同人用語の基礎知識

もしもし回線

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ネット接続でダイヤルアップ通話 「もしもし回線」

 「もしもし回線」 とは、狭義には固定電話における電話回線、あるいは通話のための回線といった意味の言葉です。 ネットパソコン通信インターネット) へ接続する時に、これらの回線を利用したり利用している人 (ユーザー) を指して使ったり、単に回線の違いをフラットにあらわす意味 (通信回線ともしもし回線のような) もあります。 時代が下るにつれ、多少の ネガティブニュアンス が含まれた使い方がされる場合もあります (後述します)。

 名称の由来は、そのまんまですが電話で通話する際に相手からの応答を求める話始めの前置き 「もしもし」(申しを重ねた言葉)+ 回線 からです。 初見でもおおむね正しい意味がすぐにわかる ネットスラング といって良いでしょう。

新しい通信規格やサービスが登場し、古めかしいイメージに

 ネットへの接続には様々な方法があります。 1985年に電電公社の民営化 (NTT)、それに伴う通信の自由化があり、通信用機器を自由に購入したり、それらを使った接続 (音響カプラによる接続やモデムを使ったダイヤルアップ接続) も徐々に普及します。 しかし通話のための回線を使うため、通信時には通話状態となり電話が使えず、また長時間の接続となると1分間いくらの従量制による高額な電話代が必要でした (深夜から早朝にかけて料金が割安・固定となるテレホーダイ (テレホ) などもありました)。

 その後 2000年代になり、ADSL といった電話回線は使うけれど音声やダイヤルアップによる接続をしない方式の接続方法が普及し、一部の モバイル 環境 (ノートパソコンでダイヤルアップをするとか、携帯電話から接続するなど) を除けば、通信に通話や通話のための回線がいらなくなりました。 それに伴い、料金体系も従量制から定額制となり、つなぎ放題・常時接続が当たり前の時代が徐々にやってきます。

 「もしもし回線」 はこの2000年代を前後して、まだ個人がネット接続に通話や通話のための回線を必要とした時代からそれ以外の通信方法が見え始め普及し始めた頃に、ADSL や 光といった新しく個人向けに開放された通信方式、さらに大学とか研究機関、IT 関係の企業などが持っていた専用線 (あるいはアマチュア無線を使った実験的な接続) とを対比する、くだけた表現の意味合いで使われるようになりました。

「俺たちと違う回線でアクセスしてくる人たち」 を揶揄する意味にも

 この言葉がよく見られたのは、ISDN (信号をデジタルのまま TA (ターミナルアダプタ) などで接続するもので、ダイヤルアップ方式ですが通信は定額制であり、通信中の架電も可能でそれを意識することはほとんどなかった) や前述した ADSL が登場・普及し、自宅からパソコンを使う場合にダイヤルアップなどが必ずしも必要でなくなった頃でしょう。

 筆者 を含め、当時ネットや ネトゲハマって いる人は、テレホ → ISDN → ADSL → 光 (ナローバンド → ブロードバンド) というパターンが結構ありましたが、ISDN は接続は一瞬、また接続中に架電もできるので、ネトゲ中にゲーム内の チャット 以外で仲間と細かい連絡をしたい時、「もしもし回線で連絡する」 あるいは 「もしもしする」(固定電話や携帯電話で電話する、連絡する) みたいな使い方はしていましたね。

 とくにパソコン通信やその流れを汲む アングラ系掲示板 (あめぞう や あやしいわーるど、2ちゃんねる など) では、「いまだにダイヤルアップで接続してくる遅れた奴ら」 といった意味で使われたり、モバイル端末を使い外出先でまで掲示板に貼りつきアクセスしてくる人たちを 「必死だな」 と 煽る ような意味で 「もしもし回線」 を使うケースもあります。

 またさらに時代が下ると、携帯電話によるネット接続が広がると同時に、2ちゃんねるなどに新しく参加してくる 一般人 (「これまでアングラ系の掲示板にいた人たちとは違う人種」「俺たちとは ノリ が違う人たち」「若い世代」) も増え、それらを揶揄するような使い方も出てきます (ちなみに一部を除き携帯電話による接続は通話のための回線を使ったりダイヤルアップしているわけではないので、狭義の 「もしもし回線」 という訳ではありません)。

 一部の板では接続元 (IP やプロバイダ名) が見えて接続が移動通信会社のものと分かりますし、言葉遣いやノリの違いからそれとなく分かったりもしますから、それらへの違和感をあらわす際にも使いやすかったという点はあります (さらに通信会社ごとに様々なイメージ (例えば NTTドコモはおっさんが多いとか、DDIセルラー (au) や J-フォン (SB) といった新興・マイナー な通信会社は料金が安く若者向けプランも豊富なため子供 (リア厨 (リアルな 厨房) や キッズ が多いなど) もあり、それに基づくレッテルや蔑称も色々とあったりします)。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2003年7月19日/ 項目の再構成です)
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