ゲームの周回を効率化したい…「DPS」
「DPS」 とは、戦闘の 概念 がある ゲーム において、プレイヤー が操作する キャラ や武器が敵に対して攻撃を行う際の 「時間当たりで与えられる ダメージ の総量」 を指す言葉です。 英語の 「Damage Per Second」(1秒あたりのダメージ量) の略語であり、「ダメージ効率」「火力効率」 と呼ばれることもあります。 またこうした部分で評価の高いキャラや武器、ジョブなどは、「DPS武器」「DPS職」 といった呼び方をする場合もあります。
ゲームでは、強敵や高い耐久力のある ボス との戦闘がつきものです。 そうした敵は高い HP を持ち、長時間にわたって攻撃を加え続けて少しずつ HP を削り倒すことになります。 その際、攻撃の効率を意識しないと、同じ 勝利 をするにしても無駄に時間ばかりがかかる事にもなるでしょう。 また一般に ネトゲ (オンラインゲーム) などでは、レアなアイテム の獲得や 経験値 稼ぎなどのため、何度も何度も同じ敵とひたすら戦う (周回) 必要が生じたりしますから、1回1回の戦闘をなるべく短くし、時間当たりの周回効率を高めるためにも、こうした DPS という考え方は重要視される傾向があるようです。
なお後に意味は 拡散 し、単純に 「強いキャラ」「攻撃担当キャラ」 の意味で 「DPSキャラ」 という使い方をしているケースもあります。 一般にこうしたキャラは、アタッカーとか火力職、DD/ ダメージディーラー、無双キャラ・最強キャラなどと呼ぶのが正しいのでしょうが、一部のゲームにおいては本来の意味からは外れた使い方が定着しているケースもあります。
火力の大きさとスピード、命中率やクリティカル率などなど…
ゲームにおける攻撃力の考え方は、基本部分では火力の大きさと繰り出すスピードの組み合わせとなり、大きく分けて2つあります。 1発当たりの攻撃力は強いけれど攻撃スピードが遅いケースと、1発当たりの攻撃力は弱いけれど攻撃スピードが速いパターンです。 例えば5秒間に与ダメージ 1,000 の攻撃を1回しか出せないキャラなら、同じ5秒間に与ダメージ 250 の攻撃を5回出せるキャラに一発当たりのダメージ量では勝っていても、時間あたりのトータルダメージなら劣る結果となるでしょう。
さらに攻撃の命中率判定がある場合や、クリティカル の有無でも状況は大きく変わります。 同じ速度で出せる与ダメージ 250 の攻撃の命中率が 100% のケースと、与ダメージ 1,000 の攻撃の命中率が 25% のケースでは時間当たりの期待値がおおむね同じとも云えますし (実際は結構違う)、これはクリティカル成功時の与ダメージ増加倍率や発生確率でも同じ関係性があると云えます。
もちろんこうした効率の内容は、単に時間あたりの与ダメージ総量だけでは優劣が決められない場合もあります。 例えば敵の HP が750だった場合、火力とスピードだけで考えると、与ダメージ 1,000 のキャラなら ワンパン で倒せますが、与ダメージ 250 のキャラだと3発かかるでしょう。 この場合は単純計算の結果として DPS で後者が勝っていても、特定の敵の場合は前者の DPS が勝る結果となるでしょう。 しかし攻撃後の硬直の有無によっては、それも逆転するかもしれません。 こうした敵や自分のキャラの 属性 や仲間キャラの組み合わせなど様々な要素で、ゲームの シチュエーション ごとに時間効率の期待値が目まぐるしく変わるケースもあります。
誰でも1日は24時間のはずなのに、ごく短期間に異常なほどの成果 (キャラの レベルアップ やイベントポイント数の獲得) を叩き出すプレイヤーは少なくありません。 様々試行錯誤し、ゲームの仕組みや仕様を考察し、効率を極限まで高めると、そうでない漫然とプレイしているプレイヤーと比べて信じられないほどの成果を生むことができるでしょう。 トッププレイヤーやランキング常連の ランカー と呼ばれるような人は、こうした部分への努力が並外れた人が多いものです。
効率ばかりを追い求めると作業感が出てきて楽しめないというゲーム ファン がいる一方、効率のギリギリ限界を極めたいというファンもいますから (いわゆる エンジョイ勢 と効率厨や ガチ勢 との温度差)、こうした 「DPS」 の使い方や意義は人それぞれ、ゲームそれぞれです。 協力プレイなどではその考え方の違いから DPS 値の低い人を足手まとい扱いするなど様々な摩擦や軋轢を生むきっかけになったりもしますが、いずれにせよ同じ時間と情熱をゲームに費やすなら、面白く、かつよりよい結果がでる楽しみ方ができると良いですね。
「DPSチェック」 とは…?
派生したプレイ方法や考え方に、「DPSチェック」 があります。 これは一定時間内に一定量以上のダメージを敵に与えられなければ、自動的に時間切れで ゲームオーバー となったり、極端に不利な立場に置かれる状況を指します。 例えば時間経過とともに HP が徐々に 自動回復 する モンスター が敵なら、一撃で倒すか HP が 回復 する量以上のダメージを与え続けられなくてはいけないでしょう。 その結果、「一定以上の DPS値 がない人は敵を倒せずチェックを通過できません」 に陥ってしまいます。
こうしたシステムを持つ代表的で著名なゲームには 「ファイナルファンタジーXIV」(FF14) などがあります。 また一定以上の DPS値 を稼ぐために必須の武器や アイテム、キャラ (人権) が存在する場合、それを持っていないとチェックを通過できないことから、「持ち物検査」 や 「持ち物チェック」 と呼ばれることもあります。
なお DPS と直接的な関係があるわけではありませんが、密接な関係にある概念に 「貢献度」 もあります。 複数人で協力して敵と戦った際に、誰が一番ダメージを与えられたかを 「敵を倒す貢献度」 として判定する考え方です。
単純に与ダメージの量だけを基準に貢献度をランキング的に明示するようなゲームもあり、それを物差しとする場合もありますが、与ダメージ量が少なくとも味方の回復や バフ・デバフ など必須の補助を貢献度にカウントしたり、あるいはゲームのシステムになくともプレイヤー間で貢献と判断して評価する考え方もありますし (戦闘後のアイテムの分配などで考慮する)、ゲームのシステムや遊び方・戦い方によって、様々な考え方があります。