ゲームで装備するとキャラが素敵に…「レアアイテム」
「レアアイテム」 とは、テーブルトークRPG (TRPG) やRPGなどの ゲーム の中に登場する道具 (武器や防具、その他) のうち、入手が非常に難しく稀少価値のあるものを指す言葉です。 英語の 「Rare」(珍しい、希少な) と 「Item」(道具、品物、品目) が組み合わさった言葉です。
日本ではそれまで、一部の専門用語は別として 「アイテム」 という言葉自体を日常会話で使うことはあまりなかったような記憶があります。 その後、前述したゲームなどサブカルチャー文化から生じて、若者が道具や日用品、雑貨を含め、様々なもので広く使う言葉として広まりました。 また 「ドラゴンクエストシリーズ」 や 「ファイナルファンタジーシリーズ」 など国民的ゲームとも呼ばれるほどの大ヒットゲームタイトルが出現することにより、アイテムという言葉のみならず、種別や個別のアイテムの名称 (エリクサー) などもゲームの外で使われるようにもなっています。
「レアアイテム」 もその後、ゲーム以外の現実の物品で、マニアックな稀少性のあるグッズや商品などをそう呼んだり、「レアモノ」、あるいは単に 「レア」 などと呼ぶようになって広まっています。 また レアリティ・レア度 (Rarity)(それがどのくらいレアなのか、希少度) という 概念 も登場。 様々な方法で希少性を等級化して表現するようにもなっています。
ちなみに 「レアアイテム」 という名称自体は比較的新しい言葉ですが、「稀少性を煽ったり稀少性を売りとして販売を行う、それらを集める」 などは、当然ながら昔からあります。 その場合、「珍品」「珍しもの」「お宝」 といった言葉を使ったりもしました。 コレクション対象となっていたものは古銭や切手などが代表的ですが、子供たちに馴染みがあり日本人なら誰でも知っている有名な 「レアアイテム」 といえば、森永のお菓子、「チョコボール」 の 「金のエンゼルマーク」 もなじみが深いものでしょう。
銀が比較的出やすいこともあり、「おもちゃのカンヅメ」 あたりは学校で何人か持っている子供はいたものですが (筆者 も持ってました…)、「金のエンゼルマーク」 は実物を見たことがありませんです…。
出現確率だけでなく、需要と供給で決まる? レアの魅力と価値
ゲームにおけるレアアイテムの考え方は、TRPG の世界で生じました。 プレイヤー はゲーム内の キャラクター になりかわり、ゲームの中で様々な行動を取り、その結果、モンスター と戦ったり宝箱を開けるなどして、ゲーム内で使用できる道具を見つけます。
敵モンスターがどんなアイテムを落とすのか、宝箱に何が入っているのかは、あらかじめ決まっている場合もありますが、サイコロを振るなどして偶然の要素を取り入れ、一定の確率で 行為判定 を行い、いくつかのアイテムが選ばれるようにゲームのシステムも進化。 中でも、その後のゲームを有利に展開できる強くて便利なアイテムを低確率で出るように 設定 したのがレアイテムの始まりといって良いでしょう。
この時、「何もはいっていない」 とか、「何の役にも立たないガラクタ」 の場合もあり、それも低確率になっている場合もありますが、単に 「出現確率が低い」 というだけでは、「稀少性」 とはなりません。 珍しいだけでなく、そのアイテムに便利さとか強さ、あるいはその後のコンピュータゲームの世界のように見た目の美しさ、かっこよさなどが備わっていないと、単なる珍品ではあっても、こんにちの使い方の 「レア」 とは呼ばれないようです (単に珍しいだけの ゴミ は、「単なるレアケース」「ある意味レア」 などと呼ばれます)。
後に ネトゲ などオンラインゲームが登場して人気になったり、ゲーム機の通信機能などを使ったプレイヤー同士のアイテム交換などが広まると、強かったりかっこいい 装備品 などが人気のあるアイテムとして 需要 が急上昇。 出現確率に加え、「装備・使用するメリット」 と 「どのくらいのプレイヤーが欲しがるか」 が、レアの重要な要素ともなりました。
供給 が絞られ、ゲーム内の絶対数が少なくても、誰も欲しがらなければ不用品として安くなり、また在庫がダブつきます。 このあたりは現実の市場経済となんら変わりません (ただしゲーム 運営会社 などが増やそうと思えばアイテムを無尽蔵に増やせるので、本当の意味の市場とは根本的に違いますが)。
オンラインゲームの登場により、レアアイテムに強い需要が
TRPG や初期のRPGなどはアイテムの種類も少なく、またプレイに費やす時間もそれほど長くなかったりもしましたが、その後アイテムの収集そのものが目的となっているようなゲームや、オンラインゲームにより数年のスパン、数百から数千時間というプレイ時間規模のゲームが登場したことにより、プレイヤーに対する 「レアアイテム」 のウェイトも急上昇しています。 場合によっては 「宝くじなみ」 のドロップ確率のレアを求めて延々と狩りを続けるプレイヤーも現れるようになっています。 このようなプレイ方法は 堀り、あるいは堀り 周回 と呼びます。
またそれに伴い、アイテムを不正に生成したり増やしたりする チート が現れたり、ゲームアイテムをゲームの外で、現実のお金で売買する RMT (リアルマネートレーディング/ Real Money Trading) なども現れるようになっています。 これらはゲームの外の要因でゲームのバランスを壊す バランスブレイカー として、嫌うプレイヤーがとても多いものです。
一方で、ゲームメーカーやオンラインゲームの運営会社などが 「アイテム 課金 制」 の運営を行ったり、DLC (ダウンロード コンテンツ 方式)、アンロック方式 など、ゲーム内アイテムを有料で販売するようなケースも増えています。