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殻割り

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失敗したら数万円が一瞬でパーに… 「殻割り」

 「殻割り」(からわり) とは、おおむね硬く作られている殻を割って中身を取り出すこと、殻の中を確認すること、中に入っているものの一部を変更することです。 殻というと たまご とか木の実、植物の種などの外殻が一般的ですが、そこから転じて自分の殻を割って飛び出す、飛躍するといった意味で使うこともあります。

 その他 おたく な人たちの間では、分解しづらい精密工業製品の外殻を分解して何らかの加工や確認を行うことを広く殻割りと呼びます。

CPU とかゲームカセットとかヘッドライトとか…

 もっとも代表的な殻割りは、パソコンの頭脳である CPU の分解でしょう。 CPU は内部構造を金属製の外殻で厳重に保護していますが、これを専用の殻割り工具やカッターナイフ、万力といった道具や熱を加えるといった方法で分解し、文字通りパカッと割るような行為となります。 なぜ CPU を割る必要があるのかと云えば、内部に使用されている熱伝導グリスを変更してより性能を上げたり、リマーク品 (外殻に表示されている型番の刻印を書き換えた偽物) の疑いのある CPU を分解して真偽を確かめるなどが代表的です。

 またファミコンやスーファミといった ゲームROM カセット・カートリッジ形式のゲームソフトなどを分解し、中身の確認や交換などを行うことも殻割りと呼ぶことがあります。 こちらの場合、動作不良をした際の メンテナンス のためや セーブデータ の保存用電池の交換などが代表的です。

 一方、2000年代以降、とくに2010年代以降となり、いわゆる 「レトロゲーム」 としての人気や 需要 が高まると、価格が高騰した レア なファミコンカセットなどの偽物が急増。 単に ROM の内容が書き換えられ偽造したラベルがカセットに貼付されるだけに留まらず、外箱や取り扱い説明書に至るまで偽造された精巧なものまで登場し、完全な真贋判定には殻割りによる内部の確認を行わざるを得ない状況も生じています。 また一部のマニア向けゲームショップなどでは、殻割りされ内部構造が見える形での中古販売がされるに至っています。

 同じような使われ方をするものに、クルマのヘッドライトアッセンブリ (レンズカバー・インナー (反射板)・ハウジング (土台) の分解もあります。 比較的新しい一部の車種用ヘッドライトによくある、分解を前提としていない一体型ヘッドライトのカスタムやメンテナンスのために行うもので、熱を加えたり一部を切開するなどで分解する行為となります。

工業製品の殻割りは、あくまで自己責任かつ十分な安全を確保しましょう

 いずれの場合もユーザーが分解した時点でメーカー保証などは効かなくなり、またジャンク品の扱いともなってしまいますし、失敗したら壊れて使えなくなったり、いかにも殻割りしましたといった痕跡が残って価値を大きく損じる結果となります。

 それだけに留まらず、いずれも熱を帯びるパーツ類でもあるため火災や何らかの トラブル や事故の元となることもあります。 とくにヘッドライトなどはクルマの重要な保安部品であり、目的や作業によっては交通違反に問われることもあります。 あくまで自己責任の世界であり、かつトラブルの程度によっては自己責任では済まないこともあるので、安易な殻割りは避けるべきでしょう。 まぁパソコンを自作するような人は、CPU はついつい割ってしまったりもしますが…。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2010年2月17日)
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