やめて! HP が減っちゃう…「ダメージ」
「ダメージ」 とは、英語の 「Damage」(損耗、損害、損害) のことですが、HP (ヒットポイント) といった体力の 概念 があり、かつ戦闘や罠 (トラップ) といった 行為判定 がある ゲーム においては、プレイヤー が操作する キャラ や ユニット の行為に対し、正否を問わず HP などの損耗・減少が生じることを指す言葉です。 略して 「ダメ」 とも云います。
例えば HP が 100 のキャラが攻撃を受けるなどして HP を25 減らしたら、25ダメージ (25ダメ) といった云い方をします。 HP がさらに減って 0 になると、通常そのキャラは死ぬか、行動不能となります。 なお一撃死といった場合、100 以上のダメージを受けたと考えることもできますが、HP がいくつであれ無視して 0 にするというケースもあり、一般的には 「即死」 と呼んでダメージとはあまり呼びません。 これらは 「ダメージ攻撃」 と 「即死攻撃」 とで分ける考え方もあり、ライフ (生命力) の概念がある場合、HP だけでなくそちらも減ってしまう場合もあります。
受けたダメージの量で呼び方が変わる場合もあります。 例えば大きなダメージなら大ダメージ (大ダメ)、中なら中ダメージ (中ダメ)、小なら小ダメージ (小ダメ)、微小で微ダメージ (微ダメ) あるいは カスダメージ (カスダメ) です。 ミリタリー に関するゲームの場合、それぞれ大破・中破・小破・微破と呼ぶこともあります。
なおダメージ量をゲームの画面上に表示する演出は ヒットマーク と呼びます。
ダメージを受けたら回復したり、そもそもダメージを防いだり
受けたダメージは アイテム を使ったり別のキャラの支援を受けるなどして、戦闘中あるいは戦闘後に 回復 (HP の補充) をすることができます。 回復はヒーリング、そのためのアイテムは 回復アイテム と呼ぶことが多いでしょう。
一方、ダメージを軽減したり受けなくて済むように、戦闘相手の攻撃力 (及び防御力) を下げる デバフ、こちらの防御力 (及び攻撃力) を高める バフ という概念を持つゲームもあります。 相手の攻撃力が減じた上にこちらの防御力が高まればダメージは少なくて済みますし、合わせて相手の防御力が減ってこちらの攻撃力が増えれば相対的な差はさらに大きくなり、こちらが攻撃を受ける前に相手を倒すこともできるでしょう。 デバフ・バフはこの両面の効果があります。
ただし一撃死 (即死・ワンパン) の場合、デバフ・バフではカバーしきれない場合があります。 この場合は、相手の攻撃を無効化する必要があり、例えばこちらの回避率を高めて攻撃が当たらなくする、魔法なら敵の攻撃の 属性 とは逆の属性を付与して耐性を高める、あるいは相手の動きを封じて攻撃そのものを止めるといった方法が採られます。 この他、特定の武器や属性の組み合わせによって特別な効果が生じる場合もあります。 これは 特効 と呼ばれます。
なおゲーム中の戦闘にせよ軍事におけるリアル世界の戦闘にせよ、戦闘行為にダメージはつきものですが、死亡する、破壊される (撃沈・撃墜される) といった最悪の状態を防ぎ、回復可能なダメージに留めるための応急処置をする場合があります。 こうした行為やそのための手段、装備 などは、とくにダメージコントロール (ダメコン) と呼びます。 同じような概念でゲームならではのものには、「復活」 もあります。 これはいったんキャラやユニットが死亡したり破壊されたり戦闘不能になっても、そこから HP などが回復され行動や戦闘が可能な状態に戻ることを指します。
ゲームプレイを左右するダメージ対応
キャラに体力や生死があるゲームであれば、いかに相手にダメージを与え、こちらのダメージを少なくするかは、ゲーム進行の成否を左右する重大事項の一つです。 とりわけ格闘ゲームなどは、それがゲームの核心というか、目的そのものだと云っても良いかもしれません。
一方で、ダメージが蓄積してキャラが瀕死の状態に至ると、「火事場のバカ力」 として強力な必殺技が繰り出せたり、クリティカル の発生確率が上昇するような設計のゲームもあります。 この場合、相手の攻撃によるこちらのダメージを正確に予想してカウンター攻撃を仕掛けると云った駆け引きや計算が必要になる場合もあります。
またダメージ量は相手からの攻撃や罠が発動してこちらへ被害が及んだといった瞬間に確定しますが、その後も継続してダメージ (おおむね微ダメに留まる) が生じる場合もあります。 代表的なのは攻撃や罠によって毒や火傷といった ステータス異常 (状態異常) になって一定時間ごとに微ダメが発生し続けるなどですが、こうした状態はとくに スリップダメージ と呼んで区別します。
日常生活でもよく使われる 「ダメージ食らった」
ゲームが由来や 元ネタ となる用語や言い回しを日常生活でも使うケースはたくさんあります。 しかし 「ダメージ」 については、ゲーム以前から普通のカタカナ日本語として使われており、HP やヒーリングといったゲームが一般化した以降に使われたような言葉とは異なるでしょう。
使い方はシンプルで、傷ついた、疲れた、お金が減ったなどで、それぞれ 「心無い言葉にダメージを負った」「今日の仕事はダメージがでかい」「グッズ を買ってお財布が大ダメージ」 などになります。