同人用語の基礎知識

ブラジャー

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スタイル・用途に合わせ、様々な形があるブラジャー

 「ブラジャー」 とは、主に女性が胸部に着用する下着や トップス のひとつで、胸を支え (保持)、形を整えて (補整) シルエットをきれいに見せるために用いるものです。 ビキニ などの 水着 の場合は、これに加え胸の 露出 を防ぐ目的があります。 名称自体はフランス語を元にしますが、日本では英語の brassiere を略したカタカナ語として広まっています。 さらに略した 「ブラ」 が 日常 ではよく使われます。

 下着としてもっとも広く使われているのは金属製のワイヤーが入ったもので、カップがフロント、サイド、バックに別れたボーン (土台) につけられ、肩紐 (ストラップ/ ブラ紐) で吊る形となっているものでしょう。 カップの形状によって胸全体を大きく包むフルカップブラ、カップの上部がカットされて胸元が開いた ブラウス などで胸の谷間を強調するような使い方ができる 1/2カップブラ、3/4カップブラなどがあります。

 またワイヤーの入っていないノンワイヤーブラ、横になっても胸をある程度固定できる就寝時用のナイトブラ、胸を下から支えるだけでなく上からも固定するスポーツブラ (スポブラ)、さらに胸の保持力は弱いものの手軽に使えるブラトップなどがあります。 この他、ブラと併用して形を整えたりサイズを 盛っ たりできるブラパッド (胸バッド)、ストラップやホックなどがない粘着性シリコンでできた貼り付けるヌーブラなどもあります。

 細かいバリエーションとして、脱着時に留めるためのホックが前か後かとか、胸の下にも生地が伸びてウエストまでを覆うようなロングラインブラとか、ブラのサイズなどによっても仕様に細かい違いがあります。 近年では素材や製法の技術も発達し、何らかの付加価値的な機能を持つもの (機能性ブラ/ 後述します)、パーツ類の縫い合わせではなく一枚の生地に型押しをしてカップを作るモールドカップタイプブラも登場し、気取らないシンプルな形から人気を得ています。

2月12日は 「ブラジャーの日」

 現在よく使われるブラの原型は、アメリカで考案されたバレックス・ブラジャーとされます。 ブラや女性の胸当てそれ自体はもちろん以前から存在していましたが、このバレックス・ブラは肩紐をつけた点が画期的で、従来のものと違い身体への締め付けが大幅に軽減され、着け心地が良いものとして評判を呼びます。 考案したのはメアリー・フェルブス・ジェイコブさんで、リボン で結んだハンカチが胸を包んで支える構造となっていました。 1913年2月12日に特許申請がされています。 なおこの2月12日はブラジャーが生まれた日とされ、現在では 「ブラジャーの日」 と呼ばれています。

 日本では戦後になって徐々に使われるようになりますが、それ以前にも 「乳押さえ」 や 「乳房バンド」 といった下着が存在していました。 しかしそれらは装飾性やバストの形を整えるというよりは、あくまで女性が家事をする際に邪魔になる胸を押さえるためのものでした。 昭和 の中頃までは、下着と云えばまだまだ多くが肌襦袢の時代です。

 その後日本の西洋化がますます進む中、1949年に和江商事 (後のワコール) が日本初となる本格的ブラジャーである 「ブラパット」 を発売します。 日本が高度経済成長をして豊かになる中、ブラジャーも一般に普及し始め、1952年に大阪の阪急百貨店行った日本初のランジェリーショーや婦人雑誌などでの積極的な広告展開をきっかけに、1950年代中頃から急速に普及するようになりました。

「寄せて上げて」 1990年代、機能性ブラが人気に

 基本的な機能に加え、いわゆる 「寄せて上げて」 が特徴となっているブラもあります。 バブリー な空気と ボディコン が影響力をまだ持っていた1990年代前半、若い女性の間では胸元が大きく開いた服を着る機会も多く、バストをより豊かで魅力的に見せることができる機能性ブラ (谷間メイクブラ) は人気となっています。

