同人用語の基礎知識

この次も、サービスサービスぅ

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次も絶対期待を裏切りません! 「この次も、サービスサービスぅ」

 「この次も、サービスサービスぅ」 あるいは 「サービスサービス」 とは、「サービスしますよ」「次も期待してくださいね」 といった意味で使われる言葉です。 単に 「サービスします」 ではなく 「サービスサービス」 と言葉を重ねる使い方なのは、それが流行るきっかけがあったからです。

 言葉自体はごくありふれた言い回しですが、おたく な世界での言い回しの 元ネタ としては、1990年代後半に社会現象となるほど大ヒットしたGAINAX原作によるSF アニメ 「新世紀エヴァンゲリオン」(エヴァ/ 1995年10月4日〜1996年3月27日) の予告編からとなります。 番組の最後に行われる次回予告の中において、主要キャラ・主人公 の一人である葛城ミサトが次の物語を軽く紹介した後、「この次もサービスサービスぅ」 などと締めていたセリフがその発端です。

 エヴァの 「サービス」 を使った締めの言い回しは第一話後の最初の次回予告 (第二話 「見知らぬ、天井」 の予告) から登場し、「この次もサービスしちゃうわよ」(第三話 「鳴らない、電話」 の予告) などわずかなバリエーションもありつつ、全26話のテレビアニメシリーズの予告編24回のうち前半を中心に11回使われていました。 言い回しで最多なのは 「この次も、サービスサービスぅ」 で、全体では7回使われています。 この言い回しは結構強烈で、エヴァ人気が高まる中で一部では流行語化。 パソ通掲示板 やエヴァ系の SS同人誌 などでも類似の言い回しを結構見かけました。

 予告の締めでのこのセリフには、エヴァ制作陣、なかでも監督である庵野秀明さんの 「テレビアニメとしては過剰サービスと云えるほどのクオリティである」 との強い自負が込められているとの話もありますが (いわゆる サービスカット の存在を暗示するものではない)、ともあれ使い勝手のよい言い回しとしてエヴァの 二次創作 はもとより、ネットスラング としてなどオタクの世界全般で多用されるようになったのでした。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」 の予告で久々に復活、コラボ商品CMでも

 なおテレビアニメシリーズ終了後も劇場版が次々に制作され続けたエヴァには、劇場版オリジナルの予告も存在します。 テレビシリーズの予告編も後半は 「サービスサービスぅ」 という言い回しはなく劇場版 (旧劇場版シリーズ) でもしばらく見られませんでしたが、2009年6月27日に公開された 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」 の予告で久々に復活。 「さぁ〜てこの次もサービスサービスぅ」 との言い回しで予告を締め、続く 「Q」 でもイントネーション違いながら同じ言い回しで踏襲されています。

 この他、アニメ以外の派生作品や ゲーム、パチンコ、あるいは缶コーヒー (UCC ミルクコーヒー × エヴァンゲリオン) や髭剃り (Schick × EVANGELIONキャンペーン) といった コラボ 商品CMなどで同じ言い回しもありましたが、あまりに膨大な コンテンツ や動画、製品、CMが制作されており、筆者 は一部を除いて未確認です。

 ちなみにその後しばらくして、アニメ 「新幹線変形ロボ シンカリオン」 でエヴァとのコラボレーションが行われ (2018年8月)、その際の予告編にミサトの声優である三石琴乃さんが起用されることになり、「シンカリオンでも、サービスサービス♪」 とメディア取材を通じてメッセージを寄せていました。

「サービスサービスゥ」 で忘れられないのはエプソン・カラリオの CM

 一方、エヴァとは無関係の元ネタというか当時流行ったものとしてもう一つ、1996年11月に発売されたエプソンのカラーインクジェットプリンタ Calario (カラリオ)シリーズの 「PM-700C」 とデジカメ 「CP-200」 のテレビCM で使われた CMソングの歌詞の一節もありました。 バックダンサー2人を従え チアガール っぽい衣装に身を包んだ内田有紀さんが 「年賀状きれいじゃなくっちゃイヤイヤ ハハハァ〜ン」 と歌い踊るこの CM は、明るく健康的なお色気あふれる内容となっていて、一部で人気爆発。

 とくに 「はやい」「きれい」「かんたん」 などとアピールして最後に 「年賀状ソフトもサービスサービス」 と締める部分では、内田さんが画面中央で両腕を寄せ胸を挟みながら谷間を強調して ウインク までするサービスぶりで、折からの内田さん人気もあって悩殺される男性が続出。 一部ではこのポーズをしながら 「〇〇もサービスサービス」 といったアレンジをして使われていました。 時期的にエヴァ大ブームの頃と被っており、双方を混ぜたような言い回しや ダブルパロディ 的な ネタネット などでは見られていましたね。

 折しも当時は家庭用カラープリンターが徐々に普及しつつある頃で、この CM の影響があったのかなかったのかエプソンプリンターは他社を圧倒する シェア を獲得していましたが、同人 の活動をする上でプリンターは何かと重宝しますし、うちの サークル の仲間や筆者自身も、当たり前のようにカラリオを使ってました。 確か当時見ていたニュース番組の提供がエプソンであり、このCMを何が何でも録画したくて ビデオ を回していたなんてこともありました。

 ちなみに腕を寄せて胸の谷間を強調するポーズはグラビアなどではおなじみであり、内田さん以前にも当然ありましたが、その後1997年になり、グラビアアイドルとお笑い芸人の中間的ポジションで巨乳をアピールするコンビ、パイレーツが登場して一般にも広く行われるようになっています。 パイレーツの場合は、同じようなポーズをして 「だっちゅーの」 と喋る一発芸的なネタでしたが、出演していたフジテレビ系列のバラエティ番組 「ボキャブラ天国」 の絶大な人気もあり大ブレイク。 1998年には第15回 新語・流行語大賞 に選出されるほど流行し、内田さんの 「サービスサービス」 が完全に上書きされてしまったのは悲しかったです。

 という訳で、同人用語の基礎知識 もお読みくださっている皆さまにサービスサービスゥ♪

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年5月12日)
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