無能な働き者はすぐに銃殺刑に処せ…迷惑千万 「無能な働き者」
「無能な働き者」 とは、組織内における人物を4つのタイプに分けた際に、もっとも不必要で 害悪 をもたらす人、排除・追放すべき 厄介 な人を指す言葉です。 ヴァイマル共和国軍時代のドイツの陸軍軍人ハンス・フォン・ゼークトの著書 「ゼークトの組織論」 にて提唱されたとされ、その内容は 「有能 な怠け者は司令官に、有能な働き者は参謀に、無能 な怠け者は下級兵士に、無能な働き者はすぐに銃殺刑に処せ」 です。 とりわけ 2ちゃんねる といった 掲示板 の ミリタリー 関係の話題でよく触れられ、コピペ などを通じて ネット民 の間で広く使われるようになっています。
言葉の意味としては 「やらなくても良いことをやって全体の足を引っ張る」「本人は善かれと思ってやったことがことごとく裏目・逆効果・利敵行為・オウンゴール (自殺点) になる足手まとい」 です。 とくに前述したゼークトの言葉とされる言い回しを引用し、そのような奴は 「銃殺」 するしかないとまとめられることもあります。 ただしネットで流行しつつも確実な原典とされる ソース は見当たらず、極端な意訳や誇張、あるいは有名人の怪しげな逸話や伝説に過ぎないとの見方が多いでしょう。 日本では小林源文さんの マンガ 「第2次朝鮮戦争 -ユギオII-」(1996年) にて同様の表現があり、これが掲示板などにアレンジされて 書き込ま れたことが発端とする見方が有力です。
類似の言葉にドイツの詩人ゲーテの 「活動的な 馬鹿 より恐ろしいものはない」 や、フランス皇帝ナポレオンの 「真に恐れるべきは有能な敵でなく無能な味方である」、フランスの詩人ラ・フォンテーヌの 「無知な友人ほど危険なものはない」、さらにこれらナポレオンやラ・フォンテーヌの言葉が下敷きになったともされる日本の言葉に 「馬鹿な大将、敵より怖い」 があります。 こちらについては第二次大戦時における東条英機首相・陸軍大将や、同大戦における日本軍のもっとも無謀な戦いの一つとされるインパール作戦を行った牟田口廉也陸軍中将にまつわる逸話として紹介されることが多いでしょう。
創作物の キャラ では、「銀河英雄伝説」(銀英伝) に登場する自由惑星同盟側のアンドリュー・フォーク准将が、一部の おたく な人たちの間で圧倒的な知名度と存在感を持っています。 自らが発案した行き当たりばったりの軍事侵攻作戦を自らの栄達のために推進し、会議の場で作戦の不備を指摘されても 「高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処」 などと ゴリ押し。 個人的な人脈まで使って強行した結果、ほとんど自滅の大敗北を招いています。 自信過剰と出世欲、他者への嫉妬から暴走し大きな悲劇を招く無能エリートの典型例となっています。
どんな組織でも、張り切るバカには悩まされるもの
出典とされるものに軍事にまつわるものが少なくないため、その方面での使われ方がとても多いのですが、軍隊も人が集まる組織の一形態 (ただしかなりの究極体) である以上、それ以外のあらゆる組織に同じようなことが言えます。
例えば会社組織で、物事の本質が理解できず、何ら業績に結び付かない無駄な業務を作って 「やってる感」 を出そうとしたり、きちんと動いている仕組みに余計なひと手間を加えて機能不全にしたり、何にでも口を出して業務を停滞させたり敵を作ったり 現場 の モチベーション を削るような人がいるものです。 無能なら仕事をせずに何もしない方がましですが、本人に悪意がなく無能なりに頑張って結果を出そうと努力している場合もあり、心情的に切る判断がしづらい点も厄介かもしれません。
一方でやる気があるというのは大きな美徳ですし、努力の方向性さえ正しければ大きな利益を得ることもできます。 成功か失敗かは結果論でもあるので、周囲の人間の適切な起用や誘導で、評価が反転することも十分ありえます。 とくに先進的すぎる思考の持ち主や 天才 とされるような人は常識外れの言動をしがちで、平凡な人間から見れば無能に見えることもあります。 無能な働き者扱いされていた人物が時や 環境 を得て活躍することもあるのが、人間の面白さでもあります。 また戦いは相対的なものなので、敵がより一層の無能であれば 勝利 することだってあります。





