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おたく・腐女子の活動は仕事と区別がつけづらい… 「趣味」

 「趣味」 とは、日々の生活の中で自分の好きなもの、興味や関心があることについて、楽しみや充実感を得るために取り組む活動 (娯楽) のことです。 単にその人にとっての 「好きだ」「興味がある」 ものを指すこともあります。 趣味には様々な種類があり、大きく2つに分けると、スポーツや旅行、キャンプなどのアウトドアな趣味と、音楽や料理、読書、収集、カメラ、ゲーム、パソコンや ネット の利用といったインドアな趣味があります。

 一般に おたく腐女子 の趣味と云えば、いかにもインドアな趣味が中心のようなイメージがあります。 しかし実際は イベント をはじめ外に出ないと楽しめない様々な活動がありますし、身体を使う趣味か頭や感性を使う趣味かといった分類ともども、あまり区別することに意味がないのかも知れません。 個人的にはスポーツかそれ以外か、あるいは学校の部活における運動部と文化部くらいのざっくりとした分け方になるような気もします。

 一方、難しいのは同じ活動や行為でも、それが本人にとって趣味なのか、それとも仕事なのかといった違いが一概に決められない場合があることでしょう。 趣味と仕事の分野が異なっていれば切り分けもできるのでしょうが、どちらも同じような活動の場合、区別するのはかなり大変です。 これはものを作る (創る) か受け取るか、生産と消費で区分される趣味のありようとも密接に関連していて、いよいよその境界線はあやふやになりがちです。

 趣味は職業のアマチュア版 (例えば農業に対する園芸のようなプロに対するおままごとやごっこ遊び) といった性格を持つものが少なくありませんし、完全に娯楽やアマチュアの行為からスタートした趣味も、同じ趣味を持つ者の数が増えれば市場が生まれプロが生まれ職業化します (例えば多くのスポーツやゲームだってそうでしょう)。 あらゆる人の営為が趣味と職業の二面性を持つと云って良いかもしれません。

趣味と仕事を分ける考え方が、一部の分野では意味がないことに

 活動の目的が営利か非営利かで分類したり、それでご飯が食べられているかどうか、生産と消費で判断することもできます。 しかし趣味が高じる中で楽しみや興味関心の追求を続けてそれが仕事になる人もいますし、仕事として必死に取り組んでいても結果が出ずにお金にならない人もいます。 人ぞれぞれの心の持ちようや結果論という部分もあり、なかなか一概に区別しづらい部分はあるかもしれません。 これは生産系の趣味の場合はとくに顕著ですが、おたくや腐女子のような創作系の趣味の場合はとりわけその傾向が強いでしょう。

 ひと昔前までは、絵描き にせよ 字書き にせよ、商業 で描くこと、すなわち ISBN や 書籍JAN コードがついていて出版社や 問屋 経由で一般書店売りされる本や雑誌、あるいは画廊が主な活動フィールドと収入源だと職業やプロ、それ以外は趣味やアマチュアという区分がされがちでした。 それだけでは食べていけず仕事を別に持っている人ならセミプロです。

 その後 同人イベント同人誌書店委託 などが広がると、人気さえあれば出版社に頼らなくても生活するのに十分な収入を得ることも可能になります。 さらにパソコンや インターネット が普及し 電子メディア同人作品 や電子書籍が普及すると、そちらでも本業と呼べるくらいの収入を得ることも可能になっています (会社勤めなどをせずに創作活動だけで生活することは 「専業」 みたいに呼んで区別したり)。

 趣味や働き方が多様化する中、様々な選択肢が作られ生きていくための糧を趣味から得られるようになったのは、大きな変化ですね。 趣味と仕事、どちらが大切かは人によって異なりますが、収入がなければ生きていけないので、一般的には仕事が優先されがちです。 その垣根が徐々になくなっていくのは、たぶん一部の人にとってはとても大きな福音でしょう。 もはや趣味と仕事という区分より、雇われているかそうでないかの違いの方が大きいのかもしれません。 もちろん趣味を仕事にしやすくなった分、競争は激化して大変ではありますけれど。

 なお特定の趣味をしている、その趣味が好きだと標榜しながら、実際はたいした興味もなく、仕事をするうえでその方が有利だったり便利だったりで趣味人のふりをするケースもあります。 例えばアイドルがおたくっぽい趣味を持っていると自称して ファン を集めようとしたり歓心を買うような行為です。 こうした行為は 「ビジネスおたく」 とか 「後付け趣味」 と呼ばれ、一般的にはあざとい行為、は軽蔑される行為だと見なされています。

趣味を仕事にすると、息抜きや逃げ場がなくなる

 好きなことや趣味を仕事にできたら幸せだとはよく聞く話ですが、実際に両者が一体化すると息抜きをするタイミングや逃げ場がなくなり辛くなる、好きだった趣味が嫌になることはよくあります。 仕事には趣味以上に責任感を持つことが期待されますし、お金がなければ生活はもとより好きなことだって満足にできなくなるでしょう。 どのあたりで 「これは趣味」「これは仕事」 と切り分けることができるかで、その後の人生の質も結構変わってくるものなのかも知れません。

 ただまぁ、両者ががっちり一致して努力や苦労を厭わず取り組める上に運よく才能や機会にも恵まれ、それだけをやっていれば楽しいしご飯も食べられるというのは本当に幸せなことでもあるので、その道を見極められたら自分を信じて突き進むのも人生ですね。 おたくや腐女子の世界にはそういう人が結構いますが、眩しく羨ましい存在です。

 一方、趣味は趣味、仕事は仕事と 割り切って、その上で趣味を優先させた生き方をする人もいます。 こうした人は趣味人などと呼びますが、これもまた多くの人が憧れを感じる生き方のひとつでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2004年11月1日/ 項目を分離しました)
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