支援してもらって勇気と元気100倍?… 「バフ」
「バフ」 とは、ゲーム において特定の キャラクター や ユニット などに好ましく有利になる効果、具体的には攻撃力や防御力、回避力、速度 (素早さ) といった固有の能力値 (パラメータ) を一定の割合いで上昇・強化させる効果のことです。
言葉の成り立ちとしては、英語の 「Buffer」(バッファー)、すなわち 「緩衝材」 が元となったもので、本来は RPG や TRPG などでキャラの防御力を強化する魔法や、それがかかった状態を指す言葉でした。 その後防御力以外の様々な能力値の強化にも使われるようになり、全般的な 「強化魔法」 といった扱いの存在に。 また魔法以外で同じ効果をもたらすスキルや アイテム 類全般も、バフやバフスキル、バフアイテムなどと呼ぶようになっています。
対義語は 「デバフ」(Debuffer) で、これはかけられたキャラなどが不利になるような良くない効果、バフの逆に能力値の低下・弱体化が生じるような効果を与えることを指します。 もっぱら敵に対してかける魔法で、味方へのバフ・敵へのデバフが両方かかれば、相対的により有利に戦闘を進めることができることになります。 ただしデバフそのものによって、直接 ダメージ や HP の減少効果 (例えば スリップダメージ のような継続的なダメージ)が発生することは通常ありません。
ゲームにおける 「バフ」 の役割
「バフ」 の効果の及ぼし方は、ゲームの種類やゲーム中のルールや分類によって様々です。 複数のキャラがチームやパーティーを組んで冒険を行うゲームでは、魔法使いが敵や モンスター との戦いを有利にするため、仲間や自分に対してかけるものといった扱いが多いでしょう。 こうした役割のキャラや職業は 「バッファー」、あるいは 「バフ要員」 と呼びます。 バフ要員は仲間の 回復 や敵へのデバフ役を同時に担うケースも多く、合わせて 「回復バフ要員」 あるいは 「支援要員」 などと呼ぶこともあります。
効果には時間制限がある場合が一般的で、例えば効果時間が120秒間ならそれを過ぎた瞬間に効果がなくなります。 バフ状態を維持したければ、繰り返し何度もバフ魔法をかけ続ける必要があります。 難易度 が高いゲームでは、バフ状態の維持が必須となるケースが多いですし、敵との戦闘でポイントとなるタイミング (敵が大幅に強化されるなど) があれば、その時に確実にバフがかかっている状態を維持しなければなりません。 またバフ効果の大小がバフ要員のキャラ レベル や魔法レベルで変化する場合も多く、強力なバフ要員の役割はとても重要です。
一方、アイテムの 装備 などにより、バフ状態が常態維持される場合もあります。 ただし装備品を 装備 することによって装備品が持つ固有の能力値がキャラのそれに加算されて上昇するのは当然なので、それに加えて何らかの特別な強化が生じなければバフ装備とは呼ばないでしょう。 例えば特定の職業やスキルを持つキャラが装備した場合のみ効果が大きく上昇する場合などは、「特効 がある」 の他、「〇〇職にバフ効果がある」「バフがかかる」 と云った言い回しをすることもあるでしょう。
単にバフ効果を得るだけでなく、敵の攻撃や罠などによってデバフ状態にされてしまった場合に、その効果を打ち消すために使う場合もあります。 バフによって効果を相殺して単に打ち消す = プラマイゼロで 状態異常 が解消して元に戻るだけの場合もあれば、バフで上書きしてバフ状態になる場合もあります。 また罠ではありませんが、低レベルの仲間から低レベルのバフをかけてもらった時、その効果では不十分な時に、より高レベルのバフを別の仲間から改めてかけ直してもらうこともあります。
なおバフの上にバフを重ねるようなかけ方もありますが、一般的には効果が重複することはなく、また重複するとしてもおのずと上限は設けられています。 無制限に強くなるわけではありません。
日常生活における 「バフ」
ゲームが一般化する中、ゲームの中で使われる言葉を日常会話などで使うケースも増えています。 中でもバフは人の状態をあらわす言葉として便利であり、「応援する」「支援する」「強化する」 といった意味で使われることも多いでしょう。
また何らかの追い風が吹いている状態をバフがかかっていると呼ぶこともあります。