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ブコメ/ ブックマークコメント

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ブックマークしたページに一言コメント 「ブコメ」

 「ブコメ」(ブックマークコメント) とは、ネット上ウェブサイト (ホームページ)ブクマ (ブックマーク/ Bookmark) して不特定多数と 共有 することを主な目的とした ソーシャルブックマークサービス において、自分のブクマに対してつけることができる コメント欄 やその 書き込み のことです。

 オフライン (自分のパソコンや携帯端末などのローカルエリア) のブックマークと異なり、オンライン のブクマは原則としてネットに公開されるため (非公開の 設定 もあります)、これを利用してブクマしたお勧めサイトの概要を紹介したり、サイトの感想やサイトで触れている内容の補足、印象的な部分の抜粋、さらには単なる ネタ やダジャレ、場合によっては批判や反論、苦情などを述べたりすることもできます。 書き込み文字数は 100文字程度と短く、一言コメント欄といった感じでしょう。

 オンラインのブックマークサービスを積極的に活用している人を ブクマカ (ブックマーカー) と呼びますが、サービス自体に SNS としての性格が強くあるので、単に優れたサイトを見つけるだけでなく、有益だったり面白い コメント をつけるブクマカに注目や人気が集まり、大勢の ファンフォロワー) がつく場合もあります。 日本では、この種のサービスでは 「はてなブックマーク」(はてブ) がサービス開始から突出した存在感を持っており、ブコメ (記事への反応機能) と云えば実質的に 「はてブのコメント欄とそこに書き込まれたもの」 を指すと云っても差し支えないでしょう。

専門知識が必要な場合に、ブコメに助けられる場合も

 ブコメ機能が輝くのは、専門的な知識が求められるような難解な記事に対する専門家などによる解説や補足、周辺情報の紹介でしょう。 興味はあるけれど自分の知識が追い付かず、その記事の内容が理解しづらいといった場合に、他利用者の的確なブコメがあるととても助かります。 また記事に誤りやフェイク (嘘)、釣り といった内容があった場合にも、騙されてしまうのを防ぐ効果もあるでしょう。 「この分野のブコメならこのブクマカ」 といった信頼感が利用者の間で醸成されている場合もあります。

 またブコメに自分の分からない部分、疑問などを書き込むと、それに的確な返答がなされる場合もあります。 それらが積もり積もって、元ネタのページや記事よりブクマページの方が断片的ながら総合的には充実した内容となる場合もあります。 とくにブクマされているのが大手メディアの報道記事の場合、出典となるプレスリリースやIR情報、公的な統計資料や論文などの紹介がない場合も多く、報道内容のチェックに有益な情報や記事への URL を迅速にコメントしてくれる利用者はとても貴重です。

 このあたりはいわゆる 「ネットの集合知」 の良い面がでた部分であり、様々な課題が解決したり、元記事を見ただけでは得られない深い情報や知識が得られたり、その手がかりをブコメからもらえる場合は少なくありません。 ブコメ自体は短く、また他利用者と何度もやり取りをするような機能ではありませんが、特性をよく理解した利用者であれば、ブクマの価値を何倍にも高める利用が可能でしょう。

コメントのないブクマが並ぶ不自然なブクマ 「無言ブクマ」

 シンプルにオンラインのブクマとして使う場合、別にコメントは必須ではありません。 しかし 「はてブ」 ではコメントをつける利用者が少なくないこともあり、コメントのないブクマばかりが大量につくブクマページは不自然だと感じられる場合があります。

 例えば複数の アカウント を使って 自作自演 のような セルクマ (自分で自分のサイトなどにブクマする) を行う人がいたり、スパムのような悪質な 互助会 などの存在もあります。 こうしたケースではしばしばコメントのないブクマが行われたりすので、それを疑うのですね。 これらコメントのないブクマはとくに 「無言ブクマ」 と呼びますが、ただし エロい 記事などで見慣れた著名な利用者の無言ブクマが並ぶと、それはそれで 「ああ、うん、そうだよね…」 みたいな妙な味わいが生じることもあります。

「はてブ」 の存在感が増すにつれ、過激・不適切な使い方も

 一方ブクマは ネガティブ な使い方もされます。 例えば自分の気に食わないサイトや不快な意見を 「晒しもの」 にするためにブックマークするような使い方です。 この場合、ブコメもそれへの反論や批判、場合によっては個人攻撃や誹謗中傷のようなコメントが書き込まれることも少なくありません。

