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祭壇

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部屋の中に突然出現、あるいは聖地・生誕祭に… 「祭壇」

 「祭壇」(さいだん) とは、アニメゲーム といったコンテンツ作品や、それに登場する キャラクター などの様々なグッズ類を 展示・ディスプレイのために一か所に数多く集積した状態、あるいはそうした飾り付けのことです。 仏壇やひな壇と呼ばれることもあります。

誕生日に店舗で作られた祭壇の例
誕生日に店舗で作られた祭壇の例
アニメ 「ラブライブ!」 絢瀬絵里の生誕祭に秋葉原の
ゲームセンターで

 いわゆる おたく腐女子 な人は、しばしば自分の部屋 (おたく部屋、腐女子ルーム、コロニー) に好きなキャラの ポスター を貼ったり、フィギュアやキャラクターグッズを並べたり飾り付けたりするものです。

 しかしそれが限度を超えた密度やインパクトのある展示方法となっている場合に、まるで怪しい宗教か何かの礼拝用の祭壇に見えることから、そのまま祭壇と呼ばれるようになりました。

 元々祭壇は、様々な祭りを行うために作られる壇 (一段高く作られた場所、ステージ) を意味し、祭られる神様や精霊、あるいは死者 (死霊) などに供え物をささげたり、礼拝に用いるためのものです。

 日本で一般に身近なものと云えば、神社やお寺の祭壇、お葬式の時の祭壇などがありますが、大小様々なフィギュアやキャラの顔が描かれた イラスト、グッズ類が積まれる様は、キャラ絵 がご真影や遺影、フィギュアや縫いぐるみが ご本尊 や仏像、供物にも見え、全体のビジュアルはそれらとそっくりになります。

 こうした状態を祭壇と呼ぶようになったのはかなり昔からです。 もっぱら特撮やスーパーロボット関係で、フィギュア状のソフビ人形玩具や超合金と呼ばれるギミック付の金属製モデルが初期から安価で販売されており、それらをズラリと自室に並べる人が多くて、そちら関係で使われたケースが多かったと記憶しています。 2000年代頃からは ネット でも広くその意味で使われるようになっています。

いつのまにか祭壇状になるもの、最初から祭壇として作るもの

 こうしたおたく的祭壇には、いくつかのバリエーションがあります。

 まず第一に、グッズ類を集めて飾っているうちに数が増え収拾がつかなくなり、結果的に祭壇状 (ひな壇状) になるものがあります。 第二には、何かの目的や意図があって最初から祭壇状のものとして計画され一気に作られ、しばしば期間 限定 となる祭壇があります。 それぞれの特長を、以下にまとめてみましょう。

自然発生的に作られ、結果的に祭壇状 (ひな壇状) になるもの

 第一のパターンについては、その作品やキャラの ファン が自宅や自室にグッズを集めて自然発生的にそうなるケースと、作品やキャラにゆかりのある地域や施設、いわゆる 聖地や舞台 にファンがグッズを持ち寄って、徐々に形づくられるものの2種類があります。

常設祭壇が発展して博物館状態になったケース
常設祭壇が発展して博物館状態になったケース
アニメ 「ガールズ&パンツァー」 舞台となる大洗駅の構内
ファンの持ち寄った品の他、公式アイテムなども

 一般的にこうしたケースで作られるものは、長期間、あるいは常設の祭壇であり、また規模が徐々に大きくなるのが特徴でしょうか。 自然発生的なものなので時間を経るにつれ成長・膨張し、作った本人も手が付けられないほど カオス の度合いが高まりがちなのも、こうした祭壇が持つ傾向のひとつでしょう。

 もちろん展示物の定期的なレイアウト変更や展示物の取捨択一など、折々のメンテナンスも随時行われることがあります (例えばキャラの誕生日やクリスマスが来たら、一時的にケーキやクリスマス風の飾り付けが追加されたり、それっぽいレイアウトに模様替えして改められるなど)。

 なお聖地にファンがグッズを持ち寄って形作られる祭壇は、いわゆる聖地巡礼ブームの盛り上がりと共に、規模が拡大する一方となっており、とても祭壇とは呼べない程の大規模になったものもあります。 その場合は展示室とか 博物館 になっているようなケースもあります。 また作品や聖地となる舞台が盛り上がるにつれ、こうした場には作品に直接関わった人たち (アニメスタッフや声優さんなど) が訪れることもあり、そうした人たちが持ち寄った 公式 グッズや非公式でも本物の物品が展示される場合もあります。

