可愛かったりキレイだったり…服飾品では定番の 「花柄」
「花柄」 とは、植物の花弁を モチーフ とした 柄 や 模様 のことです。 フラワー柄とか花びら模様、花模様と呼ぶこともあります。 また必ずしも花弁が描かれていなくても、植物をモチーフにしたものを広義の花柄とすることもあります。 その他、花柄や花殻と表現して咲き終わってしおれた花や仏前に供えた花を捨てることを指す場合もあります。
花自体は人類が誕生するずっと以前から存在しますし、どこにでもあってありふれたものであると同時に、色とりどりで美しく感じられ、良い香りがしたり甘い蜜を持つなど、他の動物や植物同士はもとより人間にとっても印象的なものだったのでしょう。 古代の人々が亡くなった家族や仲間のための埋葬場所に意図的に花を持ち込んでいたことが発掘調査によって判明していますし、故人を悼む気持ちを花を供えることで示す起源の一つと考えられています (ネアンデルタール人のそれは近年異説もでていますが)。 とくに重要なのは、同じ植物でも食料になる果実などと違い、純粋に精神的な営みとしてそれが行われていたであろう点です。
多くの宗教では花はしばしば何らかの象徴として扱われますし、時の権力者が特定の花を自らの紋章や家紋として独占的に用いたり、花の色素によって得られる特定の 色 に魔除けと云った神秘的な力を感じたり、花言葉のように何らかの意味付けをしたり、寓意・アレゴリーとして口にしない (できない) 意図を伝える役割を担うこともあります。
花柄はこうした様々な要素や意味付けの元、人々の美意識などとも関連し、「花を身体にまとう」 風習として生じたものと云えます。 当初こそは実物の生花をそのまま身に着けたのでしょうが、その後は花を描いたり、その特徴を捉えて単純化・様式化した 図案 などが様々考案され、人々の生活に密着した存在として扱われるようになります。
日本においても着物の柄としてよく用いられ、とくに華やかなものは晴れ着などにも使われ、身にまとう人物をより華やかに美しく飾る効果があります。
花柄のポットなどのキッチン用品・雑貨はレトロ感があって人気に
花柄は和装・洋装問わず服飾品によく用いられますが、昭和 の時代、1960年代後半から1970年代前にかけて日用品や雑貨などに色鮮やかな花柄をあしらうブームが起こっています。 とくに花柄のポットは大ブームとなり、一家に一つは必ずあるような存在となります。 併せて食器類などにも様々な花柄があしらわれるようになります。 これらは着物の花柄からヒントを得て他社製品との差別化のために使われたようです。 着物には様式化されたものの他、色彩豊かで写実的、かつ大胆な、まるで 絵 のような模様のものも多かったので、その華やかさを取り入れたものだったのでしょう。
その後はあまりのブームによる陳腐化や、可愛らしさより都会的でクール・スタイリッシュ なデザインやシンプルな 無地 が好まれるようになり、いかにも昭和っぽい花柄は古臭いものとして忌避されるようになります。 しかし折々で小さなリバイバルブームが起こっています。 これは花柄の時代や世代を超えた魅力の他、レトロな 雰囲気 に エモ さを感じる若い人も増えたからでしょう。
なお少女漫画などにありがちな花をあしらった背景 (花背景) を花柄背景やバックと呼ぶこともありあuス。
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