これがなくて始まらない… 「設定」
「設定」 とは、物事を達成するために何らかの条件や要件、場を設けたり、仮定でそれらを作ることです。 言葉としては 普通 の日本語であり、同人 や おたく・腐女子 の世界でこれといった異なった定義で使われるわけではありません。 しかし日常生活のあれこれから 趣味 である アニメ や ゲーム といった コンテンツ、創作 に関する活動などあらゆる部分で使われる言葉であり、その意味や ニュアンス も多岐に渡ります。
よくある使い方であれば、パソコンやスマホの利用 環境 の設定や、ネット の各種サービスの設定など、機器類やサービスを自分好みにすることを指しますが、コンテンツに登場する物語や 世界観、シチュエーション、キャラ の容姿や性格と云った設定 (作中設定) や、そのコンテンツ自体のビジネス上のターゲットの設定などなど、あらゆる部分・場面で条件付けのための設定が行われます。
二次創作では、設定の理解や誤読が何より大切
作品における設定では、おたくや腐女子的な楽しみのひとつにこれら設定を読み込み、解釈・理解し、時に積極的な誤読や拡張を行い、作品やその要素を味わったり発展させる部分が大きいでしょう。 設定は 「当たり前にある日本語」 であると同時に、楽しみの核心部分をあらわす重要な言葉だと云っても良いでしょう。 ファン としての 二次創作 や パロディ は、この設定部分の理解や 妄想 に基づく誤読が何より大切です。
当然、自分で何もかも創造する オリジナル な作品の制作では、この設定が作品を構成する細かい要素の確定した条件に用いられたり、それらを組み合わせた作品全体の設計図とも云える重要な存在となります。 また中には、シミュレーションものや SFものの一部など、設定そのものが作品の面白さの根幹をなす作品もあります。
設定さえしっかり作れば、キャラは勝手に動いてくれる
作品を創る場合、キャラクターの設定は何より重要です。 既存作品の二次創作の場合、設定やその原型は 元ネタ となる作品に求めればよく、多少のアレンジで自分好みに動かすこともできるでしょうが、一から完全にキャラを作る場合、設定の練り込みが不十分だと、「こういう状況でこのキャラはどう考えるか、しゃべったり動くか」 が分からなくなりがちです。 逆に云うと、しっかり設定が練り込まれてさえいれば、状況の中に放り込むだけで勝手にキャラが動いてくれます。
こうしたキャラ設定は、創作の世界だけでなく、日常生活で自分自身につけることもできるでしょう。 ありのままの自分ではなく、なりたい自分になろうとするなら、無理のない範囲で自分に設定を、別の云い方をすると行動規範や自分なりの倫理を持つのは、生きていく上でさして重要でもない些細なことでいちいち悩まずに済み、重要な判断でも考えるとっかかりを与えてくれる 「楽な生き方のコツ」 のようなものです。