同人用語の基礎知識

経験値/ EXP

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一般名詞にもなっている 「経験値」

 「経験値」 とは、RPG (ロールプレイングゲーム) において、ゲーム のルールに基づいて プレイヤー が行った様々な行為に応じて得られる (配分される) キャラクター 成長のための褒賞ポイントのことです。 このポイントが規定された一定数以上になると レベルアップパラメータ の上昇といったキャラの能力向上が図られる仕組みとなっているケースが多いでしょう。

 経験点と呼ぶ場合もあり、また英語表記 「Experience Point」 の略語として、「EXP」 や 「Ex」 と表記される場合もあります。 なお経験値ではなく、技術習得ポイント・熟練ポイントなど、その他の名称 (ゲームが 設定 した 世界観 などによる) になる場合もあります。 一般的に経験値そのものは数値で示され、それが加算・累積されることとなります。

 経験値という 概念テーブルトークRPG (TRPG) の時代に登場し、その後はコンピュータゲームの RPG などにも、ほぼそのままの形と名称で継承されました (日本における経験値 (ケイケンチ) という言葉自体は 「夢幻の心臓」(1984年) が最初との話もあります)。 「キャラが経験を積んで成長する、強くなる」 という 概念 の根幹をなす仕組みであり、レベルアップなどの概念が存在するあらゆるゲームにほぼ同じ形で取り入れられているといって良いでしょう。 ただし敵から奪った武器などを 装備 してキャラクターや ユニット を強化するという形、あるいはカードゲームなどで他カードと合成したり、レベルアップ専用の アイテム を使用するといった形でのみ、キャラの成長を実現しているゲームなどもあります。

 なおどのような行為をしたら (行為の種類、例えば戦闘なら倒した モンスター の種類)、それに応じてどのくらいの経験値が与えられるかの設定やそれを表にした一覧は、とくに 「経験値テーブル」 などと呼びます。

キャラクターの成長を、どうゲームでシミュレーションするか

 スポーツやアクションゲームなどは、競技者やプレイヤーのゲームに対する慣れ、習熟や成長がダイレクトにゲーム結果に反映します。 これと同じ概念を、RPG のキャラクターの成長にどう取り入れてシミュレーションするのかは大きな問題です。

 ゲーム中で剣を振るって敵を倒すとして、その結果の判定 (行為判定) をサイコロを振るなどの確率だけにしてしまっては、偶然性だけが大きくなりすぎて戦略性がなくなり単純なゲームになってしまいますし、そもそもリアリティもなくなります。 人間同様にゲームのキャラだって、経験を積めば戦闘が上手くなったり強くなるはずです。 また自分と敵のパラメータが固定の場合、組み合わせによって絶対に勝てる敵・勝てない敵に単純に分かれることとなり、それがゲーム序盤から最後まで固定されてゲームの奥行きが失われたり、強敵を倒してクリアすることが不可能になってしまいます。

 そこで敵を倒すなり宝箱を開けるなり、行為ごとに一定のポイントを獲得し、そのポイントをキャラクターのパラメータや ステータス に加算し、成長を擬似的に表現するようになりました。 元祖となったのは、ダンジョンズ&ドラゴンズ (D&D/ Dungeons & Dragons/ 1974年) で、冒険を続けるごとにキャラが少しずつ成長し強く逞しくなってゆくという概念がここから始まるようになりました。 なおこのゲームで採用された経験値のシステムは、アメリカ軍の昇進システムからヒントを得たともされていて、レベル に応じてキャラの称号が変わるなど、軍隊の階級システムのような要素も持っています。

経験値の配分、加算ポイントは、ゲームによって様々

 通常は強い敵を倒すとより高いポイントが手に入り、弱い敵を倒すと低いポイントしか手に入りませんが、TRPG などのゲームのルールや進行の仕方によっては 「いかに勇気を示し英雄的な振る舞いをしたか」 といったキャラクターの行動を数値化して顕彰したり、そのキャラを演じたプレイヤーのプレイ姿勢 (熱心にキャラを演じた、周りのプレイヤーを楽しませようと努力した) などを経験値のポイント加算の判断基準としている場合もあります。

 ポイントの配分の方法は様々で、キャラクターごとに割り振るものもあれば、プレイヤーに配分するもの (複数のキャラクターを持っている場合、強化したいキャラに重点的に割り振ることが可能) もあり、また戦闘を含め行為ごとに割り振る場合もあれば、ゲームに一区切りがついたとき、あるいは終了時にまとめて配分する場合もあります。

 また経験値をキャラのパラメータ (防御、攻撃、知能、など) に直接分配することができる場合もあれば、一定の経験値が集まって規定の数値に達したら割り振れるもの、あるいはキャラクターにレベルを設け、規定の経験値がたまるとレベルアップするものなど、様々な形のものがあります。

 行為判定には、通常の成功と失敗の他、クリティカル (絶対的成功) と ファンブル (致命的失敗) などがありますが、それぞれにボーナスポイント、ペナルティなどを課す場合があり、ゲームやルールによっては、高い経験値を得ることができたり、逆に既に持っている経験値を失う (レベルが下がる) などのマイナスポイントとなる場合もあります。

経験値を稼いでキャラを育てることが目的になることも

 本来経験値を稼いだりレベルアップをするのは、ゲームプレイを有利に進めるためだったり、プレイを続けた結果なのですが、中には経験値稼ぎやレベルアップとった育成そのものがプレイの目的となる遊び方やプレイヤーもいます。 ただひたすら経験値稼ぎをしてキャラを強くする、レベルアップに血道をあげる人のことを、とくに 「レベルアップ職人」「育成職人」 などと呼びます。

 ネトゲ によっては、キャラが最大レベルまで育ったりパラメータなどが カンスト (上限) すると、グラフィックに変化が生じる演出がされているものもあります。 また他プレイヤーより先に 推し のキャラを最強状態にしたい、限界となるパラメータの検証を行いたいなどが動機となって育成する場合もあります。

ゲーム以外の日常会話で 「経験値」 が使われる場合も

 こうした概念はゲームの世界特有のものでしたが、RPG などのゲームがブームとなり定着する中で、実社会でも 「経験」 を 「経験値」 と言い換えたり、格の違いを経験値やレベルに言い換えて使うケースなども増えています。

 また本来は、経験値は獲得するもの、蓄積させるものですが、経験値をゲットすることを 「経験値上昇」「経験値上昇中」 などと呼ぶ場合もあります。

 なおそれ以前までの 「経験値」 という言葉の使われ方として、経験によって得られる値、という意味の言葉もあります。 実際に測定して得た数値ではないけれど、過去の実証データからおおよそこの数値が類推される、単なる 理論値 ではなくある程度以上の経験的裏付けがある予想値という意味になります。 こちらはゲームの経験値そのものとは関係がありません。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年9月23日)
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