金儲けのためのなりすまし行為として嫌われる 「ビジネス○○」
「ビジネス〇〇」 とは、商売や職業、業務といった意味の言葉です。 そこから転じて、商売として何らかの立場になりすますような言動を揶揄し、なりすます対象名にビジネスを接頭して表現することもあります。 例えば おたく でもないのにおたくのふりをして商売する人のことを 「ビジネスオタク」 とか、思想面では 「ビジネスウヨク」 とか 「サヨク」 と呼ぶなどが代表的です。 それぞれ略して 「ビジオタ」「ビジウヨ」「ビジサヨ」 と呼ぶこともあります。
ほとんど同じ意味で使われるものに 「営業〇〇」 もあります。 こちらの言葉は、本心からの笑顔ではない営業用の愛想笑いを 「営業スマイル」 と呼ぶなど、昭和の時代から見られるものでした。 その後営業〇〇も様々なものに転用されますが、徐々に営業に代わってビジネスが使われるようにもなってきたのでした。
なおおたくや 腐女子 にすり寄ってなりすますことは、コスプレ と呼ぶこともあります。 おたくや腐女子の 「ガワ」 を被っただけみたいな ネガ比喩 の一種となります。
ポジショントークとビジネス〇〇
営業スマイルという言葉や概念自体にもそれなりに揶揄や批判的な ニュアンス がありますが、接客業で笑顔や礼儀正しさを保つのはある程度当たり前の話でもあります。 また営業職の人間がお客様や訪問先のお偉いさんの心証を良くし歓心をかうために機嫌をうかがったり話の調子を合わせる、胡麻をするなどもさほど珍しいことではないでしょう。
とはいえ、本心を偽り表面だけ取り繕う行為には不誠実さを覚えますし、それがちょっと見ただけ、軽く話をしただけで 「なりすまし」 だと露見するような薄っぺらい知識を基にしたものの場合、「どうせこの程度でバレないだろう」 と相手を舐めているような敬意のなさ、思い上がりやいい加減さまでもが感じられます。
自らの利益のために本心とは異なる 趣味 や思想を支持する人、いわゆる ポジショントーク が過ぎる人は、どのような主張をしたところで信頼もされず、忌み嫌われがちでしょう。 またなりすます動機が人気取りの必要に迫られた落ち目だったり人気のない人物のすり寄り、悪あがきにも見えたりするので、いよいよ忌避感も強まる傾向があります。
なお芸能人などがオタクアピールをして、一見ビジネスオタクに見えながらもよくよく見ると正真正銘紛れもない ガチ なオタクだった場合は、〇〇に似たおたく といった云いまわしで賞賛することもあります。 〇〇部分にはその芸能人の名前などが入り、「芸能人の〇〇に似ているただのオタクだ」 といった、ちょっと捻った本物おたく認定となります。 例えば コミケ や声優のライブなどでその芸能人を見かけても、「〇〇に似ているだけ」 として騒がず、あえてそっと見守るといったニュアンスもあります。
全方向でなりすます無節操なビジネス〇〇も
ところでビジネスでなりすましをする人は、なりすます対象に何らの思い入れもないので、風向きが変わるとなりすます対象をあっさり変えることがあります。 例えばちょっと前までは右寄り、保守的思想の持主のような顔をして持論を述べながら、逆の左寄り、革新的な思想の方がお金儲けができるとなると、今度は左向きの論客としてメディアに登場したりします。
それどころか、名前を出さず個人を 特定 されないようなビジネス形態 (例えば ブログ やニュースサイトの運営、動画の配信とか) の場合、同時に左右両方の立場でそれぞれブログやサイト、動画を作り、それぞれの立場で相手を 煽った り 叩いた り争ったりします。 右とか左とか、環境問題とかジェンダー問題などは、対立が激しくなればなるほど人が集まりアクセスが増えお金が儲かりますから、ほとんど 自作自演 に近い 対立煽り を繰り返して大騒ぎするような人もいます。
こうしたやり方は不誠実なだけでなく、政治や社会や人権などといった重要な問題に不必要な波風を立て、分断や憎しみを煽り立てる 害悪 あるやり方だと云えるでしょう。