同人用語の基礎知識

ほっこり

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いつの間にかあちこちで使われるようになった 「ほっこり」

 「ほっこり」 とは、気持ちが暖かくなる、心が安らぐ、和む、ほっとする、思わず頬がほころぶといった意味の言葉です。 例えば 「猫がかわいくてほっこりした」 といった使い方となります。

 この言葉それ自体は昔からある普通の言葉であり、江戸時代の浮世草子 (庶民向けの小説のようなもの) などにも使われています (ただし意味は微妙に違います)。 また方言として各地でさまざまに使われており、主に関西圏では上記の意味で使うケースもあるものの、「疲れた」「ひどい目に遭った」 さらに 「退屈だ」「面白くない」 といった意味でも使われている言葉でした (京都弁のそれが有名ですが、それ以外の地域でも微妙に ニュアンス が異なる意味で使われています)。

 一方北陸では、焼き芋や煮かぼちゃなどの温かくてほくほくする食べ物の味わいをほっこりするなどと表現する場合もあり、この辺りが全国的な現在の使われ方にどう関連するのかしないのかは不明です。 1980年代あたりまでの日本全体でいえばさほどポピュラーな言葉ではなく、とくに関東ではあまり使われることはなかったような気がします。 その結果、地域によっては若者言葉や ネットスラング、あるいはそれに近い言葉だと認識している人も結構いるようで、一部地域の言葉が意味を変化させながら徐々に広まって使われるようになった、わりと新しい言葉といっても良いかもしれません。

 なおこの言葉が広がる中で、ちょっとひねった使い方なども登場しています。 例えば嫌いな人が失敗などをして困ってる姿を見て、あえて 「心がほっこりした」 と表現するなどです。 これは 「嫌いな奴が失敗して心が晴れ晴れとした」「留飲が下がった」 といった意味となります。

企業の販促活動やメディア、ネットを通じて 「ほっこり」 表現が広がる

 この言葉は1990年代前後から広がったような記憶がありますが、その理由については諸説あります。 冬場の寒い時期、焼き芋やおでん、鍋物といった温かい食べ物を販売する際に、「ほくほくのおいしさ」「体も心もぽっかぽか」「ほっとする美味しさ」 といったニュアンスで 「(食べると) ほっこりするね」 という表現が使われるようになり (とくにコンビニなどの販促や広告) それが発端で広がったとの説や、関西での言い回しがお笑い芸人の話や ファン らの会話から広がり、ニュアンスが変わりながら ネット で伝播したなど色々です。

 インターネット が一般にも徐々に普及し始めたのは 1995年頃からですが、この頃には様々な場所で 「ほっこり」 が 「心や体が温まる」「安らぐ」 といった意味で広がり、2000年代には定着したようです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2004年9月21日)
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