同人用語の基礎知識

イシマタラ

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日本人はキム・ヨナ悪魔仮面の応援を謝罪しろ! 「イシマタラ」

「日本最低!「旭日旗」に「キム・ヨナの悪魔の仮面」など、度の過ぎた日本人サポーターに韓国ネチズン怒り」 韓国 MY STAR (2011年1月26日)
「日本最低!「旭日旗」に「キム・ヨナの
悪魔の仮面」など、度の過ぎた
日本人サポーターに韓国ネチズン怒り」
韓国 MY STAR (2011年1月26日)

 「イシマタラ」 とは、日本の伝統遊戯とされる謎の風習のひとつで、自分の嫌いな人や悪党の仮面を作って自らそれをかぶり、その状態で複数人で 呪い 罵り合うことで、正しい人になれるとされています。

 2011年1月の、いわゆるキム・ヨナ選手の 悪魔仮面 を巡る韓国側のメディア報道で登場した言葉で、この事件を報じ日本で話題となった韓国の 「江原日報」 の記事 「韓日戦後日の暴風」 の日本語訳から、「イシマタラ」(イシマタ/ ISHIMATARA) と呼ばれています。

 これは記事中の 「キム・ヨナ選手の悪魔仮面は、日本の伝統的な遊び、「イシマタラ」 のマネだった」(2011年1月27日) から来ていますが、韓国メディアでは、他に京仁新聞も26日に報道しています。

 生粋の日本人も知らない謎の伝統遊戯 「イシマタラ」(イシタマラ、イマシタラ などの誤記も) は ネット でも、その後大きな話題となりました (後述します)。 さらに半年以上も経過した9月末になり、韓国側の東日本大震災を揶揄する横断幕問題でこの話題が再燃。 再び注目を集めることに (このページ最後に説明があります)。


<アジア杯>韓日戦、「キム・ヨナ悪魔仮面」「旭日旗」に非難集中
<アジア杯>韓日戦、「キム・ヨナ悪魔仮面」
「旭日旗」に非難集中 (中央日報 日本語版)
猿セレモニーを批判するしかない理由
「猿セレモニーを批判するしかない理由」
日本人サポーターの無礼で卑劣な心理戦に
エリートが負けた (デイリアン/ 1月26日)
非礼な旗とキム・ヨナ悪魔仮面、試合は負けたが、応援のマナーは韓国が圧勝 (SBS/ 1月26日)
「非礼な旗とキム・ヨナ悪魔仮面、試合は
負けたが、応援のマナーは韓国が圧勝」
(SBS/ 1月26日)
キム・ヨナ悪魔仮面、韓国ネチズンの作品を日本人が盗用、商業的利用に憤慨 (アジアトゥデイ/ 2011年1月26日)
キム・ヨナ悪魔仮面、韓国ネチズンの作品を
日本人が盗用、商業的 利用に憤慨
(アジアトゥデイ/ 1月26日)
ネチズンたちが力を合わせて2ちゃんねるを攻撃しよう
「ネチズンたちが力を合わせて2ちゃんねるを
攻撃しよう」 と訴える延坪島北傀ギャラリーの
呼びかけを報じる韓国ニューディリー
キムヨナ悪魔仮面は日本の伝統的な遊び 「イシマタラ」 の真似
韓日戦後日の暴風
キムヨナ悪魔仮面は日本の伝統的な遊び
「イシマタラ」 の真似 (江原日報/ 1月27日)

「イシマタラ」 捏造写真を使った反日事件に元ネタが…

 「イシマタラ」 の 元ネタ ですが、中東のカタールで開催された 2011年サッカーアジア大会 (AFCアジアカップ2011) の試合にあります。

 2011年1月25日に大会の準決勝として行われた 日本 vs 韓国 では、日本人サポーターらが応援のため被っていたとする韓国のフィギュアスケート選手、キム・ヨナ選手の顔写真を使ったお面 (頭に赤い悪魔のような角がついた仮面) が写真としてネットに登場。

 これを見た韓国のサッカー ファン やネット利用者らは激怒。 「日本人はキム・ヨナ悪魔仮面の応援を謝罪しろ!」「われわれも浅田真央の悪魔仮面を作る!」 と大騒ぎし、それが韓国メディア、その後中国や日本のメディアでも報じられたことにより広まりました。 その際、「この悪魔仮面は日本の伝統的な遊び、「イシマタラ」 からきている」 との説明がされたのでした。

 ただしこの 「元ネタ」 は、韓国人側の 「捏造」、もしくは 「勘違い」 であり、日本側に悪意もなければ、この大会でこの仮面を被って侮辱していたという事実も一切ありませんでした (後述します)。