 とくに1992年2月に登場してテレビCM などの プロモーション を積極的に行ったワコールの 「グッドアップブラ」 は、「寄せて上げて」 のフレーズとともに、その年を代表するメガヒット商品となっています。 この大成功を見て翌1993年には胸を下からせり上げるような機能を持つ 「ボムバストブラ」(ピーチ・ジョン)、1994年に 「天使のブラ」(トリンプ) も登場します。

 その後日本経済の後退と共にバブル時代の明るさは影を潜めますが、1990年代後半になると ギャル ブームが発生。 身体にぴったりフィットする小さくて丈が短めの TシャツチビT やへそ出しT) が流行する中、それにぴったりマッチする余計な飾りのないシンプルな機能性ブラが人気を博しました。 なかでも1997年の 「Tシャツブラ」(トリンプ) は若年層を中心に大人気商品となっています。

 これら機能性ブラ登場の背景には、当時の ファッション や流行に寄り添う意図もさることながら、ブラをはじめ衣類の縫製や立体構造化技術が進歩し、見た目のファッション性以外の実用性を求める ニーズ のすくい上げやアパレルメーカーの差別化戦略があります。 同じ1993年前後には形状記憶シャツ (形態安定シャツ/ ワイシャツ) も登場しています。

 ちなみに芸能関係では、1988年に社名を変更した芸能事務所 「イエローキャブ」 の所属タレントを中心に、1990年代を通じて 巨乳 ブームが生じています。 大きな発端は1989年に第16代クラリオンガールに選ばれた かとうれいこさんの大ブレイクで、以降、細川ふみえさんや雛形あきこさん、MEGUMIさん、小池栄子さん、佐藤江梨子さん、根本はるみさんら豊かな胸を持つグラビアアイドルが多数登場し人気となっています。

 また胸を両腕の上腕部で挟みこんで谷間を強調するポーズは、俗に 「だっちゅーのポーズ」 と呼びます。 これは1997年に女性お笑いコンビ、パイレーツ (浅田好未さん/ 西本はるかさん) の持ちネタとして登場・流行したものです。

 同様のポーズはそれ以前からグラビア誌などで 鉄板 のポーズとして既にあったものの、そのあまりのシュールさと当時大人気番組だった 「ボキャブラ天国」 で披露され続けたことから人気となっています。 これは胸の谷間がより強く意識されるようになった時代ならではのものとも云えるでしょう。 ちなみにこの 「だっちゅーの」 は、ハマの大魔神、凡人・軍人・変人などと共に、1998年の新語・流行語大賞の年間大賞を受賞しています。

ブラサイズ早見表

カップサイズ
AAAカップ5.0cm前後差
AAカップ7.5cm前後差
Aカップ10.0cm前後差
Bカップ12.5cm前後差
Cカップ15.0cm前後差
Dカップ17.5cm前後差
Eカップ20.0cm前後差
Fカップ22.5cm前後差
Gカップ25.0cm前後差
Hカップ27.5cm前後差
Iカップ30.0cm前後差
Jカップ32.5cm前後差
Kカップ35.0cm前後差
Lカップ37.5cm前後差
Mカップ40.0cm前後差
アンダーバストサイズ
6562.5〜67.5cm
7067.5〜72.5cm
7572.5〜77.5cm
8077.5〜82.5cm
8582.5〜87.5cm
9087.5〜92.5cm
9592.5〜97.5cm
10097.5〜102.5cm
105102.5〜107.5cm
110107.5〜115cm

