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ハメ撮り

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臨場感があって根強い人気 「ハメ撮り」

 「ハメ撮り」 とは、ハメながら撮ること、すなわちセックスをしながらその様子をカメラで撮影することです。 もっぱらビデオカメラによる動画に対して使われることが多く、また男女の性行為においては男性が撮影し、被写体は相手の女性であることが多いでしょう。 単に性行為の様子を撮影したものではなく、あくまで行為中の男性本人がカメラを構え、結果的に一人称視点となって視聴者に行為者と同じ 目線 の映像を与え 共有 できる点が大きな特徴です。

 この種のものは、マニア・成人向け投稿 を中心としたアダルト雑誌 (投稿誌) の読者コーナーにそのルーツを見ることができます。 また一部の前衛的な写真家などが、妻や恋人、愛人などとの性行為を撮影し作品として発表するといったケースもあります。 日本においては写真家の荒木経惟さんが妻である荒木陽子さんとの新婚旅行を赤裸々に撮影し作品とした 「センチメンタルな旅」(1971年) が知られています。

 さらに ビデオ が一般家庭にも普及し、AV (アダルトビデオ) が広まると、AV の世界で一般の撮影方法 (男優と女優が絡んでいる様子を第三者のカメラマンが撮影する) とは異なる 「行為者目線による臨場感のある映像表現」「観る者が自分の行為のように感じられる表現」 を目指すものなども登場します。 これらとは別にブラックパックと呼ばれる非正規流通に乗る裏モノ AV などにも、投稿誌のそれと同様、街中で ナンパ した女性とセックスして撮影したもの (ゴンゾポルノ) の他、「実際のレイプを撮影した」 みたいなものが (真偽不明)、いくつか存在していました。

 その後ハメ撮りによる動画撮影は一般向け (民生用) ビデオカメラの普及や低価格化・小型化、性能の向上などにより、一般人 の間でも行われるようになります。 現在はもっぱら 「素人 によるセックス実録映像」「セックスドキュメンタリー」「インディーズ AV」 の ニュアンス が強い言葉だと云って良いでしょう。 ハメ撮りという言葉も、1980年代末あたりにおおむねこちらから生じたか、少なくとも広まった直接的な発端はこちらからでしょう。 ちなみに1989年に 「パスポートサイズ」 というキャッチフレーズで販売された SONY のビデオカメラ 「ハンディカム55」(CCD-TR55) のデビューは衝撃的でした。 小さいし性能や機能も当時としては必要十分かつ画期的で価格も手ごろ (16万円)。 当時 筆者 も購入して使いましたが、ほんといいカメラでした。

 創作物の世界では、ハメ撮りは 作中撮影 のひとつとしてよく見られ、とくに1990年代に小型のビデオカメラが普及し当たり前になったり、2000年代に入ってカメラ付き携帯電話による 写メ やスマートフォンの登場により、かなりポピュラーなものともなっています。 この場合、マンガイラスト であれば、画面の隅に録画中をあらわす ●REC 表示や録画時間表示である タイムライン の描写が合わせて行われることもあります。

画面は揺れるし薄暗いし、女の子の容姿も…でもそれがいい?

 実際のハメ撮り映像は、性行為の最中の撮影のために手振れや体の動きに合わせた画角の移動などがあり、見苦しいものが多いです。 また多くの一般向けビデオカメラのレンズは広角側に弱いため (狭い範囲しか画面に収まらない) 性行為中の距離感では女性の顔からせいぜい胸あたりまでしか画面に入らず、挿入している下半身を無理やり画面に納めようとカメラを上に向けたり下に向けたりを繰り返す単調な動きが延々続いたりもします。 オートフォーカスも上手く作動せず、ポンボケやピント迷いをひたすら繰り返すことも多いでしょう。

 加えて照明が部屋の天井にあるため正常位なら女性に覆いかぶさる男性の影が女性に被さり、騎乗位 (男性が寝そべり女性がその上に乗る体位) の場合はカメラから見て女性が逆光になってしまい、かなり見にくい映像になりがちでしょう。 背後位ならいい感じですが、それではせっかくの女性の アヘ顔アクメ顔 は写りません。 そもそもひと昔前のビデオカメラは暗所撮影が極めて苦手で、薄暗いラブホテルの室内では色ノリがしない上にノイズが乗り、解像度 やコントラストもろくに上がらずじまいでした。 さらに 編集 (ただし最低限で、無編集も多い) を経てダビング (複製のための再録画) を繰り返すのですから、画質は最悪です。

 また素人撮影による素人女性の映像の場合、女性自身の容姿がさして優れているわけでもないことが多いため、シチュエーション 重視のおおむねマニア向けとされる内容になることが多いでしょう。 「AV 女優でもない一般女性がこんなことをしている」「その姿を撮影されてる」「これはいかん、いかんですよ」 に興奮するわけです。 とはいえ、これら 「見にくい映像」「平均かそれ以下の容姿の女性」 の映像に強いリアリティや背徳感を覚える人は少なくなく、画質の悪さが本物感を出したり、想像力を刺激する部分もあるでしょう。 後には素人のハメ撮り風の作品をプロの AV 制作会社が作るなど、ハメ撮りという言葉の広がりと共に、大きな存在感を持つようにもなっています。

