不快だし迷惑だし危険でもある… 「厄介」
「厄介」 あるいは 「厄介ファン」 とは、アイドルや音楽バンド、お笑い芸人、声優といった特定の芸能人、あるいは 作品 などに対して過剰あるいは異常なほどの熱意を示し、マナー やルールを無視し、その結果として トラブル を起こすなどして周囲に不快な思いや迷惑をかけてしまう ファン のことです。 とくにタレントとファンという関係性を超えて、私的な部分で個人的なつながりを持とうとしたり、ストーカーさながらに対象を追いかけまわす、他のファンを暴言や暴力を使って排除する、自分は特別な扱いを受けているなどと虚偽を触れまわるといった場合に使われるケースが多いでしょう。
言葉自体は 昭和 の頃から存在し、厄介に至るファンに男女の区別はありません。 とはいえ厄介ファンが男性 (対象が女性タレント) の場合、周囲も最悪の事態を想定してそれなりに警戒したりコンサートやライブといった イベント での 出禁 も比較的容易にされがちなのに対し、厄介が女性の場合は男性タレント側の被害が軽く見られたり、当の男性タレント側に女性ファンに対する性的に邪な考えを持つ人もいて 見過ごされやすく (いわゆるファンを食うこと)、結果として女性の厄介ファンが悪目立ちしやすい部分はあるかもしれません。 一方で、マイナー な女性アイドルとか事務所の体制が貧弱な若手女性声優などの場合、男性の厄介ファンを排除しきれず、時として深刻な迷惑行為や、最悪性的な暴力とか殺人事件なども生じるようにもなっています。
なおタレントなどに迷惑を及ぼすだけでなく、同じファンに対して迷惑行為をするファンを指すこともあります。 例えば ネット の時代になり、掲示板 などで同じファンに迷惑行為を働いたり、追っかけ (タレントの全国ツアーについて回ったり、会場 で出待ちして後をつけるなど) の中には、若い女性ファンと近づくためにファンを装う男性の厄介ファン (交通費とか宿泊費などを肩代わりするなどして見返りを求める) などもいます。 似た言葉には、とくに迷惑な追っかけをする人を指すヤラカシ、裏オリキ、あるいは 害悪 などがあります。
またこれらとは関係なく、関わり合いになりたくない迷惑な人、非常識な人全般を広く差すこともあります。 「厄介者」 あるいは 「鼻つまみ者」 というわけです。
対象のタレントを悩ませるだけでなく、活動を阻害する恐れも
過度な追っかけや イベント会場 でのタレントの入り待ち・出待ち、自宅周辺での待ち伏せや付きまとうといったプライベートな時間や空間への侵害の他にも、握手会やサイン会、お渡し会といった接触系のファンイベントで過剰な接触やアプローチを試みる、ネット の時代となってからは SNS で直接的に過剰な メッセージ を送り続けるなどは厄介の代表的行為です。
これらは 「熱心なファン」 との区別もつけづらいですが、周囲に他のファンがいる中で行われることも多いため、その 自己中心的 で身勝手な振る舞いに不快感を覚えるファンは多いですし、さらには毅然とした対応を取らない所属事務所やタレント本人にまで怒りや ヘイト が向かうこともあります。 他のファンを攻撃しがちなこともあり、タレントにとっては百害あって一利なしの存在でしょう。
こうした厄介ファンの存在は、タレントや所属事務所、あるいはタレントとファンとの距離が近いと思われがちな YouTuber や VTuber といった 配信者 やクリエイターに大きなストレスを与えますし、他のファンの気分を害し、ひいてはコミュニティ全体の雰囲気を悪化させることがあります。 SNSの普及によって厄介ファンの行動が可視化されやすくなり、問題視されることも増えてきたと云えるでしょう。
ファンの側からできることは限られますし、行き過ぎた自治活動はしばしば私怨による私刑 (学級会 による吊るし上げや いじめ) を招くこともあります。 とはいえ放置するとどんどんコミュニティが壊れていきますし、ファンも離れていきます。 最悪、タレントさんが心折られて 引退 する結果に追い込まれることもあります。 コミュニティ内でのマナーを徹底することや、適切なルール作り、その前段階としての意識の啓蒙が重要でしょう。 まぁ、これが難しんですけれどね。
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