 例えばあるブログ記事が気に食わないブクマカがいたとして、意思表示しようと思ったら、相手のブログのコメント欄に直接コメントする方法もあります。 これならおおむね確実にブログの著者に意見が伝わるでしょうし、誤った記述があれば指摘することで修正を促したり、その記事の 読者 へ注意喚起だってできるでしょう。 しかしそうせず、相手やそのブログの読者が見ているかどうかも分からないブコメに留めるのは、「議論したくない・反論されたくない」「自分の意見を言いっ放しにしたい」「だから遠くから石を投げる」「晒して自分以外のユーザーからの攻撃を誘いたい」 という意図が感じられる場合だってあるでしょう。 そこに 「陰口」「いじめ」 のような陰湿さを感じる人もいます。

 また中には、他人がブックマークしたブックマークページに表示されたタイトルや偏った一部のブコメだけを見て実際には リンク 先を見ずに 脊髄反射 し、まるで見当違いの批判や罵詈雑言をブコメに 投稿 したり、自分の意見の押しつけに終始して酔っているような人もいます。 とくに大事件や 炎上 といった騒動が発生すると、ネット上には同じ テーマ で書かれた同じような記事が大量に作られ、かつそれぞれの記事にも大量のブクマがつき、ブコメも個別の記事へのコメントではなくその事件や炎上に対する全体的・総論的なものになっていきます。 ブクマした記事には存在しない内容に勝手に激怒して反論し始めたり、同じテーマで何度もコメントするうちに表現もどんどんエスカレートし、ほとんど誹謗中傷になっているような人まで出てきます。

 はてブでは、ユーザーが有益だと思ったブコメを評価するシステム (はてなスター/ 星) がありますから、これを得るためにことさら尖った意見をブコメしたり、自分の考えに近いコメントに星を連打して 「人気のコメント」 のように見せかける活動ばかりしているような人まで存在します。

 こうしたネット上で 「遠くから石を投げる」「ただ叩きたいから叩く」「世論誘導に用いる」 ような人はブックマークサービス以外にも 掲示板ツイッター などありとあらゆるところで見かけるものですし、公開された情報にどういう形で感想を述べるのかも自由ですから、「わざわざ相手に意見を届けてあげる義務などない」 のも事実です。 また他者からの評価 (はてななら星やフォロワー) を得るため、ことさらに意見を先鋭化させる人は、どんなサービスにもいます。 そしてそうした 「問題行動」 をするのは、サービス全体の利用者のごく一部にすぎません。 この辺りはソーシャルブックマークだからどうという問題ではなく、あらゆるネットサービスを利用する時の使い方とモラル、悪質なごく少数のユーザーをどうしたらいいのかという問題なのでしょう。

 なお 「はてブ」 において、祭り や炎上などで相手に 殺伐 とした攻撃的なコメントばかりつける利用者を 「ネットモヒカン族」(モヒる)、投げつけるコメントを 「手斧」 と呼ぶこともあります。 またブコメで論争などが発生し、コメント欄の文字制限などによりブックマークをブックマークして反論や再反論を行うなどの場合は、とくに 「二階建てブックマーク」 などと呼ばれることもあります (メタブックマークとも云い、目的はそれ以外にもあります)。

「はてブ」 のコメント一覧は非表示にすることも可能

 はてブでは、自分のサイトやブログ記事がブクマされることを 公式 に拒否する機能や方法はありませんが、コメント一覧を非表示にすることはできます。 同じはてな内サービスであるダイアリーやブログで設定できるのはもちろん、それ以外のサイトやブログでも HTMLmetaタグ を設定することで可能です。

 またこれらの設定の前にコメントを付けられ表示されている場合でも、時間経過とともに非表示になったり、個別の問い合わせで順次対応してもらえます。 ただしあくまで一覧で非表示になるだけなのでブコメはつけられますし、多少面倒で制約はありますが、はてなアカウントがあれば自分以外のブクマカのコメントを見ることも可能です。

metaタグ <meta name="Hatena::Bookmark" content="nocomment" />

 一部のネット論客には強烈な アンチアンチクラスタ と呼ばれるような反対派的な利用者がいて、何か記事を書けばブコメ欄は罵詈雑言の嵐みたいな状況もあるので、自分のサイトや記事を守りたいならこうした方法を使うのも一つの手です。 とはいえ自分の文章では他人をあれこれ論評したり場合によっては罵倒しながら、一方で自分の記事へのブコメは拒否というのも筋が通らない気がします。 ブコメ非表示ユーザーの側に問題がある場合も少なくないので、このあたりの判断は微妙です。

 また健康や生命に実害が生じかねない医療系のデマ情報や、個人に対する名誉棄損・侮辱罪的な誹謗中傷記事などのコメント欄が管理者の一存で非表示になるなどは、ソーシャルブックマークサービスの社会的意義としてどうなんだという気はします。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2014年2月17日)
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