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片手デバイス/ 左手デバイス

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ゲームやペンタブのお絵描きに、あると便利な 「片手デバイス」

 「片手デバイス」 とは、パソコンや タブレット (ペンタブ (板タブや液タブ) の他、タブレットパソコンなども) の外部接続用の入力機器の一つで、もっぱら簡便なキーボードやスイッチ、ノブやスティックなどがついたショートカット操作が便利になるソフトウェアコントローラのことです。 サブのデバイスとの意味でサブデバイスやサブコントローラと呼んだり、ゲームが主な想定用途の場合はゲーミングデバイスやキーボード、右利きの人が左手で使うことが多いことから、とくに 「左手デバイス」 と呼ぶこともあります。

 代表的なものは、数字の入力に特化したテンキーや小型・簡便なサブキーボード、ジョイスティック、スイッチボックスなどでしょう。 それぞれ数個から十数個のキーやスイッチ、ノブやレバーがついており、本体であるパソコンやタブレットで使うソフトウェア (アプリ) に 設定 されているショートカットを割り当てて、面倒なキー操作を省略したり、微調整が可能な動作入力などによって、作業の効率を高める役割を果たします。

 なおキーボード本体、あるいはキーボードの傍らで使われるマウスなどはあくまでメインデバイス扱いで、サブデバイスと呼ぶことはありません。 また通常はそれぞれ1つづつしか接続できません。 しかしサブデバイスとしての機能を持つ製品や、パソコンなどの 環境 によっては複数接続して、片手デバイスとしての利用が出来る場合もあります。

あるとないとでは、作業効率が大違い

 例えばパソコンで お絵描きCG・デジ絵) をする場合、一昔前まではマウスでドット (ピクセル) を一つずつ打って描くような描き方 (ドット絵) がありました。 その後 ペンタブ (ペンタブレット) として板タブや液タブ (液晶ペンタブレット) が登場し普及すると、キーボードを使った作業がかなり辛くなってきます。 マウスと違ってタブレットは、大きさの関係でキーボードと一緒に机の上に置くと作業しづらくなるのですね。

 一部のパソコン用デスクなどだと、テーブルの下部にキーボード用の小さな台や引き出しがついていて、併用しやすくなっているものもあります。 しかし作業の際は文字入力以外ではショートカットキーくらいしか使わないため、やっぱり大きいキーボードは色々と不便です。

 そこで、主にショートカットキーのみを切り出したような小さなキーボードや、ショートカットを割り当てられ、かつ目で見なくても手の感覚だけでどのスイッチかわかる独特な配置がされた片手デバイスが利用されるようになりました。 その後パソコン用 ゲーム の普及やゲーミングパソコンといった概念が広まったこともあり、ゲーム用の片手デバイスが発売されてこれをグラフィックソフト用に活用したり、業務用ではない一般向けのクリエイター専用をうたうような安価な片手デバイスも登場しています (それ以前にあった業務用みたいなものはごつい上にめっちゃ高かった)。

一度その便利さを味わうと、二度と手放せなくなる…

 片手デバイスには様々な種類があり、安価なものでは数百円程度のテンキーを使ったりしますが、それ用に作られた製品の場合、数千円から数万円程度のものが売れ筋としてよく利用されます。 また USB 接続の有線タイプもあれば、Bluetooth 接続できる無線タイプもあります。

 基本的にショートカットキーの割り当てが使い方のメインになりますが、ゲームで使う場合は簡単な文字入力が可能なキーボードつきの、いわゆるゲーミングキーボードと呼ばれるものが良いでしょう。 ひと昔前までは、小型キーボードみたいなものの販売や流用が多かったのですが、その後完全にゲーム用途に振り切った商品が多数登場。 キーもアルファベットの一部とファンクションキーや機能キーがいくつかついているだけで、2010年前後からはそれらが主流といって良さそうです。

 一方、同人商業 などお絵描き用途の場合は、キーボードによる文字入力はあまり必要ではありません (まぁレイヤー名の入力とかができると便利ではありますが)。 その場合、ショートカットの割り当てができるカスタマイズキーやスイッチのみがついている小型のものがお薦めです。

 パソコンで マンガイラスト を描く場合、画材 としてのソフトは Adobe の Photoshop (フォトショ) やセルシスの ComicStudio (コミスタ/ 後の CLIP STUDIO PAINT(CSP/ クリスタ) や SAI (サイ/ SYSTEMAX)、ibisPaint (アイビスペイント/ アイビス) が多いと思いますが、これらが 公式 にサポートする片手デバイスもあり、その中から選ぶのが導入の容易さ、後々の トラブル を防止する観点でも望ましいでしょう。

 2010年代後半以降はもっとも利用者が多いと思われるペイントソフト クリスタでタブレットを使う場合、既存の各種サイドデバイスの他、特化したデバイスの タブメイト (CLIP STUDIO TABMATE) があります。 価格は5千円程度で、クリスタユーザなら値引きで 3,500円程度で手に入ります。 ただし接続は Bluetooth のみで環境によってはつながらない、つながっても途中で切れるなど、安定しない場合があります (筆者 も購入しましたが安定せず使用を諦めました…)。

片手デバイスの設定外面例 (TourBox)
片手デバイスの設定外面例 (TourBox)

 その他定番と云えるのは、筆者も愛用しているアメリカの TourBox Tech社が展開する TourBox (ツアーボックス) があります。 価格は4〜5万円前後、その後比較的安価なエントリーモデルも登場し、3万円弱程度で入手が可能となりました。

 また独特な形状から登場時に話題になった左手デバイスに、これまた人気の BRAIN MAGIC社の Orbital2 (オービタルツー) もあります。 3万円程度で購入できますが、廉価版や様々なバージョンがあり、かなり手軽に手に入れられるものとなっています。 スティックレバーが飛び出した円形のもので、作業効率向上だけでなく、腱鞘炎の予防や対策にも力を入れており、慣れると驚くほど便利になるとの高い評価がされています。

 これらの機器は、単にショートカットキーの登録が出来るだけでなく、お絵描きする際にほとんど必須とも云える回転縮小などがダイヤルやレバーで連続して感覚的に行え、あるとないとでは作業効率が段違いなほどの便利さです。 キーボードやゲームのコントローラが数千円で購入でき、液タブも主に中国企業の参入により低価格化が進む中、補助的に使うだけのサイドデバイスが数万円というのは初購入するにはかなり勇気のいる価格帯ですが、長くお絵描きを続けるつもりなら試してみる価値は十分あるでしょう。 というか、一度使ったら二度と手放せなくなること請け合いです

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2014年4月16日/ 項目を分離して整理しました)
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