深夜のラジオ放送から動画による配信者まで、聞いて楽しむ 「リスナー」
「リスナー」 とは、英語の listener のこと、聞き手や聴く人、聴衆といった意味の言葉です。 聴取者とも呼びます。 ラジオを聴くとか音楽を聴くとか、もっぱら音声で 配信・表現されるものを耳で楽しむ人を指します。 おたく や 腐女子 に近いところでは、深夜に放送される若者向けのラジオ番組を聴く人などを指して使われることが多いでしょう。 テレビ番組や動画配信など映像もあるものについては 視聴者 と呼ぶこともあります。
新聞社やテレビ局といった大手メディアのなかでも、ラジオ局は比較的規模が小さく、また地域に密着した媒体だという特徴があります。 東京や大阪にキー局となる大きなラジオ局があるのはテレビなどと同じですし、それぞれが新聞・テレビ・出版といった系列となるメディア グループ を構成していますが、ローカル となる局それぞれが独自の番組を持ち、特色を生かした放送を行っています。 ただし若者向けの深夜放送は在京キー局の番組が全国で楽しまれるケースが多いでしょう。
いずれもリスナーとの距離が極めて近いのも特徴で、ほとんど全ての番組がリスナーからの 投稿 によって番組を進行する スタイル を持ち、強固な固定リスナーを獲得しています。 これはラジオ番組のパーソナリティ (DJ/ ディスクジョッキー) らが1人でマイクに語り掛ける形の番組が多く、それがリスナーとの一対一の親密な関係を 擬似的 に感じさせるからでしょう。 なかでも受験勉強中の息抜きや、深夜のドライブ中に聴くお気に入りの深夜放送は、ほっとする実家のような安心感があります。 なお熱心に投稿をする人、投稿が 趣味 だという人は俗に ハガキ職人、投稿者名はラジオネーム (RN) と呼びます。 対概念は聴くだけリスナーです。
ちなみに同じラジオ放送でも、1970年代末から1980年代にかけてブームとなった BCL (海外の放送を聴く趣味) などの場合は、リスナーの他に受信者 (ワッチャー) と呼ぶこともあります。 こちらはアマチュア無線 (ハム) などの送信・受信といった 概念 を持つ世界の影響が色濃く反映したもので、アマ無線などと同様に放送局へ受信報告書を送ったり返礼に受信確認書 (ベリカード・QSL カード) が発行されるなど、いわゆる一般のラジオ放送とはまた違った独自の言葉やルール、文化を持っていました (一般のそれと同じように ファン が番組やパーソナリティー宛に投稿や楽曲のリクエストを送ると云った文化ももちろんあります)。
ネット配信は映像もあるのに、「聴く人」 っておかしくない?
リスナーという言葉は英語由来の 普通 の日本語ですが、とくにおたくや ネット の関係で近年になってよく使われるのは、ニコニコ動画や Youtube といった 動画共有サイト において、ライブ・リアルタイム で配信される生放送や 生配信 (ニコニコ生放送 (ニコ生) や Youtube ライブ) を見聞きする人でしょう。
これらは映像がある場合も多いため、本来は視聴者とか観客、オーディエンスと呼ぶのが相応しいのでしょうが、まだネットで動画の生配信が難しかった時代、類似の活動にネトラジ (ネットラジオ) や音声配信が活発だった時代があり、その頃の言葉がそのまま引き続き使われるようになっています。 配信者・生主 によっては視聴者とか視聴者さんと呼ぶ人もいますが、言葉として長いしちょっと固すぎるので使いにくい部分もあるのでしょう。
人気のある配信者によっては自分のリスナーらに特定の名前やニックネーム (ファンネーム) をつけて、それで呼ぶこともあります。 ファンの間から呼び名が自然発生して、それが使われることも多いでしょう。 このあたりの ノリ や一体感も、リスナーとの関係性が強いラジオの深夜放送と同じですね。
リスナー同士の過度のつながりや馴れ合いは、基本NG
配信中にリスナーが コメント でリアクションを返すことがあります。 配信者はこれを拾ったりリスナーと対話しながら話を広げたり盛り上げていきます。 ただしリスナーはあくまで配信を視聴する立場であり、反応する場合も配信者が振った話題の範囲内に限り、またやり取りは一回につき一往復か、配信者から質問されたらそれに返す程度に留めるのが基本です。 リスナーが配信者に代わって自分勝手に話を広げる必要はまったくありませんし、配信とは関係のない 自分語り を始めたり、他のリスナーと揉めたりなどは論外です。 リスナー同士で 雑談 や過度の 交流 をするなども、配信者や他のリスナーから嫌われるマナー違反だと考えて良いでしょう。
ファン同士が仲良くなることには良い面ももちろんあります。 配信者の何らかの記念日などで、ファンが示し合わせてお祝いをするなどは、良好なファンコミュニティのひとつの理想形でもあります。 とはいえリスナー同士がやたら仲良くなって裏で強くつながったり派閥が作られたり、トップリスナー、顔役みたいな存在が現れると、結局は裏でつながったリスナー以外のリスナーを排除したり、新規・初見リスナーが近寄りがたい 馴れ合い の空気を作ってしまいます (配信者がいつも来るリスナーを特別扱いして自らこうした状況を招くこともあります)。 あげく配信者や他のリスナーによる注意や苦言に激昂し 反転アンチ になると、今度はつながったファンが集団での嫌がらせまで始めることもあります。
配信者が場を仕切る力や好ましくないリスナーを切る勇気を持つ、適切な モデレーター を置くなど、健全な場を保つ努力は必要でしょう。 とはいえ配信者の全てがそれをできるわけでもなく、またファン同士で群れたがるファンは気弱で嫌といえない配信者や自治の行き届かない場に好んで寄り付きます。 結果、せっかく面白い配信をしていた配信者が精神的に疲弊して消えてしまうこともあります。 これでは配信者はもちろん、マナーを尊重して静かに見守っていたファンにとってもたまったものではありません。 他人の配信で自己主張したり自我を出したり、必要以上の 認知 を求めるのはやめましょう。 どうしてもしたければ、自分が配信者になれば良いだけです。





