クリティカルで一発逆転
「クリティカル」 とは、元々は ゲーム の テーブルトークRPG (TRPG) や ゲームブック において、行為判定 おける 「絶対的成功」「決定的成功」 を指す言葉です。 英語の 「Critical」 は 「危険」「重大」「最重要」 といった意味で使われますが、ほぼそのままの意味の言葉となります。
「行為判定」 では、ゲームの プレイヤー がゲーム内で何かの 「行為」(部屋の鍵を開けるとか、敵に攻撃を加えるなど) を行おうとする時に、その行為が成功したのか失敗したのか、成功したならどういう成果が現れるのか、失敗したらどんなペナルティが与えられるのかなどを、その都度サイコロを振ったりカードを引いたりして判定します。
その際、特定の確率、条件で、いわばボーナス得点とも呼べる高い成功、絶対的な成功を収めるルールを設けて (逆に絶対的な失敗もあわせて 設定 します)、ゲームに偶然性や意外性、それによるドラマチックな起伏をつける試みがされました。 現実の世界でも、全く同じ条件なのに予想外に大成功したり、逆にどうやっても失敗ばかりなどという場合がありますが、これを取り入れたわけですね。
「クリティカルヒット」「会心の一撃」 が炸裂
うち攻撃に関しては、「クリティカルヒット」(会心の一撃) なんてのがあります。 これさえ出れば、例えプレイ中に多少不利な状況となっても、一定の確率で、通常よりはるかに大きな ダメージ を敵に与えたり、即死効果を与えて一発逆転が可能になったりします。 多段ヒット攻撃のように1回の攻撃で複数回の判定がある場合は、1回目を1クリ、2回目を2クリなどと呼んで区別することもあります。
なお対義語は ファンブル (絶対的失敗、痛恨の一撃) となります。 この場合は、こちらの攻撃が失敗して敵に当たらないとか、こちらに対する敵の攻撃が 「クリティカル」 になった状態となりますが、単に通常より大きなダメージ、致命傷を受けたり キャラ が即死したりだけではなく、ゲームによっては所持 アイテム を落として紛失したり、せっかく積み上げてきた 経験値 や能力値が削られるなどの過酷なペナルティを科せられる場合もあります。
TRPG でも盛り上がることの多いこうした特殊な 「効果判定」 は、コンピュータがゲームマスターを務めるパソコンゲームやテレビゲームでもそのまま採用され、攻撃の際に派手で特殊なグラフィック効果を与えて戦闘シーンを盛り上げ爽快感を増すような演出がされるケースが少なくありません。
転じて、リアル社会で親や友人、恋人から心無い言葉や裏切りなどで予期せぬ大きな ダメージ を受けること、もしくは単なる 不運 などで痛恨の一撃を食らうことを 「クリティカルを食らった」 などと表現する場合もあります。 また自分の弱いところ、弱点 (急所というだけでなく、自分にピンポイントで 突き刺さる 萌え要素 なども含みます) を、「クリティカルポイント」 などと呼ぶ場合もあります。