 なお無許可の撮影の場合は隠し撮りや 盗撮 となりますし、その場合もハメ撮りと呼ぶケースはあったものの、行為者がカメラを手に持って撮影した映像とは臨場感がまるで違い、あまり広まることはなかったようです。 またハメ撮りや直接的な性行為ではないものの、パンチラ などを狙って盗撮する場合は、当時は主にアクションカメラと呼ぶことが多かったでしょう。

ハメ撮りの代名詞といえば 「援交もの」

 ハメ撮りの存在感を強烈にアピールした映像類に、いわゆる 援助交際 (援交) を扱った 「援交もの」 があります。 一般人が性行為の撮影を許可する女性を探すのは至難のわざですが、援交であれば比較的 「話を切り出しやすい」「お金である程度交渉できる」 余地があるからでしょう。 ネット の時代となりそのような撮影に対する注意喚起も行われていますが、援交前や初期の頃にはネットが普及しておらず流出の心配も 身バレ の危険もさほどなかったため、比較的 同意 を得やすかったとの話もあります。

 不特定多数に写真が見られてしまうという点では、前述した投稿誌の存在があり、一部ではとても人気のある コンテンツ ともなっていましたが、よほどのことがない限り被写体となった女性の顔にはモザイクや顔隠しのための目線がつけられており、身バレや 顔バレ特定 を防ぐ一定の対策が講じられていました (あと誌面を埋めるためのあからさまなヤラセも結構多かった)。

 援交物のハメ撮りがとくに話題になったのは、一部に JK (女子高生) など未成年者を相手にしたものがあったため、いわゆる正規流通に乗るような AV には原則存在しない 児童ポルノ・裏モノ・禁忌物として一定の 需要 があったこと、児ポ法 の絡みで度々話題になったこと、さらに同法での摘発が相次ぎ報道されるなど社会的にも非常にインパクトのあるものだったからでしょう。 援交ビデオの多くが 顔出し であり、ネットでも 晒され たり 拡散 され、被写体となった女性たちのその後はあまり想像したくありません。

 いずれにせよ、援交物の多くが素人制作による行為者兼撮影者と相手の女性2人だけという 「撮影スタッフがおらずハメ撮りしか実質撮影方法がない」 こともあり、ハメ撮りと援交のイメージが、容易に一体化がされる状況だったと云えます (ものによっては三脚を立て照明にも気を使ったものもありましたが、正規 AV と素人ハメ撮りの間の中途半端な感は否めず、よほど相手の女性が美人でもないかぎり、あまり人気もなかったようです)。

 援交もの以外では、恋人同士が同意の元、性行為のバリエーションとして私的に撮影するといったケースがあります。 これらは通常当事者間でのみ共有され世の中には出ないものですが、ファイル共有ソフト 利用による 暴露ウイルス で意図せずにネットに流出したり、一方が悪意を持って意図的にネットに流す (リベンジポルノ) などで、出てくることもあります。 これらは一部のアングラ系の 掲示板アップロード の情報が共有されたり、動画サイト などに 投稿・転載されてネットの海に残り、主に被写体となった女性に深刻な精神的・社会的 ダメージ を与える結果となることもあります。

風俗店や無店舗型風俗サービスにおける撮影

 性風俗店やデリヘルといった無店舗型風俗サービスでは、客による写真や動画の撮影をオプションのサービスとして行っている場合があります。 料金は地域や時代、店によって様々ですが、着衣状態での写真撮影で別途 2,000〜3,000円程度、裸体やそれ以上の場合は5,000円以上程度、動画撮影で10,000〜15,000円程度といった価格感でしょうか (本番行為は禁止なので、あくまでハメ撮り風)。

 お店でオプションがあっても嬢 (キャスト) が個人的に NG としている場合もあります。 またそれなりのカメラや三脚と云った機材を自前で持ち込めたり、お店にそれらがある程度用意されている場合もあれば、携帯電話やスマホでのみ撮影可といった場合もあります。 顔出しや裸体、局部やプレイ中の撮影のあるなしで料金が異なる場合もあります。 写真なら枚数に、動画なら時間に制限があったり、時間内で撮り放題となるサービスを持つお店もあります。

 これらはあくまで個人的に撮影し個人的に楽しむためのものなので、ネットに流したり友人らと共有するなどはご法度です。 一般にかなり強い禁忌であり、万が一の場合に備え、身分証明書 の提示を求められるケースが多いでしょう。 もし意図的であれ事故であれ流出でもしたら、出禁 や実名捺印の謝罪文の提出などはもちろん、高額の罰金や別途慰謝料の請求などそれなりの制裁が課せられることもあります。

 また無断撮影や盗み撮りの類は、発覚したらただでは済まないと考えて良いでしょう。 とくにデリヘルなどは、嬢が身バレなどに神経質になっているケースは少なくなく、とりわけ客の自宅などに訪問する場合は、室内をかなり入念にチェックするとの話もあります。 たとえ未遂であっても撮影しようとしたことがバレたら罰金 (最低でも20万円とか30万円とか) や謝罪文で済めば御の字みたいな部分もありますので、間違ってもやってみようなどとは思わないようにしましょう。

 そもそも撮影などは女性にとってはかなりリスクの高い行為であり、オプションとして許可してくれているのなら、それを裏切るようなことはするべきではないでしょう。 許可してないならただの盗撮で性犯罪で警察に通報です。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年2月21日/ 項目を分離しました)
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