モブよりは重いけれど代わりはいくらでも… 「ワンオブゼム」
「ワンオブゼム」(one of them) とは、特別ではない 普通 の人や キャラ、モノといった意味の言葉です。 英語表現からきており、大勢の中の一人とか、グループ のメンバーの一人とか、平凡で他の代替が効くような選択肢のひとつ、「その他大勢」「量産型」「無名の 一般人」 みたいな意味でも使われます。
対義語は英語ならばオンリーワン (only one) がよく選ばれ、その他日本語では唯一無二とか比類なき存在、特別な存在、個性的、余人をもって代えがたい存在みたいな言い方が一般的でしょうか。 何者か、みたいな言い方がされることもあります。 他に代わりがないかけがえのない存在というわけです。 組織内の役割や存在感から、リーダーや中心人物、キーパーソンみたいに呼ばれることもあります。
類似の言葉に モブ があります。 こちらも英語からきており、存在感がなく空気のような存在、十把一絡げ・その他大勢扱いされる価値や特徴のない人間だといった意味になります。 こちらは アニメ や マンガ、映画などで 背景 の一部として扱われたり、固有の名前や重要な 設定 を持たない端役、背景キャラ の扱いがされる場合に使われます。 ゲーム では プレイヤー が操作しないキャラである NPC が似た意味で使われることもあります。
対概念はその 作品 や 物語 に必須で名前や固有の設定・役割を持つ 主人公 や 脇役 といった重要なキャラですが、他のキャラと区別するための固有の名前を持つ存在だとして ネームド と呼ぶこともあります。
どうせほとんどの人はワンオブゼム、だったら開き直っても
英語表現はともかく、わざわざカタカナ日本語としてワンオブゼムを使う場合は、やや ネガティブ な ニュアンス を持つことが多いでしょう。 とくに人やキャラに対して使う場合は、その傾向が強くなるかもしれません。
また他人ではなく自分に対して 「どうせ俺の代わりなどいくらでもいる」「何者かになりたかったけどなれなかった…」 との 自虐的 な使われ方もされがちです。 人間関係あるあるで云えば、ある友人をこちらは親友や特別な存在だと思っていても、相手にとってこちらはたくさんいる友人の一人、ただの グル友 や 数友 だといった切ない状況もあります。
もちろんどれだけ無個性で量産型に見えるありふれた人物でも、それぞれにちゃんと個性や独自に積み重ねてきた人生や経験に基づく存在感はありますし、社会において役割を持ち、少なくとも家族や親しい友人にとってはかけがえのない大切な存在でしょう。 また本人も特別に強い立身出世欲や野心がなくとも、誰かにとって無二の存在でありたいと望むことが多いでしょう。 とはいえ現実の社会では、一人一人の人間などちっぽけな存在として扱われますし、仮にいなくなっても代わりはいくらでもいるものです。
こうした部分は人生の生きる意味などとも関連し、何らかの出来事を発端に 「どうせ俺なんか」 と厭世的に捉えて落ち込むこともありますが、人によってはむしろ肯定的に捉えられることもあります。 自分を含め世の中のほとんどの人間がしょせんワンオブゼムなら、いちいち他人の目や社会の評価を気にしても仕方がない、承認欲求 を拗らせて苦しむくらいなら、いっそやりたいように生きても何の問題もないという開き直りですね。 創作物においてもその他大勢に重要な役割を与えるような作品もあります。