 しかし日本側メディアがこの騒動を1月26日〜27日になって報じる際、この仮面には直接的に触れなかったものの、旭日旗を巡り捏造写真まで使って日本側を一方的に悪者にして報道したことなどもあり、大きなネットでの 祭り に発展。

 あわせて 「イシマタラ」「悪魔仮面」 が、ある種の ネットスラング としても広まることになりました。 なおこの事件を、同地で1993年10月28日に起こった、いわゆる 「ドーハの悲劇」 をもじって、「ドーハの喜劇」 と呼ぶ場合もあります。

キ・ソンヨン選手の 「猿マネ」 セレモニー事件と、その擁護

 この騒動のそもそもの発端は、日本と韓国が準決勝で激突した試合中に韓国のMF、キ・ソンヨン (奇誠庸) 選手が、前半23分、PK得点後にテレビカメラに向かって猿の真似 (鼻の下を伸ばし頬を膨らませ、左手で顔をかくような猿の動作の真似) をしたことでした。

 韓国では日本人を差別、侮辱する際に 「日本猿」(倭猿) を使うことがあり、これのアピールだったのでしょうが、この様子は日韓ともに白熱した甲乙付けがたい素晴らしい試合内容だったこと、その後日本がPK戦で韓国を3−0で下していたこともあり、韓国国内からも 「恥ずかしい真似はするな」 と、常識的な反応から強く批判されていました。

 ところがその後、韓国のネット上に、「日本人サポーターがキム・ヨナ選手に角を生やした悪魔のような仮面を作ってバカにしていた」「旭日旗をかざしていた」 との意見が、写真付きで登場。 キ・ソンヨン選手の目にこれら日本人サポーターの 「非礼な応援道具」 が入ったから、憤ってあのような態度に出たのではないかとの意見が広まることに。

 その後は、「キ・ソンヨンよくやった」「日本人はキ・ソンヨンの非礼を批判する前に、キム・ヨナ悪魔仮面の応援を謝罪しろ!」「われわれも浅田真央の悪魔仮面を作る!」「そもそも韓国が負けたPK判定も誤審だ!」 と一部のファンが激昂。

 キ・ソンヨン選手に批判的な立場だった韓国マスコミも、「日本人サポーターが相手選手にプレッシャーを与えるために悪魔仮面や旭日旗を掲げるのは想定の範囲内で、その心理戦にキ・ソンヨン選手は負けたのだ」 と悪魔仮面や旭日旗を前提にしたものに変化。 さらに一部ネット利用者らが 「日本の建国記念日の2月11日にあわせ、サイバー戦争 (F5アタック) を仕掛けよう」 などの呼びかけが行われるなど、大きな騒ぎとなりました。

 これらの様子は韓国の各種メディアでも報じられ、日本でも1月27日の中央日報の日本語版により 「<アジア杯>韓日戦、「キム・ヨナ悪魔仮面」「旭日旗」に非難集中」 として紹介。

 さらに中国系メディアによる報道が続き、日本のテレビ朝日系 「ワイド!スクランブル」 の報道、「激闘の日韓戦で侮辱行為か? 韓国選手 "サルまね" で波紋 韓国でも批判の声」 で、旭日旗に触れる形で27日に紹介。 掲示板2ちゃんねる (2ch) などでもニュース系の板から火がつき、大きな祭りに発展しました。

写真の出所や事実関係が次々に発覚、韓国側の捏造が露呈

日本人サポーターらのキム・ヨナ選手お面を好意的に伝える韓国の NATE NEWS
日本人サポーターらのキム・ヨナ選手お面を
好意的に伝える韓国の NATE NEWS

 ところがその直後、これらが全て捏造であることが発覚。

 韓国メディアなどが報じた日本人サポーターらのキム・ヨナ悪魔仮面をかぶった写真は、実は前年 2010年10月12日に韓国ソウルのワールドカップスタジアムで開催された、日韓親善試合 (国際親善試合) のものでした。

 写真はよくみると、日本人と思われるサポーター (ジャパンブルーのユニフォームを着ている) らが仮面をかぶり太極旗 (韓国国旗) を持って日韓両選手を応援しているもので、この写真は 「スタジアムになぜキム・ヨナが?」 と題し、「競技前に日本のサポーターらがキム・ヨナの仮面を持って現れ、目を引いている」 として10月12日に報じた韓国の NATE NEWS の報道写真 (左図) なのでした。

サムスンの家庭用エアコン ZERO 特設サイト
サムスンの家庭用エアコン ZERO 特設サイト
笑顔で悪魔の角を頭につけるキム・ヨナ選手
笑顔で悪魔の角を頭につけるキム・ヨナ選手
愛らしい姿は日本でも芸能ニュースとして報じられた

