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意識高い系

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意識が…高い高〜い キャッキャ 「意識高い系」

 「意識高い系」 とは、ほとんど何の実力も能力も、あるいは強固な意志や意欲すらもないくせに、自意識が肥大し自尊心と優越感のみは高く、それに伴って他者や社会全体に対する著しい過小評価が生じている人、極端に偏った受け売りの 「意識が高そうな話」 を得意げに吹聴する人、口先だけの言葉や短絡的で無意味な行動ばかりで中身が伴わないような人を揶揄・罵倒する言葉です。

 就職活動系の読み物や、有名な経営者・文化人や一部のネットワークビジネスや自己啓発系セミナー、オンラインサロンの 主催者 らが、しばしば若者に向けて 「意識を高く持て」 などと発信していたこと、そうした人たちが云う 「自分らしさ・なりたい自分の追求」「常識を疑え」「指示待ち人間になるな」「経営者目線を持て」「夢は大きく持て」「セルフブランディングせよ」「理屈より感性を研ぎすませ」「成長スピードを上げろ」「圧倒的成長を目指せ」 などのあまり意味のない耳障りが良いだけのありふれたフレーズへの反感から、「意識高い系」 と面白おかしくネーミングされ ネットスラング として広がりました。 掲示板 2ちゃんねる などでは、誤変換当て字 で 「意識他界系」 とも云います。

 典型的な 「意識高い系」 は、もっぱら大学生や社会に出たばかりの若者に多く、自らを見栄え良く飾り立てたいものの誇るべきものがあまりないような 「普通の人」 が、運悪く前述したような 「意識が高い情報」 に触れて自分の可能性に目覚め、ずぶずぶと陥ってしまうようです。 とりわけ幼稚な陰謀論に容易に 転んで しまうという点は特筆に値します。 常識を疑い専門家などの権威をバカにし自らの直感に従うので、例えば地球平面説みたいな荒唐無稽な話も信じてしまうことがあります。

 ただしこうした人たちに対する同情的な声もなくはありません。 例えば大学生の意識高い系などは、就活 (就職活動) において企業側から意識が高い感じの活動履歴やら意見やらを求められている、あるいは求められているのではないかとの強い恐怖感や危機感がしばしばその根底にあります。 失われた20年とか30年などと叫ばれ厳しい雇用情勢が続く中、「個性的な活動によって他の就活生を一歩リードしたい」「これといった特技や特徴のない自分が勝ち抜くため、世間的な評価が得られやすい意識高い系活動は無視できない」 との切実な思いでいる就活生も少なくなく、それを大人の側から 「青い」「幼稚だ」 などと一方的に批判され笑いものにされるのも気の毒な感じがします。

 なお単なる ネタ としての対概念・対義語として、その後 「意識低い系」 といった言葉も広く使われるようになっています。 こちらは文字通りの意識が低いという意味や意識高い系への揶揄・当てこすりのニュアンスもありつつ、「意識高い系のような見栄や嘘をつかず、ありのまま・素直に楽しく生きています」 といった ポジティブ な意味でも使われます。

「意識高い系」 にありがちな行動パターン

 「意識高い系」 にありがちな行動パターン (意識高い系の しぐさ) は様々あります。 SNS などで意識が高そうに見える発言やポエム的な文章を連発する、プロフィール 等を誇張して自分をやたらと大きく見せる、人脈や所属している団体の自慢をする、よくわからないカタカナビジネス用語の乱発などなど、もっぱら自己顕示をあらわにするものばかりです。

 それ以外では、毎朝電車で通勤するとか平凡な会社員として仕事をすることとか、地道に努力を重ねて頑張る人を見下し、社畜だドブネズミだなどと小馬鹿にする言動を繰り返すパターンも多いでしょう。 またこうした攻撃的な言動はしないものの、ひらがなを多用して何やら丁寧な感じをやたら上から目線でことさらに醸し出すパターンもあります (例えば 「ていねいなくらしをしています」 みたいな)。

 当たり前の話ですが、「意識が高いこと」 それ自体は、何ら問題になるわけではありません。 どのような意識であっても、高くあろうと努力すれば視界も広がるでしょうし考えだって深化するでしょうから、一般的に云えば低いよりは高い方が良いのでしょう。 問題なのは、実際はたいして意識が高いわけでもないくせに、受け売りの意識高い系フレーズや行動パターンの繰り返しをしているだけで何かを成し遂げた気になり、意味不明な上から目線で他人を批判・罵倒あるいは憐れんでみせるのが見ていて腹立たしいから悪く見られるのでしょう。 「意識が高い人」 と 「意識高い系」 は、同じものではないのです。

 こうした若さゆえの背伸びしがち・前のめりな考え方は、思春期の頃の 中二病真面目系クズ など、様々なタイプのものが存在します。 子供や若い頃に謎の全能感に包まれ、世の中を斜に構えて見たことは誰だって少しくらいは身に覚えがあるでしょう。 また参考書や難しい本などを自分の部屋の本棚にズラリと並べただけで勉強した気になったり頭が良くなったような気になったり、テレビや本などで聞きかじった著名人らの名言の類を自分が考えた言葉のように感じて友人知人に得々と話したくなったり。

 しかし ネット の時代となり、そうした言動が容易に第三者に 共有 されてしまう状況となると、中高生ならともかく大学生や社会に出てまでこうした思春期の頃のような幼稚な マウント行為 を取っているのは見ていて辛いというか 痛々しい というか心の奥に潜む考えが透けて見えて 共感性羞恥 が発動して自分のことのように恥ずかしい感じがして、突っ込み たくなる場合もあるでしょう。 それに伴い、この言葉は急速に広まりつつあります。

