攻守ともに隙なし！ 「最強」
「最強」 とはもっとも強いこと、他の誰にも負けない強さの最上位の存在を意味する言葉です。 勝負事で常に勝てる存在、物事に動じず精神的・肉体的 （物理的） に強くて何者にも屈しない存在となります。 単に量的に大きい、硬い、優れているといった意味で使う場合もあります。 例えば 「可愛らしさ」 などは一般に強い弱いといった尺度では表しませんが、最強アイドルと云えば人気実力に加えしばしば ルックス でも No.1 のアイドルという意味になります。
言葉として使い勝手が良いので様々なものに当てはめますが、誤変換当て字 として 「最恐」 とか 「最凶」 といった表現をしたり、ネットスラング でわざと 誤読 して 「さいつよ」 と読んだり、強部分を差し替えてアレンジした 「最萌」「最尊」 などの表現もあります。 一般に対義語は 「最弱」、同じような意味で使われる言葉に無敵や 無双 があります。
無差別級か階級別か、異種格闘技かそうでないか、難しい 「最強」 判定
同じ最強でも、それがどのような条件や 環境 の元での最強なのかで、定義や意味合いも変わります。 例えば格闘技などでは、無差別級の最強と階級別の最強とでは、同じ最強でも ニュアンス はかなり違うでしょう。
一般に軽量級の選手は重量級の選手に対して大きな肉体的ハンディキャップがあるとされ、だからこそ体重などを元にした階級が制度として設けられています。 しかし同じ格闘技の中で最終的に誰が強いのだ、となれば、それ以外の階級を含む上位互換である無差別級の最強こそが真の最強だといった見方が強いでしょう （もちろん個々の選手の素質によりますが）。 また同じ競技内ならどちらが強いか自明でも、異なる競技者同士の対決、異種格闘技戦の場合、有利な競技と不利な競技が戦えば、こちらも平等な意味でどちらが本当に強いのか判断が難しくなるでしょう。
とりわけ ミリタリー の世界でどの兵器が最強かといった テーマ では、条件やそれぞれの兵器の用途、得意不得意などもあり、そもそも最強というタイトルを冠しようとする行為自体がナンセンスになる場合もあります。 例えば素手で戦う武術と、刀や槍、弓矢、さらに銃などを使った武術とで１対１で戦っても、条件が違いすぎ対等な勝負事とは捉えられないでしょう。
また軍艦で云えば、一般に巨砲を載んだ戦艦が攻守ともに最強の存在と見られがちですが、対潜装備を持たない場合はおおむね潜水艦相手に一方的に攻撃を受けるだけの非常に弱い存在となります。 潜水艦の天敵は戦艦に比べたら小さな駆逐艦ですが、魚雷発射管を持つ駆逐艦は条件次第では戦艦を屠る能力がありますし、数字上の スペック はともかく、実戦においては駆逐艦こそが最強だと云える場合だってあります。
絶対最強か相対最強か
前述した様々な条件などにより、最強はあくまで他と比較した場合の強さ、相対的な強さだと留意する必要があります。 ある条件下で最強無敵であっても、ちょっと条件を変えたら最弱になることもありえます。 また勝ち負けや数値である程度結果が客観的に求められるものならともかく、議論や文化的な優劣などを強弱や勝ち負けで判定すること自体が無意味というか、ナンセンスなものなのでしょう。
その意味では最強といった言葉自体には個人的な 感想 や お気持ち、キャッチフレーズ、煽り 以上の意味はあまりなく、「最強だと云った者勝ち」 という部分もあります。 こうしたこともあり、「最強」 といった表現は 「ナンバーワン」 や 「最大」「最小」 といった広告などで根拠を示すことなく使うことが許されない 最上級表現 の一つとして扱われます。
とはいえ、そんな前提が分かった上で、最強談義はとても楽しいものです。 とくに マンガ や アニメ などの創作物におけるそれは、ネット の 掲示板 では盛り上がる ネタ として扱われます。 ガンダム最強機体論争などですね。
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