝日系列の 「ニュースステーション」「報道ステーション」 あたりがよく話題に登るようです。

Twitterこのエントリーをはてなブックマークに追加FacebookLINEGoogle+

関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック

(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2001年12月10日)
破線
トップページへページの先頭へ

トップ
 旧同人用語メイン
 同人用語辞典 収録語 項目一覧表
 同人おたく年表
 同人関連リンク
 付録・資料
サイトについて
書籍版について
リンク・引用・転載について
閲覧環境
サイトマップ
のんびりやってます
フッター