 彼らが日本人だったとして、なぜその時にキム・ヨナの悪魔仮面を被っていたのかというと、当時ソウルのスタジアムの売店で、韓国人サポーター向けに人気選手の顔写真を使ったお面が、韓国チームの応援グッズとして一般に販売されていたからです (キム・ヨナ選手以外のサッカー選手のお面などもあり、これをかぶった韓国人サポーターの姿や、実際の売店の様子なども韓国のサッカー ファンサイト に写真の形で見つかっています)。

 ではなぜキム・ヨナ選手に 「悪魔の角」 なのかと云えば、実は2010年6月からしばらくの間、韓国でテレビ放映されて人気となったサムスンの家庭用エアコン HAUZEN ZERO の新しいCMやウェブ広告が元ネタとなっていたからです (右図/ ZERO の宣伝起用はその前から)。

 この新 プロモーション では、架空のニュース番組、「ZERO NEWS」 のテレビキャスターに扮したキム・ヨナ選手が、韓国やギリシャ、アルゼンチン、ナイジェリアの各サポーターのコスチュームを身につけ応援団長に扮した自分自身と、インタビューや 現場 中継を行うといった趣向の演出がされていました。 当時は 「キム・ヨナ選手が1人4役 (5役) 4ヶ国語を制覇」 として、芸能ニュースとしても話題となっていました。

 その冒頭及び最後には、韓国チームサポーターの愛称、「レッドデビルズ」 をイメージして、赤い悪魔の角 (根元に黒いファーつき) を頭につけて登場していました。 つまりこの 「キム・ヨナ悪魔仮面」 は、「赤い悪魔の応援団長」 に扮したキム・ヨナ選手を力強い韓国サポーターとしてイメージし、韓国側が韓国人ファン向けに作った便乗商品なのでした。

日韓友好を願う日本人ファンの写真を悪用

 人気CMに便乗して韓国人が作ったスタジアム販売の応援グッズを、日韓友好のために購入して着用していた日本人サポーター、そしてその姿を取材し、好意的に掲載した韓国メディアの3ヶ月ほど前の報道写真。 これがどうして、韓国人とキム・ヨナ選手を日本人がバカにしていたというニュースとなり、韓国の大手メディアが報道することになったのでしょうか。

 差別的挑発行為を行ったキ・ソンヨン選手を無理に擁護するため、日本側に非があるかのような捏造を行った幼稚な韓国人ネット利用者の冗談、もしくは差別行為を、日韓のマスコミが無批判、無検証で取り上げ大騒ぎした。 虚偽情報の メディアスクラム が暴走した。 韓国の一般サポーターの多くが冷静な反応をしていたこともあり、これが真相だとすると、何ともやり切れない状況でしょう。

 しかもこのお面は2010年10月時点で、日本のその手の情報に詳しい人達の間 (韓国ウォッチャーら) では広く知られていた話だったので、「???」 との反応がすぐに出て、ほとんど瞬間的に捏造が発覚したのもある意味哀れです。

 韓国国内でも28日になって、MT News が 「キム・ヨナ悪魔仮面は韓国内で販売されていた」「サポーターは太極旗を持っており、キム・ヨナ選手のファン、もしくは親韓的な日本人だったのでは」 との報道をスタジアム販売所とそこに並ぶ仮面の写真つきで報じ、論調を変えてきています。 29日には、韓国のネットユーザーの間からも 「おかしい」「イシマタラなる日本の伝統は韓国のマスコミ報道の中にしか存在しないのではないか」 と報道に対する疑問の声が出始め、徐々に真相が広まりつつあります。

Twitter で猿セレモニーを釈明、「旭日旗にカッとなった」

Twitter
キ・ソンヨン選手の Twitter
<アジア杯>奇誠庸が“猿セレモニー”釈明 「旭日旗にカッとなった」
<アジア杯>奇誠庸が“猿セレモニー”釈明
「旭日旗にカッとなった」(2011年1月26日)

 旭日旗については、こうした国際試合の場で掲げること、まして今回のように試合当事国ではなく第三国ではマナー上も何の問題もないのですが (相手国の国旗やそれに準じるシンボルを意図的に毀損して掲げるなどはルール違反でしょうが)、どのような経緯でキム・ヨナ選手悪魔仮面の 画像コラージュ されて流布したのか、その張本人は不明です。

 当日スタジアム内には日章旗 (日の丸) はあったものの旭日旗がなかったとの話もありますし (少なくとも日本で中継されたテレビ放映にはそのシーンはなかった)、「日章旗」 と 「旭日旗」 を言い間違え勘違いしただけとの可能性もあります。

