もはや何でもあり! マンガから映像、音楽、音声まで… 「同人作品」
「同人作品」 とは、同人 として制作される 作品 のことです。 といっても同人も作品もそれぞれ多様な意味や定義を持つ言葉なので、同人作品という言葉も非常に多義的な言葉として扱われます。 厳密に何を指すのかは難しいのですが、個人もしくは 同人サークル といった任意団体が制作する視覚的に描写される芸術や文学、音楽や映像や音声、立体造形物全般の成果物、創作物を指すあたりが近いでしょうか。
かつては営利活動に用いる作品や 商業 との対比で 「非営利・趣味」 で制作したもの、アマチュア作品とかインディーズ作品と同等だといった区分もできましたが、現在では同人活動でお小遣い稼ぎを超える金銭を稼いだり、仕事として専業で活動する人も少なくなく、同人という言葉の多義っぷりも合わせ、ひとつの意味に絞るのが難しいでしょう (非営利と区別するため、プロ同人とか営利同人、専業同人みたいに呼ぶこともあります)。
この 同人用語 の解説サイトでは主に マンガ や イラスト、小説や SS といった芸術・文芸の カテゴリ に当たるものが、同人作品として扱われます。 またそれに隣接するものとして、ゲーム や音楽、動画作品、さらにフィギュア (ガレージキット) や グッズ、コスプレ のための小道具や衣装といった立体造形物もあります。 ただしグッズや衣装などは 二次創作 の場合、著作権 の問題で大きなリスクがある作品と云えるかもしれません。 マンガや SS と違い、二次創作を認めている作品でも、ガイドラインで明示的に禁止されているケースも多いでしょう。
一方、歌ってみた といった歌唱に関するもの、踊ってみたのダンスといったパフォーマンス系の活動や作品もありますが、これらも CD や DVD などの 円盤メディア や動画データ、電子データとすることで、他の作品 (例えば 同人誌) などと同様の取り扱いが可能な有体物作品として扱うことができます。
時代とともに、同人作品のバリエーションは増える一方
ネット の時代となってとくに盛り上がったカテゴリには、ネット配信を前提とした動画作品とか、ボイスドラマやシチュエーションボイス、それらを含めた ASMR などの同人音声もあります。 これらは配信だけでなく、有償の ダウンロード を通じたマネタイズも確立し、専業で活動している人がとくに多い印象です。
なお企業が主体となって制作する コンテンツ は、規模の大小を問わず同人とは呼びません。 一般的には営利や商業と見なされます。 また個人が主体となった場合、その個人がプロかアマチュアかは問いませんが、企業 (出版社) で刊行する書籍やコンテンツ、商業流通に乗る作品の場合も、同人作品とは呼ばれず商業作品となります。
ただしゲームなどは、個人が同人で制作した作品が大ヒットして法人化・商業化することもありますし、その後また個人や同人に戻ることもあり、その時々で変わる場合もあります。 この場合、「元同人の商業作品」 みたいな呼び方がされることもあります。