同人用語の基礎知識

グーはやめて

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怒りを鎮められるか、火に油を注ぐか 「グーはやめて」

 「グーはやめて」 とは、日常生活や ネット で不機嫌さや怒りを露わにした相手に、日ごろから暴力を受け、いままた暴力を受けそうになっている女性被害者のセリフのような言葉で 「まぁまぁそう怒るな」「冷静に」「機嫌を直せ」 となだめるチャチャ入れのフレーズです。 「怖い」「怒らないで」 の場合もあります。 ただしなだめるためではなく、怒りを 煽った り挑発する目的で使われる場合もあります。 同じようなフレーズには 「顔はやめて」 などもあります。 またグーとは握り拳のことで、拳で殴るのはやめて、グーパン しないでといった意味になります。

 怒っている相手に冷静になるよう呼び掛けても、「別に怒ってないだろ」 とさらに怒りを募らせたり頑なにさせてしまう可能性があります。 しかし 「グーはやめて」「顔はやめて」 などならシャレや ネタ としての ニュアンス がありますし、周囲に第三者が何人かいても、場の空気を必要以上に悪化させたり凍り付かせない効果もいくらかあるでしょう。 誰かがこのフレーズを入れると便乗して 「延髄斬りはやめて」「震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃はやめて」 などなど、プロレスや アニメゲーム などのマニアックな技名を入れる人もいます。

 ただし怒っている人の怒りの対象となっている本人が使うと逆効果です。 周囲の人間が使うとしても、お互いによほど親密で信頼関係が構築されていないと効果がないでしょう。 匿名系の 掲示板 のように 馴れ合い がなくとも何となく場の空気の 共有 がされている状況なら、わりと勢いで何とかなるかもしれません。 とはいえそうした場でも、相手とタイミングによっては煽る結果となる場合もあります。 怒りを鎮めるつもりで 燃料 になっては本末転倒で救いもありません。

ネット配信における 「キレ芸」 の合いの手としても

 怒っている人の怒りの対象や原因が他人ではなく本人自身だったり誰にもない場合、例えばネットでゲームの配信をして失敗したとか 不運 が続いてイライラしているなどの場合は、効果が発揮しやすいかもしれません。 怒りの対象が存在しない以上、本人が怒りを納めたらそれで話が終わるからです。

 また自分に対してこうしたセリフが誰かから出たならば、自分の怒りによって周囲に不安や不快感を与えていることを理解し、ひと呼吸おいて落ち着くか、態度を改めるようにしたいものです。 とくに配信などで大勢の人が見ている状態で、こうした冗談めいたセリフでこちらの態度をたしなめてくれる リスナー や友人はとても貴重だし大切です。 リスクを取ってこちらの評価が下がったり場が壊れるのを止めてくれているのですから。

 配信者生主 によっては、いわゆる 「キレ芸」 が魅力となっている人もいて、これらのフレーズがリスナーとの掛け合いや合いの手に使われていることもあります。 その場合は必ずしも無理に怒りの表現を抑える必要がないこともありますが、怒りを露わにする表現は思った以上に人の心を冷たくするものです。 最初は面白がって見ていた人も、ある日を境にプツンと来なくなることが多いものです。 キレ芸はどうしてもエスカレートしがちなため、リスナーの 地雷 に触れたり、社会的・倫理的に問題のある発言をして 炎上 に至ることもあります。 「笑って止めてくれるうちが花」 というのは意識したいものです。

 なおこれらのフレーズが、DV (ドメスティックバイオレンス) を揶揄したり軽く見ているものだとして嫌う人もいます。 場合によっては エロ い文脈に繋げて 「ナマ はやめて」「中に出さないで」 みたいな性行為における懇願口調のあれこれを使う人もいます。 TPO 次第とはいえ、まぁ常識的に避けた方がいいだろさすがにそれは、とは思います。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年10月5日)
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