 さらに朝日新聞社の広告 (朝日新聞の社章は旭日旗に似ている) と見間違えたのではないかとの話もありますが、一般的に国際試合のスタジアム広告はデジタル合成で中継放送にのみ表示されるのが普通なので、試合中の選手には見えるはずがないとの指摘もありますし、今回の放映では社章は表示していませんでした。

日章旗 (日の丸)
日章旗 (日の丸)
旭日旗 (軍旗/ 軍艦旗)
旭日旗 (軍旗/ 軍艦旗/ 奉祝旗)

 当のキ・ソンヨン選手は、自身の Twitter (ツイッター) で 「色々な意味がある」「観客席の旭日旗にカッとなった」「涙が出る思いだった」「弁明か…私は選手である前に大韓民国の国民」(26日/ 左上図) と旭日旗を原因とした日本人に対する侮蔑的行為だったとほのめかす意見を述べた後、これを撤回し発言は削除。

 翌日の27日になり、「自分が活動するスコットランドで猿呼ばわりされているので、自分を差別する人に対してやった」「日本に対して行ったことではない」 と弁解。 また韓国サッカー協会は日本側に誤解を与えたと謝罪する一方、スタジアムの旭日旗は認識していないと述べています。

 この二転三転する釈明については、FIFA (国際サッカー連盟) で試合中に人種差別や民族差別的なパフォーマンスを行った選手に対し、出場停止処分などの厳しい罰則がルールとして設けられているので、これに配慮した結果ではないかとの意見もあります。

 また試合前に 「日本戦は戦争だ」 と対抗意識をあらわにしていただけに、単に理由もなく侮蔑パフォーマンスをした後に批判が生じ、それを取り繕うためネット上で盛り上がる悪魔仮面や旭日旗騒動に便乗して釈明しただけの可能性もあります。 このあたりの事実関係は現時点では不明となっています。

 中央日報の記事には、「テレビ中継に映しだされた」 とありますが、悪魔仮面や旭日旗の確認は本当にしたのでしょうか。 韓国人ネットユーザーが捏造したキム・ヨナ悪魔仮面と旭日旗をコラージュした偽写真以外、悪魔仮面や旭日旗の画像はでていませんし、中継でも見当たりませんでした。

 日本サッカー協会側はこのパフォーマンスを問題視したものの、27日になって 「公式 な抗議はしない」 と決定しています。

問題は、事実関係をきちんと調べず、イメージだけで日本叩きの日本マスコミ

キム・ヨナ悪魔仮面に憤慨したネチズン、本田悪魔仮面を作る (アジアトゥデイ/ 1月28日)
「キム・ヨナ悪魔仮面に憤慨した
ネチズン、本田悪魔仮面を作る」
韓国サイトで報じられた、本田圭佑
選手のお面。 しかしあまりの低クオリ
ティに、批判すら上がらない始末
(アジアトゥデイ/ 1月28日)

 この事件の日本側の受け取り方は、「試合に負けた韓国側が、また ファビョって いる」「日韓友好を願って参加していた日本人サポーターの姿を正反対の内容で叩くとは、さすが 斜め上を行く 人たちの発想は違う」 といったものでした。

 もっともこれだけならば、「いつものこと」 とも云え、あまり大きな広がりはなかったのかも知れません。 そもそもこうした悪質な冗談や捏造は、日本人だってやらないわけではありませんし、マスコミの低劣さは日本だって韓国に負けてはいません。 事実関係がはっきりした以上、後は収束するだけでしょう。

 28日になり、本田圭佑選手の顔写真に孫悟空のような加工と悪魔のツノをつけたコラージュお面も登場しましたが (右図)、あまりにクオリティが低く、失笑されるだけで大きな話題にすらなりませんでした (そもそも日本では、猿は猿でも孫悟空は ヒーロー です)。

 またこれ以前のキム・ヨナ選手を巡るネット上の祭りでは、オリンピック八百長疑惑で2ちゃんねるに 田代砲荒らし書き込み の猛攻撃が加えられた事件があり (2010年2月25日)、その時の、「八百長と 801 を勘違いして801板に突撃」 があまりに面白くて、笑いの種になっていて真剣に怒りを感じる気分でないというのもあります。 試合も今回は日本が勝ちましたし、その後30日の決勝戦でもオーストラリアを下し 優勝 していますし。

 しかし問題は、こうした様子をろくに事実確認もせず鵜呑みにして、「日本人サポーターが悪い」「日本が悪い」 といった論調で批判しようとした、韓国メディアや日本側メディアの存在、そして 「飛ばし記事 による報道を平気で行う体質」 でしょうか。

