数学やプログラム、ゲームの世界で使われる 「パラメータ」
「パラメータ」(Parameter) とは、数学における媒介変数 (主たる変数もしくは関数に対し、補助的に使われる変数)、もしくはアプリケーションソフトウェアにおける引数 (プログラミングにおいて、サブルーチンを呼び出し実行する際に外部から手渡す設定値と、その手渡された値を変数として扱えるようにしたもの、利用者が任意に 設定 する数値)、および電子機器の動作を制御するために設定する値などのことです。 略して 「パラメ」 とも呼びます。
パラメータというと、単純に 「数値」 が思い浮かべられますが、コンピュータプログラムでは扱う設定値、情報の全てがパラメータであり、例えば利用者の名前 (アカウント名) やパソコンの名前、場所の設定や命令 (コマンド) によって実行するファイルの指定、実行方法の種類なども、パラメータとなります。 ただしプログラムの根幹部分ではなく、あくまで周辺部分の設定値に対して使われます。
おたく や 同人 の世界では、後者のプログラム言語や電子機器制御におけるパラメータの使い方が話題となることが多く、コンピュータプログラマなどが頻繁に使うIT用語のひとつでもあります。 またプログラマ以外の人たちも、プログラムによって作られた ゲーム (コンピュータゲーム) の キャラクター や ユニット の 能力値、ステータス (ステイタス) や スペック の意味で 「パラメータ」 を使う場合もあります。
攻撃力、防御力、機動力、ヒットポイント…たくさんある能力値
プログラムやゲームによって、パラメータには色々な種類や呼び方があります。 ゲームに関しては 攻撃力 とか 防御力、ヒットポイント (HP)、機動力、知力、統率力、命中率、運 などが代表的でしょうか。 これらの数値は、そのキャラクターやユニットが何らかの行動を起こし、攻撃をするなり防御をするなりした時に、それがどのような結果をもたらすかの判定 (行為判定) を行い結果を出すための設定値となります。
ゲームにおいては、「パラメータが高い」 とはそのキャラや ユニット の能力が高いことを意味し、例えば攻撃力の数値 (パラメータ) が高ければ、攻撃で相手に対して大きな ダメージ を与えられることを意味します。
こうしたパラメータ、能力値は、ゲームの 「ステータス画面」 などで プレイヤー が確認することができますが、ゲームによっては意外性を演出するため、プレイヤーが確認できない隠れたパラメータを持っている場合もあります。 この場合は、隠しパラメータ などと呼びます。
ゲーム以外の場所でも使われる 「パラメータ」
転じて、ゲーム以外のリアルな人間関係においても、特定の ジャンル に優れた能力を持つ人物に対して、「あいつはパラメータが高い」 などと表す場合もあります。 使いどころは 「高スペック」 などとほぼ同じです。
またパラメータの設定において、プレイヤーが任意に数値を割り振れる (ボーナスポイントがある) 場合などに、全振り を使う場合もありますが、これが転じて、例えば頭はあまり良くないけれど体力だけは有り余っている人間に対して、あいつは体力に全振りしてる、なんて表現する場合もあります。
「パラメータ」 の語源は?
ちなみに 「Parameter」 自体の語源は、パーリ語の 「PāramĪ」(パーラミー)、サンスクリット語の 「pāramitā」(パーラミター)、中国語の 「波羅蜜」(はらみつ)「波羅蜜多」(はらみた) で、仏教における 「菩薩の実践すべき徳目」 を表す言葉からというのがひとつの説として知られています。 菩薩とは、成仏を求める修行者の事で、成仏すると如来 (釈迦のもつ功徳相のひとつ) に成ります。
直接的な言葉の意味としては、宗教的な 解釈 としては、「彼岸」(煩悩を脱した悟りの境地)を表す 「pāram」 と、「至った」 を表す 「ita」 とが一体化した言葉で、すなわち 「彼岸に至った」 という意味になります。 「徳目」 を実践することで、悟りの境地に至るという訳ですね。
「般若経」 では 「般若波羅蜜」(般若波羅蜜多) ほかで全6種類 (六波羅蜜/ 六度)、「華厳経」 ではこれに4種を加えて全10種 (十波羅蜜) を、菩薩が実践すべき基本的な徳目としています。 実際の徳目は、基本6徳目の場合、「布施」「持戒」「忍辱」「精進」「禅定」「智慧」 となります。 何やらゲームのキャラクターの能力パラメータの一覧みたいな感じです。
この説はとても ロマン がありますが、実際はパラメータ自体ヨーロッパで生まれた言葉であり、ギリシア語で 「傍ら」「尺度」 を意味するそれぞれの語句を組み合わせて作られた言葉のようです。 このほかにもいくつか説はあり、お読みくださった方からご指摘や情報をいただきまして興味深く拝見いたしましたが、様々な説がトリビアとして語られるくらい 概念 として面白い言葉なのかもしれませんね。
筆者 は特定の宗教には帰依していませんが (自宅には商売をしていた親の代から引き継いだ神棚、親の墓所は近所だから選んだ仏式墓地、結婚 などの慶事はキリスト式と、ある意味平均的な日本人っぽい感じです)、神話や伝承、伝統的宗教、他文化の言葉などは、調べると興味がつきませんね。
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