 ブラのサイズはAカップ、Bカップといったカップ数でよく表現されます (左表)。 それがそのまま着用者の胸のサイズとして認識されることが多いでしょう。 カップ数はトップバスト (先端) とアンダーバストとの寸法差によって求められ、つまりは胸の高低差があるぼど大きなカップということになります。 実際はこの他にアンダーバストによるサイズもあり (右表)、これらを組み合わせてフィットするブラを選ぶこととなります。 例えばCカップでアンダーバストサイズが 70 なら C70 となり、もし着用時にカップはちょうどいいのにアンダーがきつい場合は C75 にしてみる、みたいな感じになります。 サイズはメーカーによっても若干異なることがあります。

 2018年のトリンプの調査によると、日本で販売されるブラのサイズはCカップが最多で 26.9%、次いで僅差でDカップが26.3%、以降Eカップ 18.8%、Bカップ 17.9%の順となっています。 購入されるブラのカップサイズがすなわち女性のバストサイズではないのかも知れませんが (常識的に大きいほど長持ちしそうにないし)、ひと昔前まではDカップが巨乳と呼ばれていましたから、時代を経るごとに日本女性の胸が豊かに大きくなってきているようです。

 一方、ボディスーツ部分があったりする倍、一般的な衣服類のサイズ表示として、簡易的なS・M・Lといった表示がされることもあります。 これらはメーカーなどによって細かく異なることがあります。 またアメリカやヨーロッパと日本とでは、同じようなA・B・Cカップ表記でも大きさが異なります。 アンダーバスト表記もインチだったりしますし。 ネット を使った 通販 で海外の EC サイトを 越境 で利用したり外国製ブラを購入する際は、このあたりを確認する必要があります。

ブラはより機能的に快適に、そしてシンプルに

 ブラのデザイン自体はひと昔前までは刺繍やレースなどをふんだんに使った、比較的華美な飾りを持つものも人気がありました。 しかし近年では高機能性ブラの登場もあって、装飾よりは実用性重視で、見た目自体はシンプルなものが好まれているようです。 そもそもブラは パンツ など他の下着同様に外から見えることはなく、基本的に実用性が第一とされがちなため、価格が高くなりがちな装飾は無駄と感じる層も多くなったのでしょう。

 とはいえ中高生は友人らの前で着替える機会もありますし、大人になっても恋人や家族とのあれこれが生じることもあります。 使い分けるのが賢い付き合い方なのですね。  については女性は黒やピンク、男性は白を好む傾向があるようです。

 数が必要な 消耗品 のわりに比較的高価なものでもあり、ブラ選びに時間をかける女性は多い印象です。 形の合う合わないもあり、合わないと苦しくなってきたり 痛く なったりもするため、使い慣れたものがダメになった場合は頭を悩ませるものでもあるようです。 とくに恋人に見せる用のそれは吟味を重ねた高額なものである可能性が高く、万が一手にすることがあれば彼女同様に大切に扱うようにしましょう。

 ちなみに男性から見て使用感や着け心地が想像しにくい衣服の代表でもあり、何かのきっかけに恋人やらのそれを初めて手にして 「え? こんなにゴツいの?」 と驚くことは多いようです。 胸のサイズにもよりますが、マンガアニメ といった創作物では当たり前のように描かれる巨乳を収めるブラともなると、下着というよりはサポーターというか固定具に近く、金属ワイヤーや土台の太さ (ホックが3連だったり) もあってかなりの 装備品 感です。

 高校や大学あたりでやっと彼女ができて初めて 制服 や服の上からブラつきの胸を触り、てっきり 「ぼんよよぉ〜ん」 みたいなソフティな触感を期待したら思いのほか硬い上にワイヤーに軽くつき指をしてパニックに陥り涙目の トラウマ になる人も少なくないようです。 慣れないと片手でホックを外すのも難しく、手間取って彼女から 「なんでガンプラは作れるのにブラのホックは外せないんだよこの 雑魚 が」 などと思われているのではないかと恐怖する 童貞 は多そうです。 ガード固すぎだろとか。