テレビ朝日は、別の試合の写真を掲示して印象操作

 とりわけこの試合を25日に独占中継したテレビ朝日系列の 「ワイド!スクランブル」 では、この旭日旗の部分をことさらに取り上げ、「猿マネ得点セレモニー」 を行った韓国人選手を 「ファナティック (狂信的) ではない健全なナショナリズムの範疇のものだ」(川村晃司) と擁護。

テレ朝が日韓戦で掲げられていたとした横断幕は「我々の団体の物」ですが今回のカタールには持参していません。
テレ朝が日韓戦で掲げられていたとした横断
幕は「我々の団体の物」ですが今回の
カタールには持参していません。 (1月27日)

 さらに25日の試合のものではないスタジアムの画像 (2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会での、6月19日の日本 vs オランダ の試合の写真、韓国テレビ局SBSのテロップがついていた) を、さも25日の試合のものであったかのようにフリップにまとめ、旭日旗に見える部分に大きな丸をつけて放映していました。

 このオランダ戦の旗は、太陽を モチーフ とした 「」 で、旗部分には 「太陽はまた昇る」 と日本語で書かれ、2006年7月に 引退 した中田英寿選手のシルエットの イラスト (背中に NAKATA の文字) と共に描かれているものでした。

 これは中田選手が現役引退を表明した際、イタリアのスポーツ新聞、ガゼッタ・デロ・スポルト紙 (La Gazzetta dello Sport) が 「早めに沈む太陽もある」 と報じたため、「中田のような選手 (太陽) がきっとまた現れる (昇る)」 との願いを込めたファンのものでした。 このファンは、1月27日に自らの Twitter で、「テレ朝が日韓戦で掲げられていたとした横断幕は「我々の団体の物」ですが今回のカタールには持参していません。」 と公式に コメント (右図) をしています。

 番組中ではこの 「違う大会の旭日旗に見える写真」 を根拠に、「旭日旗は植民地時代の日本の国旗で、若い人はそういうことを知らない」(金慶珠 東海大学准教授) とまで述べ、日本側の配慮が足りないと言わんばかりの論調で進め、「喧嘩両成敗」 のようなまとめとなっていました。

 この植民地時代、戦前 の日本の国旗だったという明らかな事実誤認は当日の番組内でさすがに謝罪訂正しましたが、誤った写真を元に行った韓国選手擁護、日本人サポーター批判の構成は変わらず、都合 15分間近くにもわたって報道し続けたのでした (なお放送翌日となる28日の放送では、「フリップの写真が間違っていた」 との内容でのみ釈明を行い、わずか26秒間の謝罪をしています)。

 この様子が伝わると、「さすが アサヒる の朝日は一味違う」「マスゴミ は相変わらずだな」「当事者が違うって言ってるじゃないか」 といった批判を招くこととなりました。 また同日フジテレビ系列 「とくダネ!」 番組中でも、キャスター小倉智昭氏が歴史問題を語り同情を寄せ、強くキ・ソンヨン選手の行為を擁護していました。

TBSラジオ番組では捏造写真を根拠に、「無知は罪」

 翌28日には、TBSラジオ系ラジオ番組の 「話題のアンテナ 日本全国8時です」 で、パーソナリティの森本毅郎とゲストコメンテーターの小沢遼子がこの話題に触れ、キ・ソンヨン選手の行動を批判する一方、テレビ朝日の報道内容を前提として、日本人サポーターの対応をむしろ強く非難。

Cheeky monKI
Cheeky monKI
KI SUNG-YUENG has tried to escape a bitter
international feud by accusing Scottish fans
of racism (Sun/ 2011年1月28日)
Scots blamed for 'racism' of Korean footballer
Scots blamed for 'racism' of Korean footballer
(SPORT.scotsman.com/ 1月28日)

 「軍旗を持っていくなよと」「あの旗を先頭にアジアを席巻して未だにそれが歴史認識でもめている」「日本人の中でだって、日の丸君が代に反対の人がいる」「日本の若者も旭日旗みたいな体たらくだし、内向きだ」(小沢)、「無知、しかし知らない罪もある」「常識というか、教養がないと話にならない」「この無神経さは反省しないといけない」(森本) としばしば強い失笑を交えながら述べ、「どっちもどっち」 と結論。

 これらもネットを中心に、強い批判を招きました。

ヨーロッパでは 「レイシズム」 の問題として大騒動に

 一方イギリスの大衆紙 Sun は、28日になり、「Cheeky monKI」 と題する辛辣な記事を掲載。 キ・ソンヨン選手が、「スコットランドで猿扱いされているから、その意趣返しでやった」 と釈明を翻した点を踏まえ、「日本への民族差別行為を誤魔化すため、スコットランド人ファンの差別を言い訳にした生意気な猿」 と酷評しています。

