同人用語の基礎知識

死体蹴り

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決着がついた後にも無慈悲な追撃 「死体蹴り」

 「死体蹴り」 とは、格闘ゲームの世界において、既に勝負が着き負けた対戦相手が倒れて動けない状態なのにもかかわらず、勝利 した側がさらに攻撃を加える、あるいは加えようとすることです。 転じて ネット の世界では、スポーツ中継の中で勝敗が決した後の追加点などを指したり、既に負けたり謝罪したり抵抗の意思を持たない相手にさらに批判や反論などの追撃を行ったりすることをこう呼ぶこともあります (後述します)。 なお殴れる場合は 「死体殴り」、格ゲーではなく銃で撃ち合うような FPS の場合は、類似行為を 「死体撃ち」 と呼びます。

 一般的に格闘ゲームなどの対戦型の ゲーム は、勝敗が決まると 「K.O.」 といった文字とともに勝敗演出が入り、勝利側の キャラ が勝ちポーズを取るなどしてプレイヤーの操作ができなくなります。 しかし一部のゲームでは勝ちポーズのキャンセルができたり、キャラの横移動だけはできたりします。 その結果、勝った側が負けた側を挑発し 煽る ためになお攻撃を加えたり加えようとしたり、倒れた敵に向かって進んで相手を押す行為なども行われることに。 負けた側のキャラはダウンしているため結果的に蹴ったり踏みつけるような形となり、死屍に鞭打つ行為にも喩えられつつ 「死体蹴り」 と呼ばれるようになりました。

 なお似たような 概念 に 「オーバーキル」 があります。 こちらは過剰な攻撃という意味で、例えば対戦相手の残り HP がごくわずかなのに不必要なほどの大技をかけて倒すとか、とどめを何度も刺すような、ある種の弱い者いじめ的な状況で使われ、ニュアンス はだいぶ異なりますが同じ意味で使っている人もいます。 また一方的過ぎる展開とその後の追撃行為を ネタ として止めるセリフに 「もうやめて、○○のライフはゼロよ」 などもあります。 こちらも本気で止めるつもりはなく、負けた側への煽りとなります。

一般的にはマナー違反だとして避けられる死体蹴り

 対戦相手に対して礼儀がないとして嫌われがちな行為であることから、死体蹴りは一般にマナー違反だとされます。 ネット対戦ならともかく、友人と家で遊んだり、対戦相手の顔が見える状態でのゲーセンでの対戦では、最悪ケンカが生じることだってあるでしょう。 ゲームの格闘から口論が始まり、その後リアルファイトで再バトルなどは、一昔前のゲーセンではしばしば目にする光景でした (まぁ 治安 の悪い時代・地域だけの話でしょうが)。

 ただし勝ち側に悪意がなく、発動時間が長い複雑な攻撃やコンボ技を繰り出し、途中で相手の HP がなくなって勝負がつきながらもシステム的に技を解除できなかっただけなのにもかかわらず、負けた側が腹立ちまぎれに死体蹴りだと非難したり、単なる被害妄想な場合もあります。

煽り煽られはゲームの華との意見も

 ゲームはあくまで楽しむためのものなので、ことさらに勝ち負けだけを気にしたり、相手を煽ったり挑発するのはどうかという 雰囲気 もありますが、一方で、煽り煽られもゲームの楽しみのうちだとし、死体蹴りや煽り行為を肯定や推奨まではしないものの、それも含めて遊びだとして割り切るプレイヤーもいます。 どうせ禁止してもやる人はやるし、だったらいっそ楽しもうという訳です。

 そうしたプレイヤーの中には、死体蹴りや煽りをするプレイヤー (おおむね子供 (厨房KIDS) や幼稚な大人が多い) とマッチングされると、あえて最初はそれと分からないように手加減して相手を有頂天にさせ、その後本気を出してコテンパンに打ち負かして成敗する…みたいなプレイスタイルの人もいます。

 とりわけ オンライン の対戦型ゲームにおけるボイチャ (ボイスチャット) での罵詈雑言 (へたくそ、弱っちい、カス雑魚クソ 雑魚ナメクジ など) や、煽りの最高峰とも呼ばれる屈伸煽り (負けたキャラのそばで自分のキャラに屈伸運動や無意味な動きをさせ、自キャラの下半身を相手の顔に繰り返し押し付けたりする) は、死体蹴りと並んで良くも悪くも煽り行為の花形です。 これに怒り心頭に発して暴言を吐くのもあれですが、軽やかな成敗ができるとむしろストレス解消になるというプレイヤーも少なくないかも知れません。

 このあたりは治安の悪い時代や地域を経験しているか、あるいは無法地帯みたいな場合も多かった一昔前の海外産ネトゲにおける PK (プレイヤーキラー/ Player Killer) や悪質な チート初心者狩り などの洗礼を浴びた人とそうでない人との温度差もありますね。 みんな仲良くお手々つないでみたいなお行儀の良さを、ゲームの中でとは云え殴り合って勝敗を決める遊びに持ち込んでどうするんだ、そもそも持ち込めるのか? みたいな。 一部のゲーム配信 (実況) などでは、格下相手への 舐めプ や負けた側の叫んだり キレ 散らかすプレイヤーの暴言もひっくるめて視聴者側も楽しんでいる部分がありますし、気の利いた煽りやウィットに富んだ罵詈雑言 (キレ芸) で賞賛を受けるプレイヤーだっています。

 PK も一般には忌み嫌われる行為でしたが (筆者 も大嫌いですw)、そういうのが好きな人もいますし、死体蹴り同様、殺伐 とした空気の中でスリルを楽しむ割り切った遊びが好きだという人はわりと多い印象です。 「てめえふざけんなよ、死ね! じゃあまた明日」「お前こそ死ね!カス! おうまたな」 みたいな 世界観 はリアル社会ではまずできない非日常のものであり、メンタルの強さによっては居心地がいいかもしれません。 筆者にはとても無理ですが、怖いもの見たさというか、ちょっとだけ憧れる部分もあります。 ちょっとだけ。

勝敗のあるスポーツの試合でも使われるように

 スポーツ観戦の世界では、おもに 掲示板 などでの 書き込み を通じて、一方の大量リードによってすでに勝敗が決した段階でさらにリード側が追加点を上げたり、野球などで追加点に意味がない状況でのみやたらとヒット数や打点を荒稼ぎする選手やその状況を死体蹴りとか熱い死体蹴りと呼ぶことがあります。

 またこうして得た勝敗に貢献しないヒットや打点は単にその選手個人の記録や成績だけのものとし、帳尻合わせや単に帳尻と呼ぶこともあります。 これは対戦相手が好調な時には打てない選手だという嘲りのニュアンスもあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2014年8月1日)
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