目的や意図があり、最初から祭壇状のものとして作られる祭壇

 第二のパターンについては、そのキャラの誕生日だったり、作品やキャラに関する何らかの イベント があった時に、個人が趣味として自宅で作ったり (ネタ として作成し、写真を撮ってネットに うp したりします)、あるいはアニメショップやゲームセンターなどが、話題作りや訪れるファンやお客さんのためにつくるものの2種類があります。

 こうした祭壇は最初から完成した状態で作成され登場し、ほぼ原形をとどめたまま数日あるいは数週間程度で撤去されますが、商業施設などに作られたものでは寄せ書きコーナー等を併設するなどして、祭壇の付帯設備こみで若干の成長をするケースもあります。 こちらはしばしば短期間限定の、臨時的な祭壇となるでしょう (期間限定のつもりが、好評につきそのまま常設になるケースや、特別なイベント時期だけ第一のパターンと複合する場合などもあります)。

 いずれも 一般人 が見たら、なかなかのインパクトがあるものですが、これがさらにエスカレートして部屋全体、あるいは外にはみ出す場合もあり、その場合、エスカレートの度合いによって ブレナン神父症候群 とか博物館になったりもします。

おたくネタで祭壇というと…

個人が誕生日に作った祭壇の例
個人が誕生日に作った祭壇の例
アニメ 「ラブライブ!サンシャイン!!」 津島善子の
生誕祭にファンが自宅でお祝いするために

 ファンが自宅や自室に個人的に作る祭壇は、アニメやゲームのそれが登場する以前からも見られ歴史も古いものです。 前述した特撮やスーパーロボット関係がそうですが、見た目もいかにも祭壇やひな祭りのひな飾りっぽくなるため、普通に祭壇やひな壇、あるいは仏壇などと呼ばれていました。 ウルトラ怪獣のソフビ人形などをズラリと何十体も並べているケースでは、とくに 「三十三間堂」 とか 「曼荼羅」 などと呼んでいました。

 当時の 筆者 の身近な例では、1995年に阪神・淡路大震災が起こったとき、関西や中京圏に住む サークル の仲間の家も激しく揺れ、幸い大きな被災はなかったものの、部屋に並べたフィギュアが雪崩・土砂崩れを起こしてしまい、まだ パソ通 の時代でしたが 「祭壇崩壊」 としてちょっとした話題になってました。

 一方で広く公共の場で、大規模な形でキャラクターを中心に作られたもので後年語り草となっているものもあります。 代表的なものでは、1970年3月24日に行われた人気 マンガ 「あしたのジョー」 の登場キャラクター、力石徹の告別式 (葬式) の祭壇が良く知られています。

 架空のキャラの祭壇が作られたお葬式関係では、アニメ 「機動戦士ガンダム」 のガルマ・ザビ、「六神合体ゴッドマーズ」 のマーグ、「北斗の拳」 のラオウなども知られていますが、いずれもファンが数多く訪れ、大がかりな祭壇には献花など様々な供物が捧げられています。 これらはファンらの呼びかけが発端となって行われたり、原作者や出版社、企業などがプロモーションの一環として行ったものですが、架空のキャラであっても実在人物のように誕生日や死去を盛大に扱うことを広める契機となりました。

 話題となったキャラ葬によっては、例えば2007年4月18日に営まれた「北斗の拳」 ラオウの葬儀の際にメディアの取材を受けた女性のコメントのように話題が話題を呼び、派生的な ネットスラング (ラオウを知らない女性 「私 ぶっちゃけ今日 ノリ で来たんで」) まで生まれています。

 また店舗のディスプレイでは、著名な作家やアーティストが亡くなると、追悼特需を見込んで売り場に店頭POPとして設けられた祭壇が登場し、俗に 追悼商法・故人商法 などとも揶揄されますが、その作家やアーティストゆかりの作品の特売コーナーが設置されていました。

 現在ではおたく・腐女子関連の商業施設の祭壇といえば、キャラの誕生日や作品の○周年記念、続編や映画の制作発表を記念して行われるものが大半で、お葬式関係はあまり見かけなくなりましたが、ともあれ神様にせよ故人にせよ架空のキャラにせよ、「いま現在、当人は存在しない存在」 を崇め、人々が集う点は変わらないのでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2010年11月21日)
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