 またキ・ソンヨン選手が所属するサッカークラブチーム、セルティックFC (Celtic Football Club) は、「(レイシズムに関して) そのような事実はない」 と発表、BBC はじめ各国マスコミやスポーツジャーナリストなども過敏に反応し、キ・ソンヨン選手の釈明後、むしろヨーロッパで非常に大きな騒動となっています。

 その中には、シャン・ロス氏 (Shân Ross) による記事、「Scots blamed for 'racism' of Korean footballer」(SPORT.scotsman.com/ 1月28日) のように、「確かにキ・ソンヨン選手に対するブーイングが起こることはあるが、それは韓国の犬食文化を揶揄する犬の鳴き声のようなもので、猿扱いしたところは見たことがない」「もし彼の釈明が本当で差別があるのなら、猿のマネではなく犬のマネをするべきだ」 との、痛烈なものもありました。 レイシストには、それに相応しい論評があるといったことなのでしょう。

 この日本や韓国のマスコミと、欧州マスコミとの 「人権」「差別」 に対する報道姿勢の正反対とも思える違いは、とても興味深いものでしょう。 これを 「日本と韓国との歴史問題を、欧州はよく知らないのだ」 と無知で片付けるのは簡単ですが、そもそも民族、人種に対する 「差別」 や 「偏見」 はある日突然現れる訳ではなく、多くの場合その背景に 「型にはまり感情に流された歴史観」 や 「一方に都合の良い過去の経緯」「悪意に満ちた捏造」 を持っているものです。

 紋切り型、ステレオタイプの 「歴史がこうだった」「過去はこうだった」 で一方の主張のみ認め価値観を押し付けることこそが、差別やレイシズムが生じる根本原因だと思うのですが、日本のマスコミの人権意識では、そうではないのでしょう。

 今回の 「悪魔仮面」 や 「旭日旗」 は捏造でした。 悪意に満ちた捏造によるデマ、流言飛語をマスコミが増幅し垂れ流し、人々の民族的な怒りを煽り立て燃え上がらせる。 これは過去に数えきれないほどあった、目を逸らしたくなるような差別や人権侵害の事件・事故で、何度も繰り返されたパターンではないですか。 「無知」 で 「歴史から学ぶべき」 なのはどちらの側なのか、明らかなように思えるのですが。

「イシマタラ」 とともに、ニダーのお面 AA も再流行

.   ∧__,,∧
   ( ´・ω・)  これが有名な”ニダーのお面”か・・・ドキドキ
  /O<`Д´>O
  し―-J
 
.   ∧__,,∧
   (-<`Д´>  ムズムズ・・・・
(( / つ O ))
  し―-J
 
.   ∧__,,∧
   ∩-<`Д´> 謝罪しる!!・・・あっ、やっぱり言っちゃった
  /   ノ
  し―-J
 
.   ∧__,,∧
   (=<`Д´>  ファファ・・・
(( / つ O ))  や、やばい!
  し―-J
 
.   ∧__,,∧
   < `Д´>  危うく外れなくなる所だったニダ。
  /O( ´・ω・)O
  し―-J
ニダーのお面 AA

 なおこれら 「イシマタラ」 の流行に伴い、かねてから存在していて折りにふれ使われていた 「ニダーのお面AA」(韓国人などを揶揄するニダーと呼ばれる アスキーアート の一種) がよく使われるように。

 日本人がニダーのお面を被ると 暗黒面 ならぬ 韓国面に堕ち、まるで韓国人のような主張を始めてしまうというものですが (左図)、「ニダーのお面」 から 「悪魔仮面」「イシマタラ」 などと一部で言い換えられ、面白おかしく広がってもいます。

で、結局 「イシマタラ」 って何なの! ><

 それはともかく、奇祭、奇習の誉れも高い 「イシマタラ」(イシマタ) は結局何なんでしょうか…。 イシタマラ とか イマシタラ などという誤記も多いですし。

 いやまぁ時期的に 「ツノのあるお面」 といえば、そりゃ節分の豆まきに使う鬼のお面あたりが思い浮かびますし、よく内容を知らずに、日本人が韓国チームを桃太郎よろしく退治する…って勘違いかも知れませんが、しかし 「嫌いな人の顔のお面を被って悪口を言い合う遊び」「お互いに悪口を言えば正しい人になれると信じられている」 との説明は、ちょっといくらなんでも勘違いが過ぎる気がしますし…。

日本伝統遊戯
 
   _ノ ̄,/ /__7 ./''7/ ̄ ̄ ̄ ̄/ / ̄ ̄ ̄./ /二二二/_
/ ̄  ,/  /__7 / ./  ̄ ̄ノ / ./ ./二/ ./ / __  /
 ̄/ /    ___.ノ /   <  <..  /__,--,  ./  ̄  __,ノ /
 /__/   /____,../     ヽ、_/    /___..ノ    /____,/ 
日本伝統遊戯 イシマタラ 巨大字 AA

