同人用語の基礎知識

総受け

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総受け…愛するが故に虐めたくなるのか

 「総受け」 とは、ある作品中の キャラクター が、登場するそれ以外の全てのキャラの 「受け手」(受けキャラ) の設定であることです。 「逆ハーレム」「なぶり」 や 「袋叩き」 とも。

 普通はアダルト要素のある エロティック な作品における肉体的受けを指しますが、概念的 には精神的受けの場合やギャグにおける受け (ボケ) なども含まれます (もっともあまり “総ボケ” とは云いませんが… (^-^;)。

 取扱いには大きくわけて2種類あります。 まず同じ作品中、もしくは同じ時間軸・世界内において、攻め複数が登場し、受け側キャラが1人だけで総受けとなるパターンが1つ。 もう1つは、受け側キャラは1人で 固定、攻め側キャラは異なる作品、別の時間軸や並行世界ごとに入れ替わるパターン (複数の作品や並行世界をまとめた全体で、結果的に総受けになる) となります。

 なぜそうしたややこしい分類がされるのかと云えば、総受けは、「誰の誘いも受け入れる」=「ふしだら」 という負のイメージを受け側キャラに与えてしまうケースが多いですから、それを良しとしない 作者 の場合は別の時間軸や並行世界上の物語とすることで、「時間軸や世界は別でそれぞれが独立している」=「それぞれの時間軸や世界ではあくまで1対1のカップリングである、一途である」 との言い訳、エクスキューズを与えることができるのですね。

 逆に同じ時間軸・世界上でそれを展開する作者の場合、そうした負のイメージを積極的に取り入れ、愛するキャラを虐めたり、淫乱・ふしだらに描く場合もあります。 もっとも、単に受けキャラが好きで、受けキャラがみんなにモテモテの世界を描きたいといった素朴なものが大半だとは思いますが。

 ただしこれらの分類は作品や作者、元ネタとなる作品のキャラの取り扱いなどによって細かく変化し、様々な要素が 絡み 合うので、言葉によって受ける印象は人によって異なるようです。 また1人の受けキャラに対し攻めキャラは複数になりますから、攻めキャラが好きなファンからは、自分の好きなキャラを 「その他大勢扱い」 されているような不快感を覚え、嫌ったり、露骨に嫌悪をあらわすケースも少なくありません。

日ごろは攻めキャラを、あえて袋叩きにするような 「総受け」 も

総受け…愛するが故に虐めたくなるのか
総受け…愛するが故に虐めたくなるのか

 同じ時間軸・世界内でのケースでは、一般的にはいかにも受け身そうな内向的なキャラが “総受け” に選ばれるようですが、逆に勝ち気で強いキャラをそうした状況にあえて置く場合も非常に多いようですね。

 普段は 攻め の気の強いキャラが、数を頼んだ相手に逆襲されてしまったり、日ごろ虐めているキャラ (「受け」 キャラ) に逆に虐められてその屈辱に歪む様を甘美に描くとか。

 カップリング ものの多くがそうですが、とりわけ “総受け” は、二次創作 などの場合には登場キャラの性格などの十二分な理解と、加えて積極的で説得力のある誤読が必要な、作家さんのセンスや能力が良く出る設定と云えるでしょうね。 どう考えても受け側にするには無理があるキャラを、グイグイとその立場に追い込み説得力たっぷりに描く作品などは、読んでいて思わず作者の力量に唸ってしまう場合もあります。

 なお反対に 総攻め もありそうですが、その場合はシンプルに 「ハーレム」「大奥」 とか 「色ボケ」 とか呼んでいるようです(笑)。 ただカップリングの妙が 同人、とりわけエロ同人や やおいBL の核心部分だったりするので、全てに攻めかかる…すなわちカップリングなどないに等しいハーレムは、あまり多くは見かけませんね (もちろん好きな人も結構いますし、エロなどがない健全系などでは一定のファンがついたりもしてますが)。

 ちなみに男性向け恋愛ゲーム (いわゆる 三択恋愛) やそれを原作とする アニメ、似たような設定の マンガ などで、冴えない 主人公 が美少女に囲まれて生活するようなものは、「理不尽ハーレム」 などと呼んだりもします。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年2月28日)
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