 まぁ男性でも、自分の両胸に中身の入ったペットボトルを貼り付けて歩いたらどれだけ痛いか、それを固定するためにどれほどの 装備 が必要かを考えたら、何となく想像できるものかも知れません。 アニメや ゲーム みたいに たゆんたゆん と揺らすのはかなり辛いものでしょう。 女性が金的やチンポジを感覚的に 一生 理解できないように、男性が胸のあれこれを理解するのも難しそうです。

 なおノーブラで揺らし続けると、胸を支えるクーパー靭帯が伸びたり切れたりします。 これに加齢による上胸の縮小や胸全体のボリュームの喪失などが加わると、いわゆる垂れ乳になってしまいます。 可能な限り美乳を維持し、ひと昔前のお年寄りの垂れ下がったおっぱいみたいになりたくないなら、揺らしすぎは禁物です。

創作物におけるブラジャー

 エロ いマンガを含め、パンツなどに比べるとブラを丁寧に描く人は少ない印象です。 早くおっぱいを出したいというのもあるし、ブラは描くのが本当に面倒です。 なので逆にブラにこだわって描く人は、かなり凝った描写をするケースが多いでしょう。 とくに女性作家などは、こだわった描写をする方が結構いる印象です。

 そんな中で着衣状態で胸を出す描写で比較的見かけるのは、ブラを上にずらすものでしょう。 パンツなどもそうですが、脱いでしまうよりずらす方がエッチに感じるケースが多いのか、好んで描いている人も結構います。

 男性から見て想像しにくいものに、着衣 をしたままブラを外す行為があります。 ブラ抜きとか呼びますが、Tシャツやセーター、学校の 体操着 あたりなら簡単でも、スクールシャツ だったり身体が固い、体格が良くて肩幅があるなどの場合は、ブラ紐を腕から抜くのに苦労します。 無理をするとすぐに服が伸びてびろんびろんになったりしますしブラも痛みます。

 夏場などは一般的に 透け 対策のためにシャツの下にインナーとしてタンクトップやキャミソール、アウターとして ニットベスト を重ね着したりもしますから、着替えで器用に体を動かしてブラだけを抜く姿は結構感動的です。 というかかわいいです。

 創作物ではありませんが、それに近い存在として、コスプレ における胸の扱いがあります。 肌色面積 が広く露出度が高い衣装の場合、水着のブラなら仮に少しチラ見えしても感覚的に抵抗感がないという場合もありますが、困るのは女性が男性 キャラ のコスをする 異性装 です。 この場合は女性っぽい胸が出ないよう、胸つぶしをする必要があります。 どうやるかは レイヤー さんの体形や考え方次第ですが、ブラというよりは古風なサラシを用いるケースも少なくないようです。 また胸をつぶす一方、谷間などに詰め物をして、全体で厚い胸板として処理するという方法もあります。

ノーブラ、手ブラ、髪ブラなど様々な派生概念も

 派生語は様々あり、ブラをしていない状態は一般にノーブラと呼びます。 上着もなく上半身裸の場合はトップレスと呼びます。 一方、トップレス状態で手で乳首など胸を隠す様は手ブラと呼びます。 あるいは 髪の毛 が前に垂れて微妙に乳首などが見えなくなっている状態は髪ブラと呼ぶこともあります。 ブラやブラ紐がチラリと見えている状態はブラチラ、透けているならブラ透け、見せても良いブラは見せブラと呼びます。 貧乳 すぎてブラがいらない場合はノンブラーです。

 身体部分では、ブラからアンダーバストがはみ出ている状態を俗に下乳と呼ぶこともあります。 下乳に関わらずはみ出すならはみ乳です。 極端な巨乳はスイカに喩えてスイカップと呼ぶこともあります。

 なおエロ目的ではなく面倒だからとブラをしない人はブラキャン (ブラジャーキャンセル) と呼ぶこともあります。 これは2020年代に風呂キャンセル 界隈 などが流行した後の派生語のような扱いとなっています。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2004年3月10日/ 項目を分離しました)
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