同人用語の基礎知識

叩き

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批判し攻撃すること…「叩き」

 「叩き」 とは、何かを打ちのめすこと、転じて何かを強く批判すること、手厳しく糾弾したり、非難することです。 「バッシング」(Bashing) とも呼びますが、根拠がある建設的で健全な批判ではなく、悪意に満ちた誹謗中傷なども、そう呼ぶ場合があります。

 ネット掲示板 の世界などでは、煽り釣り などと並んでお行儀の悪い 書き込み、良くない レス定番 のような扱いだったり、度が過ぎると単なる 荒らし と同じだ、書き込む人が不快に感じてそのコミュニティが衰退する原因ともされます。 しかし一方で、「祭り を盛り上げる 燃料 だ」「場合によっては必要悪のひとつでネットの華だ」 とする意見も、ないわけではありません。

ネットでなぜ叩くのか

 人や団体、作品などの悪口や陰口はしないにこしたことはありませんが、そうはいっても多くの人にとって憂さ晴らし、仲間との連帯を強めたり、悪趣味で下世話な楽しみというのも一面の真実でしょう。

 それは極めてローカルな隣の家に住むご近所迷惑のうるさい住人の悪口でも、誰でも知っている芸能人や政治家、大企業相手でも基本的には同じです。 またちょっとした失敗、ミスや違法行為などを行った人物や団体などを、「正義は我にあり」 と居丈高になって叩くのも爽快感があると感じる人が結構いるものです。

 こういった態度は新聞社やテレビ局などのマスコミで、特に顕著に見られる傾向ですが、しばしばその論調は過激となり、叩けば叩くほど相手が憎く感じられ、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いのごとく、叩く直接の原因となった理由を飛び越え相手の人格を全否定したり、それを擁護する人間も 「同罪、同じ穴の狢だ」 としてバッシングの対象とされる場合もあります。 ただしそうした 「叩き」 はあくまで一過性のものであって、いつまでも後に引きずらない傾向もあります。 飽きてきた頃に、「次に叩く対象」 が現れ、バッシングする空気がそちらへ移動するからです。

 しかし一方で、何年も何年も同じ相手を徹底して叩くケースもあり、それぞれが個別の 「原因」 や、叩いている人たち固有の 「理由」 を持っています。 なお叩かれやすいもの、一部の人が積極的に叩くべきだと考えるものは、「叩き対象」「サンドバッグ」 と呼びます。

叩きのパターン その1 「私怨」

 しばしば 粘着質 な叩きの原因となるのが、この 「私怨」(個人的な恨み、怒り) でしょう。 叩かれる方からしたら叩いている方にこそ原因がある、ひどい逆切れの場合も少なくなく、場合によってはネットのバッシングにとどまらず、現実世界での犯罪行為などにも直結する厄介な相手です。

 ネットの 「掲示板」 などで 「○○は、こんな酷いことをしている、許していいのか!」 的に煽る場合もありますが、多くのネット利用者は煽っている方にこそ負のオーラ、何かしらの 香ばしさ を感じて、ある程度普遍的な 「非難すべき理由」 がない限り、そう簡単に大きな 「祭り」 や 炎上 などにまでは至らない場合が多いものです。

 また逆に私怨で叩きを煽っている人間の身元が、書き込み内容などから発覚して自爆となり、逆に叩かれる対象となる場合もあります。 この手の人の書き込みは基本的に同じことの繰り返し、内容のパターン化が目立つため、固定の ハンドル がなくても別のハンドルを名乗っていても、すぐに発覚して 「またお前か」 なんて状況にもなりやすいものです。

叩きのパターン その2 「アンチによる叩き」

 自分の贔屓と敵対するもの、利害関係 (ごくごく些細で独りよがり、あるいは単なる思い込みも含む) によって、特定の対象を叩く場合もあります。 例えばアニメAの熱心すぎる ファン が、それと競合するアニメBを叩くといった図式ですね。 また マンガ を原作として アニメ が作られる場合に、原作の熱狂的なファンが、「こんなアニメは 原作レイプ だ」 と叫んで叩く場合もあります。

 こういった、自分の贔屓と敵対するものに対するアンチ活動はネットの世界でも現実の世界でももっとも多いパターンで、また叩く対象となっているものを擁護したり好んでいるファンのいる場所に、積極的に介入するのも大きな特徴です。 中には誹謗中傷、名誉毀損に相当するような罵詈雑言すら飛び越え、ある種の脅迫といった犯罪行為に結びつく場合もあり、掲示板などでは 隔離 の対象となる一番迷惑な叩きでしょう。

 さらに最悪なのは、その アンチ が実は昔はファンだった…それなのに自分の思うようにことが進まず勝手に 「裏切られた」「切り捨てられた」 などと思い込む 反転 したタイプのアンチで、これは 「叩き」 の中でももっとも戦闘力と負のモチベーションの高い、とても困ったアンチさんとなります。

叩きのパターン その3 「ファンの反応を伺うための叩き」

 3のパターンは、「叩き」 というより 「釣り」「煽り」 の一種、もしくは複合したものともいえ、叩く対象のファンや関係者などに挑発的な叩きやバッシング内容をぶつけて、相手が怒ったり反論、擁護する姿を見て楽しむといった感じの叩きです。

1〜3のパターンが 「核」 となり、叩く空気が醸成

 アニメや ゲーム がつまらない、視聴率が上がらない、ソフトが売れない、爆死 してるとか、アイドルや声優に ビッチ中古 の疑惑がある、自分の好きなアイドルやタレントに対して恋人疑惑がある相手などに対して、1〜3のパターンの人たちが常日頃から 「叩き」 を行っていますが、そこにちょっとした 「燃料」(タレントの問題発言とか、商品の不良・不都合箇所の発見、法律に違反する行動など) があると、それまで無関係の人を巻き込んで、猛烈なバッシングの嵐が吹き荒れることになります。

 逆に何らかの不祥事などを発端とし、それまでは表面に現れなかったアンチ、もしくはアンチ予備軍が、「やっぱりそうだったのか」 と批判を一斉に開始する場合もあります。 しばしば集団の叩き行為に発展する場合が多く、叩かれた方への ダメージ は深刻なものとなるケースもあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2003年5月21日)
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