 まあ自動翻訳のエラーを巡る単なる突発的キーワードなんでしょうし、翻訳掲示板で 釣り として書き込んだ内容がリレーで変化したなどという夢のない話もありますが、やっぱりここは、伝説の風習、「イシマタラ」 を探求するのが ネタ として お約束 みたいな展開なのでしょうか。

 なおこの言葉自体が広まったのは、2ちゃんねるの東アジアニュース速報+板 (東亜+) に2011年1月27日に前述した江原日報の同日ニュースを伝える形で立った、「【サッカーアジア杯】 キムヨナ悪魔仮面は日本の伝統的な遊び『イシマタラ』の真似[01/27]」 からとなりますが (当初は 「イシマタ」(2010年10月中旬頃、同板) で、この スレ が話題となり自動翻訳を繰り返し情報が伝播する中でイシマタラに進化)、何とも面白い響きですね、「イシマタラ」。

イシマタラの再現画像が東亜+板の看板に
イシマタラの再現画像が東亜+板の看板に

 その後この日本人がだれも知らない日本の伝統遊戯は、日本における情報発信地であった2ちゃんねる東亜+板の看板 (左図) にナマハゲ画像流用で再現される一方、急速に広まりつつあります。

 韓国由来の自動翻訳機ネタで有名な ホルホルマトボッククリ、意味不明カタカナの ウェーハッハッハシュエエアィサィ ターアィーサィシコタホアコッックーカーキョッッョコッッョオョッソ などの魅力的な文字列に続いてくれたら面白いのですが、今後どのようになりますでしょうか。

 それはともかく、萌えキャラ擬人化 されるのが楽しみです。

半年以上も過ぎた2011年9月末に、イシマタラと旭日旗問題が再燃?

「C大阪怒り心頭 スタンドの「大地震をお祝い」 横断幕に抗議」(スポニチ/ 2011年9月29日)
「C大阪怒り心頭 スタンドの「大地震をお祝い」
横断幕に抗議」(スポニチ/ 2011年9月29日)
全北現代モータースは公式に謝罪 (2011年9月29日)
全北現代モータースは公式に謝罪
(9月29日)

 一度は沈静化したかに見えた悪魔仮面 (イシマタラ) と旭日旗問題ですが、半年以上も経過した9月29日になって、サッカーにまつわる問題が生じ韓国側から再燃。 「日本は謝罪すべき」 との信じられない意見が再び出ています。

 事の発端になったのは、同月27日に韓国・全州で行われたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第2戦、セレッソ大阪と韓国の全北現代モータースとの試合の最中に、全北側応援席に掲げられた 「日本の大地震をお祝います。」 という横断幕でした。

 3月11日に発生し大きな被害を生じた東日本大震災を 「お祝いします」(実際は 「し」 が抜けており、「お祝います」 だった) と述べた不謹慎な内容で、日本側は強く抗議。 横断幕は試合中に撤去され、その後日本側は再発防止を訴える抗議文も送りました。

 この事件は日本のスポーツニッポン (スポニチ) が同29日に写真付きで詳しく報道。 過去に韓国側が日本やその他の国に対してこのような内容の横断幕を度々掲げていたこと、今年1月にキ・ソンヨン選手の猿真似セレモニーがあったばかりだったことなどもあり、ネットの世界で強く批判されることに。

 その他の日本のマスコミなどは、「お悔やみます」 や 「悼みます」 などの書き間違えではないかとの擁護を行ったり、韓国メディアも事実なら問題だとしながら、日本側の捏造の可能性を示唆していましたが、全北現代モータースは正式に謝罪。 その後横断幕を製作し掲げた韓国人男性が名乗りでて直筆の謝罪文をマスコミに示すなど正式にお詫びを行うと、韓国マスコミも 「あまりに不見識だ」 との批判を行うこととなりました。

韓国は震災横断幕をちゃんと謝罪した、日本は悪魔仮面と旭日旗を謝罪したか?

