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ド派手で体のラインがはっきり見える威圧系… 「ボディコン」

 「ボディコン」(ボディコンシャス/ body conscious) とは、日本においては1980年代後半から1990年代初頭にかけて、主に若い女性の間で流行したファッションスタイルや考え方のひとつです。 アメリカでのブームを受ける形で日本でも定着し、身体に密着するような伸縮性の高い生地とデザインで、身体のラインを強調したスタイルとなっているのが特徴です。

 この時代、日本はいわゆるバブル景気と呼ばれる空前の好景気を謳歌していました。 株価や物価が上昇し、高いものから先に売れると云われた時代、消費が活発化する中でファッションにお金をかける傾向が強まりました。 ブランド品と呼ばれるハイブランドの商品もよく売れましたが、単に値段の高い服で着飾るだけでなく、それを身に着ける自分自身の身体にも注意が払われるようになります。 痩身で 髪型 やメイクなどにも気を配った、ある意味で総合的なファッションの追及です。

 これらの流行は、まだ ネット がごく一部のものだったこともあり、大手メディアからの影響が強いものでした。 この時代は後に揶揄を込めて恋愛至上主義と呼ばれるような、「異性にモテる」 ことが重視された時代でしたし、トレンディドラマに代表されるような 「ドラマや映画のような恋愛をする」 といった憧れも強く、雑誌などもモテ服や流行に乗ったデートやクリスマスの過ごし方などをマニュアル化したような記事を量産していました。 そこで華やかな脚光を浴びいているタレントやモデル、女優などが着用するボディコンスタイルが多く取り上げられ、若い女性たちの憧れの的となるのは当然でした。

 実際はバブル景気といったところで、その恩恵に浴せるのは一定以上の資産持ちや社会的地位を持つものが中心であり、若者、とくに地方の若者にはほとんど無関係の話ではありました。 しかし右肩上がりの経済と将来に対する楽観的な空気の元、女性の社会進出が進む時代でもあり、女性が主体的に自身の身体を自信を持って表現することが ポジティブ に評価される時代だった点も影響がありました。 ボディコンは、かつての ブルマーミニスカート などがそうであるように、女性の力強さや自立を象徴するスタイルとしても好意的に捉えられました。

都心部の夜の繁華街はヤバかった…

 ボディコン服の最大の特徴は、前述したように身体のラインを強調するデザインです。 伸縮性に富むストレッチ素材や光沢感のある生地が多く使用され、タイトなシルエットを持ち、ウエストやヒップ、胸部のラインが強調され、女性らしさが際立つスタイルです。 太いベルトで腰を締め付けるといった着こなしもありました。 また胸元が深いVネックとなっていたり、肩出しやオフショルダー、スリット入りのミニスカートなど、露出 が多いセクシーで大胆なデザインが多く見られます。

 色合いは極めてカラフルで、明るい色や派手な パターン もよく見られ、視覚的なインパクトもあります。 背中が大きく開いているもの、ワンピースタイプ で長いスリットが入ったものもありました。 足元はおおむねハイヒールであり、ちょっと体格の良い女性などは男性よりも大きく見えたものです。 肩を出さないものは、肩パッドなどにより肩幅と高さをいからせたスタイルも流行しました。

 それに合わせネックレスやイヤリング (ピアス)、指輪なども大振りで派手なものが選ばれました。 髪色 はまだ 黒髪 が支配的でしたが、ワンレン と呼ばれるカットを行った ロングヘア が流行りました。 このワンレンはボディコンとセットで語られるほどの存在感があり、「ワンレン・ボディコン」 と云えばバブルを代表する装いとなりました。

 メイクも後の ギャル ブーム以降のそれと比べるとまだ控えめなものの、それ以前までに比べるとずいぶんと派手なものが選ばれました。 ただし1960年代から1970年あたりまでミニスカブームと共に流行した頃のような極端なまでの濃い化粧は、年寄りくさい厚化粧と見なされてあまり広まりませんでした。 眉毛もナチュラルなもの、もしくはやや太目の眉が好まれ、全て剃ってアイブロウペンシルで描きましたみたいな極端な細眉や長い着けまつげなども、やっぱりおばさんくさいとして敬遠される傾向も根強かったものです。

 このあたりは、身近な母親が若い頃にしていたファッションが実態より古臭く見えてしまうということなのでしょうが、世代が変化した後のギャルブームで全て復活し、とくにアイメイクは俗に 「ひじき」 と呼ばれるほどの極太長大着けまつげが流行するに至っています。 厚底靴なども、ボディコンの時代には見られないギャルブーム以降のリバイバルでした。

創作物の世界でも、一部が取り入れられることに

 ボディコンはおおむね大学生や社会人の装いであり、学校が舞台で登場する キャラ が中学生や高校生くらいの マンガアニメ に直接的な影響を リアルタイム で与えるものではありませんでした。 しかしボディコンに憧れる女性の描く女性向け 作品 や、ボディコンに魅力を感じる男性らによる作品、とくに エロ な作品に対しては、少しずつその影響が及ぶこととなります。

 とくに身体の線がはっきり出るという部分は、乳袋股間に貼りつい て逆三角形の影やシワがつくミニスカートの描写に、それなりの影響を与えたような感じはします。 1980年代にはレオタードや 水着 におけるハイレグのブームがありましたが、短い スカート 姿はまた別格な存在感がありましたし。 またこの頃、1990年に和歌山県の一主婦の訴えにより全国的な展開となった 子供向けポルノ追放運動 が盛り上がり、半裸や 全裸 といった裸体表現や性行為の描写はもとより、パンチラすらも避ける空気が広がる中、着衣 の状態でいかにエッチでお色気を出すかの技術的なチャレンジが一部で行われていた部分もあります。

 こうした傾向はボディコン服そのものだけではなく、似たシルエットを持つチャイナ服などはもちろん、まるで異なる 制服 などそれ以外の服装にも描き方として影響を与えるもので、この時代に活動していた 絵描き やその影響を受けた漫画家や 絵師 などにもある種の 「手癖」 として残り、服の構造上そうはならんやろという 謎服 の誕生にもそれなりに影響を与えたものだったかも知れません。 ボディコン服によくあった タイトスカート ならともかく、制服の プリーツスカート が股間に貼りつくのはさすがに不自然ですけれど。

 なおこの時代の雰囲気を強く持つ存在に、1991年に週刊少年サンデーで連載が始まりアニメ化もした大ヒット作品である 「GS美神 極楽大作戦!!」 の 主人公 美神令子がいます。 グラマー な身体に色とりどりのボディコン服にワンレン・ハイヒールの典型的なバブルファッションであり、お姉さま キャラのひとつの様式を作った存在だと云って良いでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年2月12日/ 項目を分離しました)
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