本人が良ければ構わないとはいえ、食い物にされる 「意識高い系」

 ところでこうした人たちが揶揄されるだけでなく時に強い批判に晒されたり 叩かれ たり、場合によっては 炎上 までするケースが多いのは、前述した通り他者に対してしばしば強い攻撃性や加害性を持っていることがあります。 意識高い系は周りの人が自分より意識が低い奴、格下だと思ってるのですから、これは当然なのでしょう。 またネットワークビジネスや自己啓発系といった 「人脈を消費する」 タイプの 信者 向けビジネスと親和性が高いように、周りを巻き込み、振り回し、被害の輪を広げる傾向がある点も批判されるポイントです。

 思春期の中高生の頃なら手元にあるお金も人脈も小さくしょせんは子供 レベル であり、仮に感化されて少々 イキった としても被害も少なく、そのうち笑い話にもなるのでしょう。 しかし大学生や社会人ともなると、子供の頃よりは格段に大きなお金 (金融機関から借金もできてしまいますし) や人との繋がりを失うリスクがありますし、失敗を修正するコストも跳ね上がる傾向があります。

 「大学などやめて自分の頭で考えて生きていけ」「社畜になるな、起業して自分で新しいビジネスを切り開け」「まだ〇〇で消耗してるの?」 などといったフレーズに感化され大学をやめて アフィリエイト で小銭を稼ぐブロガーの道を歩んだり (結果的にネットの世界はゴミだらけ…あまり人のことは云えませんが)、よくわからないボランティア団体や NPO 法人を立ち上げてすぐに放り出したり。 それが本人だけの問題ならある程度までは自己責任でどうぞなのですが、他者に対してそれを強く勧めたり、仲間に入れと誘ったり、おかしな投資話を押し付けてきたりで、さらにそれを断ったり苦言を呈すると罵詈雑言を浴びせてきたりでは、批判したくもなるのでしょう。

 こうした傾向を持つ人は、当然ながらネットワークビジネスや自己啓発系、よくわからない インフルエンサー やオンラインサロンの主催者や参加者には都合がよく、利用されて食い物にされがちです。 それがネットで見かけた変な人ならともかく、友人や家族など近親者にいた場合は放置もできず、かといって思い留まらせようと説得しても返ってくるのは罵詈雑言だったりもするので、なんとも辛い思いをする場合もあります。

「意識高い系」 はなるべく子供の頃に罹患して卒業しましょう…

 …と、何やらボロクソに書いてる感じですが、これは 筆者 にもかなりの純度で宿る思考なので、正直自分でもそれなりに辛い感じはあります。 今はもう年もとったし身の程を知ってイキるような気分でもないので控えめに生きてますが、まだ幼い頃はビジネス指南書とか ライフハック系 の本など読んで感化されるとついつい唇を尖らせて自己主張したくなるものなんですよね…。

 今では中学の頃の同窓会などで痛かった昔の姿を友人らの言葉から思い出して顔を赤くする程度で終わってますが、軽い流行り病のようなものですので、罹るならなるべく早めに、また晩発した場合は、あまりに道を踏み外しそうになる前に忠告してくれる親や友人の苦言に耳を塞がない姿勢だけは持ち続けたいものです。

意識高い系企業? 様々な社会問題への姿勢で批判を浴びることも

 意識高い系は基本的に個人の言動や姿勢に対して使われる言葉ですが、経営者が意識高い系だったり、やたらと立派な企業理念を掲げていたり、環境活動や人権問題など特定の分野において積極的かつ極端・独善的な意見を表明する、CSR (企業の社会的責任) に基づく社会貢献活動をことさら大仰に行いイメージアップに努めている企業などが、「意識高い系企業」 などと揶揄されることもあります。

 もちろん企業にも個人に対して求められるのと同様の、あるいは社会的影響力の大きさからそれ以上の高い意識とそれに基づいた具体的行動が求められるケースは多く、社会貢献活動などは積極的に行うべきでしょう。 仮にそれが自社のイメージアップのためだけのものであっても、やらない善よりやる偽善との意見もありますし、理由はどうあれ課題に取り組んでいる企業を正当な理由もなく揶揄するのは誤っていると云えます。 しかし云ってることとやってることが違うとか、偏った立場からの意見表明ばかりの場合には、活動にことさら偽善的なものを感じて忌避する感情も生じるようです。

 とくに環境問題や捕鯨を含む動物愛護関係、人種・民族差別、特定の国の人権抑圧に対する姿勢などは鋭く意見が対立するテーマでもあり、あまりに偏った認識でもう一方の側を攻撃するような声明や活動を行う企業には、逆の立場から強い反発が生じることも少なくありません。 またこれら議論が過熱しやすいテーマを、見掛け倒しの意識高い系をあぶりだすリトマス試験紙のようにとらえる意見もあります。

 こうしたテーマは、2010年頃までは主に環境に関するものが多かった印象がありますが、それ以降は環境に対する興味関心はそのままに、EUの移民問題や2017年1月のトランプ米大統領の登場と根強い黒人差別、女性問題、性的少数者問題、中国による香港や少数民族に対する弾圧などを通じて、人権問題が中心に来た印象があります。 世界中でビジネス展開するグローバル企業はそれぞれの問題ごとに繊細で注意深い対応が必要になることもあり、その結果しばしば矛盾した二律背反・ダブルスタンダード な言動を取りがちとなり、バッシングや不買運動などが生じることもあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2012年11月10日)
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