「全北垂れ幕論議。果たして日本は清らかだったか」(ニュースエン (NEWS EN)/ 1月28日)
「全北垂れ幕論議。果たして日本は清らかだっ
たか」(ニュースエン (NEWS EN)/ 9月29日)

 しかしそんな中、韓国の人気ニュースサイト 「ニュースエン」(NEWS EN) では、「全北垂れ幕論議。果たして日本は清らかだったか」 との記事を配信。

 この記事では、「横断幕は確かに非常識なものだった、しかし全北現代モータースや全北サポーターは自らの非を素直に認め、速やかに謝罪を行った」「一方日本は、キム・ヨナ悪魔仮面や旭日旗の応援を行なっておきながら、何の謝罪もない」「今回の横断幕問題は、むしろ日本側の非常識さを浮き彫りにする出来事だった」 と強く非難。

 このニュース自体は韓国人向けのもので、当初日本ではあまり話題になりませんでしたが、中国系ニュースサイト、サーチナが発信元を伏せたまま同月30日に 「大地震をお祝い」横断幕、「日本は自省せずに他国を非難」=韓国」 との見出しで報じて話題となったことにより、日本でも大きく広がることに。 2ちゃんねるや Twitter 利用者らの間では、「おいおい…もう悪魔仮面や旭日旗が 「あったこと」 になってるのかよ」「捏造の発端であるキ・ソンヨン選手の罪はどうした」「さすが歴史をコリエイトする韓国人は一味違う」 と、そのあまりの内容に再度盛り上がることに。

 もっともこの横断幕は韓国人の間でも当然ながら極めて批判が強く、「韓国の恥さらしだ」 との意見がほとんどですが、悪魔仮面や旭日旗の話題では、捏造が発覚した当時のことを知らないのか忘れているのか、事実であるのを前提に再び 「どっちもどっちだ」 との意見を書き込む韓国人サポーターらも現れ、「また振り出しに戻った」 との脱力感が日本側でも広まることになっています。

 一方これとあわせて、日本人が誰も知らない日本伝統遊戯 「イシマタラ」 の名も、再び話題になることとなりました。

そしてついに、韓国で旭日旗が法的に禁止に?

 その後韓国では、官民挙げて旭日旗狩り (というか、旭日旗っぽく見える放射状の意匠) に奔走。 こうした傾向はこの事件以前にもなかったわけではありませんが (旭日旗だけでなく、日章旗や日本のシンボルに対する忌避反応が元々あった)、2012年9月には日韓米豪4カ国の合同軍事演習の際に自衛隊護衛艦の韓国釜山港への入港を、旭日旗 (海軍旗) の掲揚を理由として拒否 (それ以前にも、旗を降ろせといった無礼な要求はしていたが、拒否までしたのは初めて)。

 さらに2013年には、旭日旗を公の場で掲げることを禁ずる法律案が超党派の議員たちによって韓国の国会に提出。 これは結果的に廃案となりましたが、同様の議論は繰り返されており、このままいけば、いずれ韓国で旭日旗 (韓国人はこれを 「戦犯旗」 と呼んでいます) を掲げると罪に問われ逮捕・処罰 (懲役・罰金) されることになりそうです。 キ・ソンヨン選手の 「嘘」 とマスコミの 「捏造」 から2年で、ついにここまで来たかという感じです。

2018年国際観艦式で再び旭日旗を拒否、海上自衛隊は参加を見送り

 2018年10月11日に韓国で行われた国際観艦式では、「参加する国の軍艦は、それぞれの国旗と韓国国旗のみを掲揚するように」 と韓国政府が通達。 通常軍艦に掲揚される軍艦旗を掲げないよう要請しました。

 この要請は参加国全てに対して行われており、「日本の海上自衛隊艦艇が掲げる旭日旗だけを拒否」 したものではないため、一定の配慮があったのではとの意見もありますが、日本側が難色を示すと、9月30日、韓国政府与党は公式な書面ブリーフィングで 「非常識はもちろん、一抹の良心さえも見られない日本の傍若無人にあきれる」 と反発。 さらに日韓で 2015年12月28日に最終的かつ不可逆的な解決を確認したはずの慰安婦問題などに触れた上で、「戦犯国として世界の平和を一瞬にして壊し、数えきれないほど殺傷行為を犯した日本が旭日旗を誇っているのは、日本が 永遠 に二等国家にとどまるしかない理由でないかと思う」と激しく非難しました。

 結局この要請は礼儀を欠く上に国際慣例上異常ものでもあり、日本は派遣を見送りました。 日本以外の国も派遣を見送ったり、韓国側要請を無視する形で軍艦旗を掲げたまま参加しましたが、韓国側からそれを咎める意見はありませんでした。

 その一方、韓国 文在寅大統領が乗り込み演説をした韓国駆逐艦には、国旗の他、李氏朝鮮時代に総大将の本陣を表す 「帥字旗」 を掲揚。 当初の 「自国と韓国の国旗のみ掲げよ」 との自らの主張に矛盾する形となりました。 掲げた理由は 「未来の海洋強国への意志」 を示すためだそうですが、この 「帥字旗」 は、豊臣秀吉による文禄・慶長の役で軍功を挙げた李舜臣将軍が掲げた旗として広く知られており、改めて日本に対し強い挑発を行った形となっています。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2011年1月27日)
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