同人用語の基礎知識

性の6時間

トップ 同人用語 項目一覧 性の6時間

お前も一人でクリスマスイヴに掲示板か…「性の6時間」

 「性の6時間」 とは、クリスマスの夜 (12月24日の21時から翌25日3時まで) の6時間を指す言葉です。 この時間帯に多くのカップルが性行為を行なっている (であろう) ことから、俗にこの名称が使われることになりました。

 こうした 概念 は、「聖夜」 を 「性夜」 などと 誤変換当て字 する形の揶揄で昔からあるのですが、「性の6時間」 というキャッチーなフレーズとなり、若者の間に猛烈に広まったのは ネットインターネット) の時代になってからで、主に 掲示板 2ちゃんねる などで作られ広まった、「性の6時間 コピペ」 の流行が大きな理由、あるいは直接的な 元ネタ ともなっています。

「性の6時間」 コピペ

       o
    o_ /)
     /<<

12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は
1年間で最もセックスをする人の多い「性の6時間」です。

貴方の知り合いや友人ももれなくセックスをしています。
普段はあどけない顔して世間話してるあの娘もセックスをしています。
貴方が片想いしているあの綺麗な女性もセックスをしています。
貴方にもし年頃の娘さんや ・妹がいて、いま家にいないのでしたら間違いなくセックスしてます。
貴方と別れたあの娘も貴方がその娘にやってきたことを別の男にやられています。
貴方の将来の恋人や 結婚 する相手は、いま違う男のいちもつでヒィヒィ言っています。
すべてを諦めましょう。そして、ともに戦いましょう。

本来のクリスマスは厳かでアットホームなもの…

聖夜と性夜、クリスマスと恋人
聖夜と性夜、クリスマスと恋人

 本来のクリスマス (12月25日) はキリスト教において 「キリストの降誕を記念する祭日」 であり、「聖なる日」 とされています。 その前夜 (12月24日) のクリスマスイヴとあわせ、イヴの夜を 「聖夜」 と呼ぶ慣習は日本でもおなじみのものでしょう。

 欧米などでは家族や親戚縁者と一緒に過ごす大切な夜といった扱いで、日本でもキリスト教が伝来し、純粋な宗教活動として降誕祭のミサを行い、祈りを捧げる イベント のある日として 認知 されていました。

 その最初は1552年(天文21年) とされますが、その後日本ではキリスト教が実質的に禁止され、長く弾圧されてきましたから、表向きはクリスマスなど存在しない時代が長く続くことになります。

 その後明治時代になり、国を挙げて文明開化と西洋文化の輸入が始まると、1900年 (明治33年) に銀座でオープンした飲食料・酒類の輸出入販売を手がける明治屋が、西洋の豊かな食文化、中でもクリスマスのごちそうなどを、輸出入の販売促進のためにキャンペーンに取り入れ、いわゆる 「クリスマス商戦」 を開始。 さらにその10年後となる1910年 (明治43年) に洋菓子メーカー 「不二家」 が創業し、日本初のクリスマスケーキを発売すると、徐々に日本人の間にも、クリスマスが定着すると共に特別なイベントが行われる日だとの認識も広まってゆきます。

 それに伴い、クリスマスプレゼントや現在クリスマスと云うと思い浮かべる様々な付帯イベントやイメージが、そのまま日本でも 商業的 マーケティングのひとつとして発展してゆきます。 クリスマス商戦自体は欧米にもあり、1年で最大のビジネスシーズンとされていますから、これを日本でも普及させる目的があったのですね。 時代を下り会社勤めが多くなると冬のボーナスの存在も大きくなりますし、金銭的に余裕のあるうちに消費してもらおうという魂胆があった訳です。

聖夜と性夜、クリスマスと恋人

 クリスマスと云えば家族と共に過ごすもの、サンタクロースが訪れる子供が主役のような時代は現在も続いていますが、これに 「恋人同士で過ごす」「愛しあうもの同士がクリスマスイヴの夜を共に過ごす」 というイメージも、徐々に日本の中に広まってゆきます。

 こうした 「聖夜」 に対する感覚は、欧米にもないわけではありませんが、日本の場合はバブル景気の頃の強烈な恋愛至上主義的なマーケティング、なかでもその象徴である 「クリスマスの夜は恋人と過ごす時間」 といったキャンペーンが隅々までいきわたり、イヴの夜にアベック向けのホテルやレストランの予約が埋まったり、恋人のいない人はクリスマスまでに恋人を作らないと孤独なイヴを迎えることになる…などの、ある種の強迫観念にまで、メディア主導の形で植えつけられることになりました。

 その後は 非モテぼっち と呼ばれる人たちの間で、一人で過ごすクリスマスイヴを 自虐的ネタ としてことさらに扱ったり、同じように一人で過ごす人間が大勢いるであろう掲示板などで、相手を 煽った り、逆に慰めあうような形で 「性の6時間」 や キャッキャウフフギシアン などが触れられ、この話題が年末恒例の風物詩のような扱いにもなっています。

Twitterこのエントリーをはてなブックマークに追加FacebookLINEGoogle+

関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック

(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年2月10日)
破線
トップページへページの先頭へ

トップ
 旧同人用語メイン
 同人用語辞典 収録語 項目一覧表
 同人おたく年表
 同人関連リンク
 付録・資料
サイトについて
書籍版について
リンク・引用・転載について
閲覧環境
サイトマップ
のんびりやってます
フッター