同人用語の基礎知識

ナレ死

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重要な人物なのに…「ナレ死」

 「ナレ死」 とは、「ナレーション死」 のことです。 ドラマや アニメ などで、比較的重要な登場人物・キャラ でありながら、死亡フラグ で盛り上げたり死ぬ様子がドラマチックに描かれることはなく、単に死んだと簡単なナレーションで語られて出番が終わってしまうような状態を指す言葉です。

 概念 としては昔から存在するもので、とりわけ群像劇や大河ドラマなど膨大な登場人物がいて、またその多くが死んでしまうような戦争や戦乱を描いた作品においては、しばしば 「あの歴史上重要な人物の死がナレーションで触れられるだけ?」「物語上あまり 絡ま ないとはいえ、後の消息すら紹介されず無視されてる」 ような状態を指して、同じような言い回しがされるケースもありました。

 ただし 「ナレ死」 というキャッチーな言い回しや2016年以降の概念の広がりについては、同年1月末からNHKで制作・放映された大河ドラマ 「真田丸」 の視聴者・ファン からだと云って良いでしょう。

メリハリのあるシナリオで大人気となった 「真田丸」

 大河ドラマ 「真田丸」 はドラマファンの評価が高い三谷幸喜さん脚本で、真田信繁 (幸村) 役として人気俳優である堺雅人さんが主演を務めるなど、前評判が非常に高い作品となっていました。 また同じNHKの新大型時代劇 「真田太平記」(1985年) で幸村役を演じた草刈正雄さんが30年の時を経て真田昌幸役に、真田信之役に大泉洋さんなど、一般的な話題性があるだけでなく、いわゆる ネット民 からも強い期待を集めた作品でした。 視聴率も上々で、掲示板ツイッター での 実況 が盛り上がる、放送終了後は喪失感をあらわす ロス が流行語になるなど、大きな話題となっていました。

 一方で、戦国時代を舞台としたドラマでは大きく取り上げられる本能寺の変や関ヶ原の戦いなどは真田家が直接関わっていないためバッサリと削られ、織田信長の死ですらナレーションで触れて終わりとなっており、そのメリハリのある物語が評価される一方、ネタ として 「ナレ死」 という言葉が使われるようになりました。 これは大河ドラマにありがちな、本来何の関係もないのに歴史的事件に主人公が関わっていたかのようなご都合主義展開がされがちな脚本 (主人公補正) がしばしばあるので、それへの意趣返しも人によってはあるのかも知れません。

 ちなみに同じ大河ドラマで名作と名高い 「葵 徳川三代」(2000年) においても、何しろ秀吉没後から徳川家康の天下取り、秀忠・家光の将軍三代にもわたる長大な物語であるため膨大な登場人物が出演し、主人公 の家康や秀忠、その妻お江といった徳川家の重要人物、豊臣秀頼やその母 淀殿、石田三成などの死こそ別格扱いだったものの、その他の大名や重臣の死はしばしば扱いが小さくなっていました。

 このドラマでは番組冒頭や劇中に、中村梅雀さん演じる徳川光圀による解説コーナーやナレーションが入りましたが、そこでのみ死が触れられた登場人物が大半となり、またしばしば何人かまとめて紹介する状態となっており、あたかも報道番組における訃報・死亡確認 のフラッシュニュースのような状態となっていました。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2017年1月18日)
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