水戸黄門で、かげろうお銀がお風呂に入る的な…
「サービスカット」（Service Cut） とは、ドラマや映画、アニメ や マンガ、ゲーム などで、ファン のために直接ストーリーや本編の内容に無関係なカット （シーン） を挿入すること、あるいはそのカットそのもののことです。 「サービスシーン」（Service Scene） とも呼びます。
言葉としては映画の世界で使われるようになった言葉で、観客動員数を増やす興行的な目的で挿入されるケースが多く見られ、しばしば 「お色気シーン」（もしくは エロ を連想させるシーン） となっています。 ドラマ 「水戸黄門」 で由美かおる演じる 「かげろうお銀」 が、ほとんど意味もなくお風呂に入るようなシーンですね。 映画の世界では、例えばマリリンモンローの映画、「七年目の浮気」（The Seven Year Itch/ 20世紀フォックス/ アメリカ公開/ 1955年６月３日/ 日本公開/ 1955年11月８日） で、地下鉄の通気口の上のモンローのスカートがめくれるシーンがあまりに有名です。
またアイドル主演の映画などでは、着替えシーンのような分かりやすいサービスカットのほか、ヒロイン となるアイドルのアップシーン、イメージカットなども、ファンサービスのための 「サービスカット」 などと呼ばれる場合があります。 この種の 「観客サービス」 は、演劇や舞台の世界でも 「アンコール」 や 「カーテンコール」 とは別に昔から存在しますが、映像作品に限らず、視覚で楽しむ作品にはつきものの 「おまけ」 なのでしょう。
ただし宣伝や広告でサービスシーンをやたら取り上げたりすると、本編を見た人から 「騙された」 なんて印象を持たれたりしますし、サービスカットだらけではストーリーがぼやけてしまって物語として印象が薄くなったり、作品として破綻してしまったりもしますから、使いどころは難しい感じです。
演出家の意図があるのかないのか…ファンが勝手に探す 「サービスシーン」
こうしたサービスカットの多くが 「お色気シーン」 だということもあり、本編そのものがお色気のかたまりである、エロマンガとかアダルト作品などでは、あまり注目されないですね。 一昔前のポルノ映画などでは、学園ものなのに無意味に神社のアルバイトをするなんて 設定 で巫女装束を着せたりなんて 「おまけ」 もつけていたものですが、やはりこの種の 「サービスカット」 が盛り上がるのは、健全系の非エロ作品で、エロができない制約の中でのちょっとエッチなシーン、あるいはエッチをイメージさせるシーンなどとなるんでしょう。
この種の 「サービスカット」 でよく見かけるケースでは、ヒーロー ものの子供向けアニメなどでヒロインが時たまみせる パンチラシーン とか、あるいは悪の組織に誘拐されて、縛られたり猿ぐつわを噛まされたりするシーンでしょうか。 脚本家や演出家にそういう意図があるのかないのかはともかく （明らかに演出家の趣味だろこれ…ってのもありますねｗ）、ファンにとってはあれこれと シチュエーション を想像できて嬉しいものだったりします。
面白いのは、当然とはいえ男性の おたく と、女性の 腐女子 とでは、そうした 「隠されたサービスシーン」 への反応が違うこと。 「オタ的サービスシーン」「腐的サービスシーン」 なんて言葉もありますが、そうしたことを意図しているとは思えないごく普通のアニメやドラマに、そうしたシーンを見つけ出し 妄想 するのは、この種の人たちの習性、あるいは 「特権」 かも知れません。
やっぱり 「ドラえもん」 のしずかちゃんの入浴が最強
ちなみに 「おたく」 がもっとも最初に触れるサービスカットといえば、恐らく 「ドラえもん」 のしずかちゃんの入浴シーンだと思いますが、動画共有サイト に アップロード されていた入浴シーンのまとめのような動画の、それぞれの始まり部分に、明らかに編集でついたのとは違うレインボーノイズ （ビデオテープの劣化による色にじみ） が出ていたのを見て、ちょっと切なくなりました。 元動画の持ち主は、さだめし何度も何度も何度も何度も、そのシーンを巻き戻して繰り返し繰り返し見たんでしょうねぇ…。 気持ちは、わかります。
児童ポルノ法 で 二次元 の規制が始まったら、ひょっとしたらこのしずかちゃんの入浴シーンも消えるんでしょうかね。 男親として、父親として、自分の息子にしずかちゃんの入浴シーンを見せられないで、自分と同じ 「ときめき」 を味わうことをさせてやれずして、いったい何の価値がありましょうか。 表現規制絶対反対です ＞＜。 サービスサービスゥ！
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